2015年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

数学I(Mathematics I)[4225]

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2単位
金城 謙作 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
本科目では, 1変数の微分法と複素平面について解説する. 微分法では, 微分する操作によって関数の表すグラフの概形を調べたり, 関数の数値計算をすることが出来ることを学ぶ. そのため, 具体的な初等関数に対して導関数を計算できること, 及びグラフの概形を求めることができるようになることが大きな目標となる. また, 複素数は情報学における信号処理などの分野で応用される道具なので, その性質を学ぶ.

<受講にあたっての前提条件>
・高校数学の数学II, IIIで習う微分積分を復習すること.
・三角関数, 指数関数, 対数関数, 数列の基本性質(加法定理, 指数・対数法則, 和の公式など)を扱うので, 復習すること.

<具体的な到達目標>
次の4つの項目を計算できるようになることが本講義の目標である:
(1)数列・級数と初等関数の極限値の計算
(2)初等関数の導関数の計算とテイラー展開の計算
(3)関数のグラフの概形への応用,
(4)複素数と複素平面との対応と絶対値、偏角の計算.

<授業計画及び準備学習>
1. 数列と級数の収束性と極限
数列の極限の定義を述べ, 数列が収束するか発散するか判別できるようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.2〜p.5まで読み, 例題と節末問題を解答すること.

2. 関数の極限と連続性
関数の極限の定義と計算方法を解説する. その応用として, 関数の連続性を判定出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.8〜p.14まで読み, 例題と節末問題を解答すること.

3. 微分係数と導関数
関数の微分係数の定義と計算方法を理解させる. 特に, 積と商の微分及び, 合成関数の導関数が計算出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.18〜p.26まで読み, 例題と節末問題を解答すること. 特にp.27の問題は必ず計算すること.

4. 指数・対数関数の導関数と自然対数
自然対数の底の定義をする. そして指数・対数関数の導関数が計算出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.28〜p.39まで読み, 例題と節末問題を解答すること. 特にp.39の問題は必ず計算すること.

5. 三角関数の導関数
孤度法の解説と三角関数の導関数の解説を行う, そして, 三角関数の導関数の計算が出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.40〜p.49まで読み, 例題と節末問題を解答すること. 特にp.49の問題は必ず計算すること.

6. 逆関数の導関数の公式と逆三角関数の導関数
逆関数の定義と導関数の公式を解説する. その応用として逆三角関数の導関数の計算が出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.51〜p.57まで読み, 例題と節末問題を解答すること. 特にp.54の問題は必ず計算すること.

7. ロールの定理と平均値の定理, ロピタルの定理
ロピタルの定理を証明し, 定理の使い方を解説する. 証明が理解出来なくとも, ロピタルの定理は確実に使えるようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.62〜p.68まで読み, 例題と節末問題を解答すること. 特にp.69の問題は必ず計算すること.

8. 高階導関数とテイラーの定理, テイラー展開(1)
関数の高階導関数を導入する. 応用として, 指数関数と三角関数のテイラー展開を計算出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.70〜p.77まで読み, 例題と節末問題を解答すること. 特にp.79の問題は必ず計算すること.

9. 高階導関数とテイラーの定理, テイラー展開(2)
テイラー展開の計算方法を復習したあと, 無理関数や三角関数の合成関数などのテイラー展開の計算方法を解説する. 指数・対数関数や三角関数の合成関数のテイラー展開が正しく計算出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.70〜p.77まで読み, 例題と節末問題を解答すること. 特にp.79の問題は必ず計算すること.

10. 関数の極大・極小とグラフの概形
関数の極値の定義をする. そして微分法の応用として, 極値の見つけ方を解説する. 微分可能な関数が与えられたとき, そのグラフの概形を描くことが出来るようにする. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:教科書p.80〜p.83まで読み, 例題と節末問題を解答すること.

11. 関数のグラフの凹凸と極座標
関数の凸性と変曲点を定義する. その応用としてグラフの概形が, より精密に描けるようにする. 授業後半に小テストを行う. また, 直交座標と極座標の変換方法を説明する.
準備学習:教科書p.86〜p.89まで読み, 例題と節末問題を解答すること.

12. 複素数と複素平面
複素数を復習したあと, 極座標表示を利用した複素平面との対応を解説する. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:事前に配布するプリントを読むこと.

13. 複素数の絶対値と偏角
複素数の絶対値と偏角の計算方法を解説する. 二つの複素数の積の絶対値と偏角の計算が出来るようにする.
授業後半に小テストを行う.
準備学習:事前に配布するプリントを読むこと.

14. ド・モアブルの定理
複素数の極形式を導入し, ド・モアブルの定理を解説する. 応用として, 三角関数の加法定理と導関数の公式をド・モアブルの定理を用いて再確認する. 授業後半に小テストを行う.
準備学習:事前に配布するプリントを読むこと.

15. 学習成果の確認(試験)
準備学習:教科書の節末問題と配布プリントを復習すること.

<成績評価方法>
各授業の中で行う小テスト(各2点満点)の合計点(20点満点で20点以上は20点とする)と学期末の試験(100点満点)の80%の合計点(100点満点)で評価する.
2014年以前入学者は合計点が60点以上を合格とし, 2015年度入学者はGrade D以上で合格とする.
但し100点満点の学期末試験の点数の方が上述の合計点より高い場合は, 学期末試験の点数で評価する.

<教科書>
「理工系入門 微分積分」 石原繁, 浅野重初 共著, 裳華房
(ISBN978-4-7853-1518-4)

<参考書>
指定参考書なし

<オフィスアワー>
授業時間の前後

<学生へのメッセージ>
講義や自学自習で生じた疑問点は積極的に質問すること. そのために, オフィスアワーや学習支援室を十二分に活用すること. 勉強中にわからない問題があるのは自然な事です.


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