2015年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

オペレーションズ・リサーチ(Operations Research)[5589]

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2単位
八戸 英夫 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 オペレーションズ・リサーチ(OR)は様々な解決しなければならない問題を科学的に分析し,最終的な意思決定を下すために必要となる定量的な判断材料を提供する学問である.このための各種手法を理解するとともに,実社会で活用できる能力を身につけることを到達目標としている.

<受講にあたっての前提条件>
(1)確率,統計の基礎的知識をもっており,それらの例題を解くことができること.
(2)行列計算についての基礎知識をもっており,それらの例題を解くことができること.

<具体的な到達目標>
(1)ORの考え方や手法の分類を理解し,最適化について説明できる.
(2)代替案の選定に用いる代表的な意思決定基準を理解し,例題を解くことができる.
(3)PERTのアロー・ダイヤグラムが書ける.
(4)PERTの日程計算と日程短縮の計算ができる
(5)LPのモデル化ができる.
(6)シンプレックス・タブローを作成し,計算できる.
(7)輸送問題の解法を理解し,例題を解くことができる.
(8)待ち行列理論と在庫理論を理解し,例題を解くことができる.

<授業計画及び準備学習>
1. ORとは?  ―ORの概念,ORの定義,そして最適化の理解
準備学習:これまで学習した最適化の考え方,計算法の復習を行っておくこと.
2. 意思決定について ―目標設定の考え方と意思決定プロセスの理解
準備学習:これまで各自が設定したことのある目標の例とその問題点についてまとめておくこと.
3. 評価について ―良し悪しのものさしの考え方を学ぶ
準備学習:既存の製品や計画の定量的な評価実例について調べておくこと.
4. 効用理論について―複雑な意思決定問題の評価に不可欠な効用理論を学ぶ
準備学習:前回までの総復習をしておくこと.
5. PERTとは? ―PERTのねらい,従来の方法との比較,利用状況について述べる
準備学習:身近な例で図を用いた計画を立案しておくこと.
6. アロー・ダイヤグラム ―プロジェクトの作業順序を図表示する方法について述べる
準備学習:身近な例で作成した計画の作業順序を一覧表にしておくこと.
7. PERT計算 ―最早・最遅結合点日程,余裕日数,クリティカル・パスの求め方と解説
準備学習:身近な例で作成した計画のガントチャートを作成しておくこと.
8. LPとは? ―基本的な例題をもとに,モデル化の方法と図式解法について学ぶ
準備学習:高校時代までの不等式の取り扱い方について復習をしておくこと.
9. シンプレックス・タブローの計算法1 ―基本的例題をタブローで解く方法について学ぶ
準備学習:連立方程式の行列計算による解法について復習をしておくこと.
10. シンプレックス・タブローの計算法2 ―応用例題をタブローで解く方法について学ぶ
準備学習:前回までの総復習をしておくこと.
11.輸送問題 ―複数の発着地点間の総輸送費を最小とする解法について学ぶ
準備学習:国内の様々な貨物の輸送トンキロを調べておくこと.
12.待ち行列理論1 ―待ち行列モデルの考え方と作成法の理解
準備学習:待ち行列が発生している事例とその損失について調べておくこと.
13.待ち行列理論2 ―待ち行列モデルの解法
準備学習:高校時代までの確率・統計の復習をしておくこと.
14. 在庫管理理論  ―在庫管理の考え方,定期発注法,発注点法の理解
準備学習:在庫が発生している事例とその損失について調べておくこと.
15. 達成度評価(試験)
準備学習:前回までの総復習をノートの参照なしに説明,計算ができるレベルまで行っておくこと.

<成績評価方法>
 原則として遅刻を除く出席日数が2/3以上かつ定期試験で60点以上の者に単位を認める.
 なお,定期試験は到達目標のすべての項目について出題される.出席日数が2/3以上でないときは,目標の達成は不可能であるので不可とする.

<教科書>
指定教科書なし
※講義ノートが教科書となります.

<参考書>
「オペレーションズ・リサーチの手法」近藤次郎著(日科技連)
※講義に出席していれば,あえて購入する必要はありません.

<オフィスアワー>
講義終了後30分間,講義室もしくは1774室にて

<学生へのメッセージ>
 オペレーションズ・リサーチの知識は,情報系技術者として必要不可欠であるばかりでなく,あらゆる業種,職種で役に立ちます.特に,管理業務に携わったときに必要不可欠な知識となります.また,本講義で学ぶ内容は,公務員や会社の選抜試験,情報処理系の各種資格試験にも出題されます.


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