2015年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

化学基礎論(Introduction to Chemistry)[2422]

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2単位
高見 知秀 教授  
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
理工系大学生として必要な化学の基礎知識を身につけることをねらいとする。高校化学程度の基本的な事項からはじめるが、最終的にはより理論的で厳密な内容も取り扱う。講義を通して環境問題に対する化学の役割、人間生活や社会生活における化学の成果などを知り、化学の視点から自らの専門分野を見直すことが目標である。

<受講にあたっての前提条件>
授業をしっかり理解するために、高校化学I程度の内容を身につけておくことが望ましい。高校で化学を履修していない学生、高校で化学が苦手だった学生は、学習支援センターの基礎講座と個別指導を最大限利用することを薦める。本科目で化学の基本的素養を習得することは、工学全分野で有用かつ必要なことである。

<具体的な到達目標>
1)原子の構造を理解し、そこから化学結合の本質を説明できるようになる。
2)化学反応に関する簡単な化学計算ができるようになる。
3)ミクロな分子とマクロな物質を結ぶ動的平衡の概念を理解する。
4)酸と塩基の定義とそれらの反応について理解する。
5)酸化還元反応の本質とその電気化学との関連について理解する。

<授業計画及び準備学習>
この講義では毎回、資料や演習問題集を配布する。

第1週:授業計画の説明、物質の分類、物理量と単位
 [学習内容] 授業計画・評価方法等を説明したのち、授業を開始する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第2週:原子の構造と原子量、物質量(モル)
 [学習内容] 原子の構造を理解した上で、化学の基本概念の原子量、物質量を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第3週:原子モデルと電子軌道
 [学習内容] 原子中の電子の振る舞いを理論的に理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第4週:電子配置と元素の周期性
 [学習内容] 元素の周期性(周期表)をシュレディンガー方程式の解から理論的に導く。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第5週:化学結合と電子、イオン結合と金属結合
 [学習内容] 原子間の結合の本質が電子であることを理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第6週:共有結合と分子
 [学習内容] 原子間の共有結合が分子を形作ることを理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第7週:物質の三態、気体分子の状態方程式、結晶構造
 [学習内容] マクロな物質の状態がミクロな分子の集合状態の反映であることを理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第8週:相平衡、溶液の束一的性質
 [学習内容] 相平衡を題材に動的平衡の概念を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第9週:化学平衡、質量作用の法則
 [学習内容] 化学反応における動的平衡の概念を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第10週:反応速度、反応に伴う熱収支
 [学習内容] 化学反応の進行に伴うエネルギー変化を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第11週:酸と塩基、中和反応、酸・塩基の強弱
 [学習内容] 酸・塩基の定義、それらの強弱と中和反応の関係を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第12週:中和反応、加水分解と緩衝液
 [学習内容] 酸・塩基平衡を基にさまざまな水溶液のpHを計算する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第13週:酸化と還元、酸化数
 [学習内容] 酸化還元が電子の移動であることを理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第14週:酸化還元電位、電池と電気分解
 [学習内容] 酸化還元と電気化学の関係を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第15週:講義のまとめ
 [学習内容] 第14週までの授業をまとめる。
 [学習準備] 第14週までのノートを再読し、演習問題集を解いて知識を定着させること。

<成績評価方法>
定期試験(全範囲)で最終成績を評価し、Grade D以上の者に単位を認める。
授業中提出課題の成績を最大50%まで含めて、総合評価を規格化して最終成績とする。

<教科書>
講義内容は下記の教科書に準じる。授業自体は配布資料と演習問題集を用いる。
「大学生の化学 Introduction」佐藤光史監修 河野博之・永井裕己共著 培風館

<参考書>
「実感する化学(上下)」A Project of the American Chemical Society 廣瀬千秋訳 エヌ・ティー・エス
以上の二編は、アメリカの教養課程向け化学教科書の和訳である。国際的には、これらの本にある化学知識が「社会人」の常識であると考えてよい。大量の易しい演習問題に答えながら基礎を固めていくスタイルなので、自力で問題に取り組む覚悟のある学生に薦める。
その他の参考書は講義の際に紹介する。

<オフィスアワー>
毎週火曜日(13:00〜14:50 新宿;27F2718室)。事前にメールで連絡をとることを推奨する。
メールで連絡・質問する場合はft13537@ns.kogakuin.ac.jpまで。

<学生へのメッセージ>
大学で学ぶ化学は暗記ものではありません。基本的な事柄をしっかり理解し、あらゆる場面で応用が利くようにすることが大事です。進度が速いので最初は戸惑うかもしれませんが、授業でわからないところは、質問したり参考書を読んだりすることですぐに解決してください。

毎年多くの2−4年生がこの講義を受講しています。「高校で化学を習っていないから授業がワカラナイ」、「ワカラナイからまた来年でいいや」という態度では、4年間で卒業することが危ぶまれます。1年生から4年生まで、全員が今回必ず合格するつもりで勉強してください。化学がわからなくなったら、学習支援センターの基礎講座と個別指導をすぐに利用してください。


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