2015年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

線形代数学(Linear Algebra)[2341]

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2単位
管村  昇 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
線形代数は情報学系科目全般を学ぶために必要な基礎知識となる。画像情報や音声情報もコンピュータでは行列として処理され、画像処理等を行う際には正則、逆行列、固有値等、線形代数の素養が必須となる。線形代数の知識はコンピュータビジョン(CV)、コンピュータグラフィックス(CG)、コンピュータプログラミング、情報理論、通信理論、電子回路網解析等広い分野でも必要である。本講では専門科目を理解するために必要となる線形代数の基礎を学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
線形代数に関する基礎知識を身につけることで行列の基本演算、逆行列、行列式の計算、
連立一次方程式の解法、行列の固有値、固有ベクトルの計算等ができるようになること
を目標とする。

<授業計画及び準備学習>
1-3: ベクトルの復習
線形代数学は、ベクトルの集合である線形空間に関する性質を調べる。線形代数の主要な対象であるベクトルについて、その幾何学的な性質を重視しながら基礎事項を大学入学前までに学ぶべき内容も大学の観点から解説していき、教科書に沿って演習を実施する。

1.ベクトル
2.ベクトルと内積
3.平面および空間のベクトル

4-5: 行列の導入
数学では、複数の数字が長方形の形に並んだ数表を行列という。例えば、行列の積を利用すれば、連立一次方程式を行列の一次方程式の形に表すことができ、大変見通し良く解けるようになる。本講義で行列の演算について解説していき、教科書に沿って演習を実施することで、行列の基礎について学ぶ。

4.行列の和・差・実数倍
5.行列の積

6-8: 行列式を用いた連立一次方程式の解法
行列に掃き出し法とよばれる操作を施すことにより、連立一次方程式の解を求める方法について解説していき、教科書に沿って演習を実施する。掃き出し法は、連立一次方程式を解くための道具に留まることなく、行列がもつ、さらに興味深い諸性質を明らかにしてくれる。

6.基本変形
7.簡約な行列、階数
8.正則行列

9-11: 行列式の考察
連立一次方程式の解を求めると、どの未知数も同じ規則にしたがって求められることがわかる。まずこの規則性に基づいて行列式を定義する。行列式は解の公式のほか、図形の面積や体積を求める際にも役立つ。本講義で行列式の考察をしていき、教科書に沿って演習を実施する。

9.行列式の定義、クラメルの公式
10.行列式の性質
11.余因子展開

12-13: 固有値問題解法
画像処理等の多くの分野でデータを効率的に表現するために使われている
主成分分析の基礎ともなる固有値・固有ベクトルについて、解説していく。また、その基礎を身につけるために必要な演習を実施する。

12.固有値・固有ベクトル 1 
13.固有値・固有ベクトル 2

14.総復習
15.期末試験

<成績評価方法>
期末試験(100点)で成績を評価し、60点以上を合格とする。合格はGPAのGrade D以上とする。再試験、追試験は原則行わない。

<教科書>
よくわかる 線形代数 藤田岳彦 他著 実教出版社 ISBN978-4-407-32512-6

<参考書>
テキスト 線形代数 小寺平治 共立出版社 ISBN978-4-320-01710-8

<オフィスアワー>
随時。事前に電話かメールで連絡すること。

<学生へのメッセージ>
線形代数はこれから学ぶ多くの講義の基礎となります。応用に耐え得るように基礎理解を深めて下さい。

<備 考>
受講者の理解度により内容を変更する。


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