2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
ディペンダビリティ概論(Introduction to Dependability)[5C13]
2単位 小野 諭 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 本講義では、人々が信頼し安心して使える「ディペンダブルシステム」について、基礎概念とそれを支えるアプローチについて学ぶ。
- <受講にあたっての前提条件>
- 前提となる科目はない。ただし、「情報ネットワーク論」を履修していることが望ましい。
(ただし、履修の必須要件ではない。)
- <具体的な到達目標>
- 以下の各項目について、専門的な知識を具体例とともに理解し習得するとともに、比較的単純な事例について、自ら適用できるようにする。
*ディペンダビリティの基本概念・ 評価尺度・リスクとリスクへの対応手段 *ディペンダブルな情報システムのための技術とプロセス *安全クリティカルシステムのための技術とプロセス
- <授業計画及び準備学習>
- 1. ディペンダビリティとは (第1回)
情報システムの分類 (組織)情報システム, 安全クリティカルシステム 事例検討: データ保護、航空機 ETOPS ディペンダビリティ達成へのアプローチ
2. ディペンダビリティの基礎概念 (第2〜4回) 評価尺度: 可用性、信頼性、拡張性、安全性 ディペンダビリティへのリスク リスクへの対応手段 冗長性と多様性を用いた対応手段 その他のディペンダビリティ向上手段
3. 情報システムのディペンダビリティ向上技術 (第5〜8回) 情報システムの構成要素と主なリスク 構成要素別の向上技術 ネットワークの可用性向上 サーバの可用性向上と負荷分散 データのエラー・災害からの保護
4. 情報システムの開発・運用プロセス (第9〜10回) 事例研究: システムがダウンする理由 開発・運用プロセスの重要性 開発・運用プロセスの具体例 障害対応と責任
5. 安全クリティカルシステム (第11〜14回) 安全クリティカルシステムとは 事例研究: 航空機航法システム 安全性分析と評価 安全性確保のための開発プロセス
6. 全体の振り返り (第15回)
- <成績評価方法>
- 定期試験期間に試験を実施する。配布プリント、自筆ノート持ち込み可。
講義内容を理解し、簡単な課題に応用できるレベル。 単位取得には、授業の 2/3 以上の出席が必要。(初回および補講は出席とみなす。)
- <教科書>
- 資料を kuport にて電子配布する。
必要に応じて、印刷プリントを配布する。
- <参考書>
- 講義の中で、適宜、参考となる資料を紹介する。
- <オフィスアワー>
- 前期の期間、毎週木曜2限
A1577 または、 B0530
- <学生へのメッセージ>
- かつては、情報システムは「セキュリティ」を重視し、制御システムは、「ディペンダビリティ」を重視する、という技術的な住み分けがなされていた。しかし、モバ
イル、クラウド、 IoT (Internet of Things) などの技術の急激な発展にともない、これらの知識の重要性や関連性は大きく高まっている。 したがって、この分野に興味がある学生は、情報システムのセキュリティの管理・技術を扱う「セキュアシステム」、情報システムの基盤となる「Linux」、情報システ
ムのセキュリティ技術を実習する「セキュアシステム PBL」などの科目を組合わせて履修することを強く推奨する。
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