2015年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

哲学の現在(Problems of Philosophy)[1128]

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2単位
真達 大輔 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
「心」という古くて新しい問題について考える。
脳という現代的なテーマを中心に、時に近代哲学に遡りつつ、「唯物論的世界観の中で心はどのように捉えられうるか」、言い換えれば「科学との関係において心はどのように考えられうるか」という問いに切り込んでいく。
それを通じて「私とは何か」という問題についての考えを深め、「私」という存在のわかりにくさに対して、安易な答えに満足することなく、粘り強く格闘する知的忍耐力を身に付ける。
なお、毎回授業の終わりに意見等を書いてもらうので、それを通して主体的に考え、書く力も養う。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
心、脳、「私」といったテーマ(授業計画で示されたテーマ)について、様々な見方や概念を整理し、理解すること。

<授業計画及び準備学習>
第1回  イントロダクション〜心、脳、「私」
第2回  デカルトの心身二元論1〜物質を超越した存在としての心
第3回  デカルトの心身二元論2〜その問題点
第4回  観念論〜物質の実在を疑ってみる
第5回  唯物論〜物質以外には何もない
第6回  機能主義〜脳の機能としての心
第7回  決定論〜未来が決定された世界は単純でつまらないという誤解
第8回  消去主義〜心は科学によって追放される迷信にすぎないか
第9回  クオリア問題〜科学で心を解明することは不可能か
第10回  意識の不確かさ〜意識されていないが意識されているということ
第11回  進化論から見た心〜心は何のために存在するか
第12回  スピノザ〜決定論の強さ
第13回  自由と決定論〜自由であるとはどういうことか
第14回  カント〜「私」の可能性
第15回  まとめ

<成績評価方法>
学期末に記述式の試験を行い、GradeD以上の者に単位を認める。
その際、授業内容についての基本的知識が身についているかということと、論理的な文章を正しく書けているかということを基準に評価する。

<教科書>
特に指定しない。
授業の中で資料を配布する。資料を試験課題にすることもあるので、紛失しないよう保管しておくこと。

<参考書>
特に指定しない。
必要に応じて、授業の中で紹介する。

<オフィスアワー>
授業終了後に教室または講師室にて、気軽に声をかけて下さい。
また、水曜19時半後にも講師室にいます。
なお、授業中の質問も多いに歓迎します。一人一人の疑問・感想を教室全体に投げかけることは、お互いの理解を深めることにもなります。

<学生へのメッセージ>
哲学は必ずしもわかりやすい学問ではないかもしれませんが、根源的なテーマについて一つ一つじっくり考えていく知的快楽があります。皆さんと「哲学」する楽しさを共有したいと思いますので、哲学に関して予備知識のある人も、ない人も積極的な参加を期待します。


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