2015年度工学院大学 先進工学部環境化学科
△有機化学I(Organic Chemistry I)[3123]
2単位 平井 剛 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 有機化合物の性質と有機反応の基礎を理解する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校化学の基礎を復習しておく。
- <具体的な到達目標>
- 有機化合物の構造を理解できる知識を身につける。
混成軌道を理解し、分子の形を3次元的にイメージできるようになる。 有機化学反応を電子の動きで理解できるようになる。 原料と反応条件から、生成物を推測できるようになる。 目的とする有機化合物の合成法を立案できるようになる。
- <授業計画及び準備学習>
- 教科書の例題などを復習し、重要なポイント、知識の確認をすること。
化合物・官能基名は、英語で覚えること。 授業中に小テストを実施予定。
講義内容 教科書の該当章とキーワード
1. 化学結合と混成軌道(1) 教科書第1章、sp3混成軌道
2. 化学結合と混成軌道(2) 教科書第1章、sp2混成軌道、sp混成軌道 (分子模型を使います。)
3. 電気陰性度と分極、有機化合物の酸性と塩基性 教科書第1章、分子の極性、ブレンステッド酸・塩基
4. 有機化合物の酸性と塩基性、アルカンの命名法 教科書第1-2章、ルイス酸・塩基、IUPAC命名法
5. アルカンの命名法、アルカンの立体配座 教科書第2章、IUPAC命名法、Newman投影式 (分子模型を使います。)
6. シクロアルカンの命名法、立体配座 教科書第2章、いす形配座、環反転 (分子模型を使います。)
7. アルケンの命名法、幾何異性体 教科書第3章、IUPAC命名法、順位則
8. 有機化学反応の機構 教科書第3章、置換反応、付加反応、求核剤、求電子剤
9. アルケンの付加反応と選択性(1) 教科書第3-4章、アルケンとHXとの反応、カルボカチオン、遷移状態
10. マルコウニコフ則 教科書第4章、非対称アルケンとHXとの反応、カルボカチオンの安定性、反応の選択性
11. アルケンの付加反応と選択性(2) 教科書第4章、アルケンとX2との反応など、反応中間体
12. 共鳴理論と共役系化合物 教科書第4章、共役ジエンとHXとの反応、反応中間体、アリルカチオン
13. 芳香族化合物と求電子置換反応 教科書第5章、ベンゼン系化合物の概要、命名法、ニトロ化など
14. 求電子置換反応とフリーデル・クラフツ反応 教科書第5章、カチオン性中間体、反応の選択性、置換基の電子的効果
15. 学習内容の振り返り
16. 学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法>
- 授業にきちんと出席することが成績評価の前提。
学期末に授業内容すべてを範囲とする試験を実施。 試験の結果で到達目標に達したと認められる者を合格とする。
授業への出席は評価の前提条件であり、最終評価は原則的に試験の結果をもって行うが、 期末試験の結果(平均点など)に応じて、講義内で実施する小テストの成績も最大20%加味する。 詳しいルールに関しては講義中に述べる。
- <教科書>
- マクマリー有機化学概説(東京化学同人)
HGS分子構造模型(丸善)
- <参考書>
- 有機化学の基本‐電子のやりとりから反応を理解する‐(化学同人)
- <オフィスアワー>
- 講義前後は講師控室におります。
- <学生へのメッセージ>
- 有機化合物は、皆さんの身近にある化合物であり、様々な材料や薬として利用されています。これらの機能を理解する上で、その構造(形)をしっかり捉えることはとても重要です。ノートに書く平面の絵ではなく、立体的な形を理解するために、分子模型の購入をオススメします。
楽しく、有意義な時間を過ごせるよう、お互い協力していきましょう。
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