2015年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

芸術と社会A(Art and Its Social Aspects A)[4187]

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2単位
梅津 紀雄 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
この授業では西洋音楽史を主たる素材として、音楽と社会との関係を多面的に学びます。その際、日本における西洋音楽の導入の歴史についても合わせて学びます。現在の日本社会にあふれているのはその大部分が広い意味で西洋音楽であること、音楽は娯楽であると同時に知的な営みであることを理解し、知的な考察の対象とした上で、その社会的な意義などを読解していきます。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。

<具体的な到達目標>
1)私たちの生活にあふれている音楽を娯楽としてではなく、知的営みとして、学問的な対象として検討するまなざしを身につけ、2)音楽が社会の中で中立的に存在するのではなく、様々な相関関係を切り結びつつ存在してきたありようを具体的に学び、3)その際に参照される様々な概念についても一定の認識を身につけることです。

<授業計画及び準備学習>
1. シラバス確認、ガイダンス
 準備学習: シラバスを確認しておく
2. 音楽と宗教(1)
 準備学習: キリスト教やグレゴリオ聖歌について事典などで確認しておく
3. 音楽と宗教(2)
 準備学習: カンタータやレクイエムについて事典などで確認しておく
4. 音楽とジェンダー(1)
 準備学習: カストラートについて事典などで調べておく
5. 音楽とジェンダー(2)
 準備学習: 例えば、習い事としてのピアノのイメージについて考えておく
6. 演奏会制度の成立
 準備学習: 音楽の商品としての性格について考えておく
7. 音楽とナショナリズム(1)
 準備学習: ロマン主義について事典などで調べておく
8. 音楽とナショナリズム(2)
 準備学習: ナショナリズムについて事典などで調べておく
9. 音楽とオリエンタリズム(1)
 準備学習: エグゾティシズムについて事典などで調べておく
10. 音楽とオリエンタリズム(2)
 準備学習: オリエンタリズムについて事典などで調べておく
11. 20世紀音楽(1)20世紀初頭の音響的探求
 準備学習: 未来派、微分音、12音音楽について事典などで調べておく
12. 20世紀音楽(2)20世紀後半の音響的探求
 準備学習: ミニマル・ミュージックについて事典などで調べておく
13. 音楽と政治
 準備学習: 全体主義や社会主義リアリズムについて事典などで調べておく
14. 日本における西洋音楽の導入
 準備学習:日本の伝統音楽のイメージについて考えておく
15. 学習成果の確認(試験)
 準備学習:前回までの総復習を行う。

 以上はあくまで予定です。
 準備学習と復習においてはプリントの通読が柱となります。個別に指示がなくとも、配布物は必ず通読してください。プリントを読まないもの、特に第1回のプリントを読まないものは単位を必要としていないと見なします。

<成績評価方法>
レポート提出と定期試験受験を前提とし、定期試験65%+レポート5%+平常点30%の総合評価の点数を成績とします。平常点はレスポンスカードにより採点し、毎回4点ずつで合算し、50点を満点とし、超えた分は切り捨てます。時折実施される小テストはレスポンスカードの一部として採点されます。
 なお、出席していてもまったく聞いていない人には平常点は与えられません。また、仮に定期試験が満点でもレポート未提出者は単位認定の対象としません。

<教科書>
指定教科書なし。毎回プリントを配布します。

<参考書>
・岡田暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』中公新書
・西村理監修『CD付き もう一度学びたいクラシック』西東社
 その他、講義中に指示します。

<オフィスアワー>
授業開始前・終了後、教室または兼任講師室で。なお、単位に関する個別の交渉には応じません。

<学生へのメッセージ>
現在、一見、情報は気楽に集められるようになりましたが、手軽に身に付く知識の「賞味期限」は短いものです。短時間で覚えたことは短時間で忘れます。そもそも勉強は試験や単位のために行うものではなく、自分自身の今後の人生をより豊かにするためのものであり、知識や教養は決してアクセサリーなどではなく、日常の意識を問い直すためのものなのです。日本が、そして世界が揺らいでいる今、未知なる未来を生き抜く準備をしておきましょう。


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