2015年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

有機化学I(Organic Chemistry I)[3123]

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2単位
平井  剛 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
有機化合物の性質と有機反応の基礎を理解する。

<受講にあたっての前提条件>
高校化学の基礎を復習しておく。

<具体的な到達目標>
有機化合物の構造を理解できる知識を身につける。
混成軌道を理解し、分子の形を3次元的にイメージできるようになる。
有機化学反応を電子の動きで理解できるようになる。
原料と反応条件から、生成物を推測できるようになる。
目的とする有機化合物の合成法を立案できるようになる。

<授業計画及び準備学習>
教科書の例題などを復習し、重要なポイント、知識の確認をすること。
化合物・官能基名は、英語で覚えること。
授業中に小テストを実施予定。

講義内容
教科書の該当章とキーワード

1. 化学結合と混成軌道(1)
   教科書第1章、sp3混成軌道

2. 化学結合と混成軌道(2)
   教科書第1章、sp2混成軌道、sp混成軌道
   (分子模型を使います。)

3. 電気陰性度と分極、有機化合物の酸性と塩基性
   教科書第1章、分子の極性、ブレンステッド酸・塩基

4. 有機化合物の酸性と塩基性、アルカンの命名法
   教科書第1-2章、ルイス酸・塩基、IUPAC命名法

5. アルカンの命名法、アルカンの立体配座
   教科書第2章、IUPAC命名法、Newman投影式
   (分子模型を使います。)

6. シクロアルカンの命名法、立体配座
   教科書第2章、いす形配座、環反転
   (分子模型を使います。)

7. アルケンの命名法、幾何異性体
   教科書第3章、IUPAC命名法、順位則

8. 有機化学反応の機構
   教科書第3章、置換反応、付加反応、求核剤、求電子剤

9. アルケンの付加反応と選択性(1)
   教科書第3-4章、アルケンとHXとの反応、カルボカチオン、遷移状態

10. マルコウニコフ則
   教科書第4章、非対称アルケンとHXとの反応、カルボカチオンの安定性、反応の選択性

11. アルケンの付加反応と選択性(2)
   教科書第4章、アルケンとX2との反応など、反応中間体

12. 共鳴理論と共役系化合物
   教科書第4章、共役ジエンとHXとの反応、反応中間体、アリルカチオン

13. 芳香族化合物と求電子置換反応
   教科書第5章、ベンゼン系化合物の概要、命名法、ニトロ化など

14. 求電子置換反応とフリーデル・クラフツ反応
   教科書第5章、カチオン性中間体、反応の選択性、置換基の電子的効果

15. 学習内容の振り返り

16. 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
授業にきちんと出席することが成績評価の前提。
学期末に授業内容すべてを範囲とする試験を実施。
試験の結果で到達目標に達したと認められる者を合格とする。

授業への出席は評価の前提条件であり、最終評価は原則的に試験の結果をもって行うが、
期末試験の結果(平均点など)に応じて、講義内で実施する小テストの成績も最大20%加味する。
 
詳しいルールに関しては講義中に述べる。

<教科書>
マクマリー有機化学概説(東京化学同人)
HGS分子構造模型(丸善)

<参考書>
有機化学の基本‐電子のやりとりから反応を理解する‐(化学同人)

<オフィスアワー>
講義前後は講師控室におります。

<学生へのメッセージ>
有機化合物は、皆さんの身近にある化合物であり、様々な材料や薬として利用されています。これらの機能を理解する上で、その構造(形)をしっかり捉えることはとても重要です。ノートに書く平面の絵ではなく、立体的な形を理解するために、分子模型の購入をオススメします。
 楽しく、有意義な時間を過ごせるよう、お互い協力していきましょう。


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