2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

ディペンダビリティ概論(Introduction to Dependability)[5C13]

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2単位
小野  諭 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
本講義では、人々が信頼し安心して使える「ディペンダブルシステム」について、基礎概念とそれを支えるアプローチについて学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
前提となる科目はない。ただし、「情報ネットワーク論」を履修していることが望ましい。
(ただし、履修の必須要件ではない。)

<具体的な到達目標>
以下の各項目について、専門的な知識を具体例とともに理解し習得するとともに、比較的単純な事例について、自ら適用できるようにする。

*ディペンダビリティの基本概念・
 評価尺度・リスクとリスクへの対応手段
*ディペンダブルな情報システムのための技術とプロセス
*安全クリティカルシステムのための技術とプロセス

<授業計画及び準備学習>
1. ディペンダビリティとは (第1回)
 情報システムの分類
  (組織)情報システム, 安全クリティカルシステム
 事例検討: データ保護、航空機 ETOPS
 ディペンダビリティ達成へのアプローチ

2. ディペンダビリティの基礎概念 (第2〜4回)
 評価尺度:
  可用性、信頼性、拡張性、安全性
 ディペンダビリティへのリスク
 リスクへの対応手段
  冗長性と多様性を用いた対応手段
  その他のディペンダビリティ向上手段

3. 情報システムのディペンダビリティ向上技術 (第5〜8回)
 情報システムの構成要素と主なリスク
 構成要素別の向上技術
  ネットワークの可用性向上
  サーバの可用性向上と負荷分散
  データのエラー・災害からの保護

4. 情報システムの開発・運用プロセス (第9〜10回)
 事例研究: システムがダウンする理由
 開発・運用プロセスの重要性
 開発・運用プロセスの具体例
 障害対応と責任

5. 安全クリティカルシステム (第11〜14回)
 安全クリティカルシステムとは
 事例研究: 航空機航法システム
 安全性分析と評価
 安全性確保のための開発プロセス

6. 全体の振り返り (第15回)

<成績評価方法>
定期試験期間に試験を実施する。配布プリント、自筆ノート持ち込み可。
講義内容を理解し、簡単な課題に応用できるレベル。
単位取得には、授業の 2/3 以上の出席が必要。(初回および補講は出席とみなす。)

<教科書>
資料を kuport にて電子配布する。
必要に応じて、印刷プリントを配布する。

<参考書>
講義の中で、適宜、参考となる資料を紹介する。

<オフィスアワー>
前期の期間、毎週木曜2限
A1577 または、 B0530

<学生へのメッセージ>
かつては、情報システムは「セキュリティ」を重視し、制御システムは、「ディペンダビリティ」を重視する、という技術的な住み分けがなされていた。しかし、モバ

イル、クラウド、 IoT (Internet of Things) などの技術の急激な発展にともない、これらの知識の重要性や関連性は大きく高まっている。
したがって、この分野に興味がある学生は、情報システムのセキュリティの管理・技術を扱う「セキュアシステム」、情報システムの基盤となる「Linux」、情報システ

ムのセキュリティ技術を実習する「セキュアシステム PBL」などの科目を組合わせて履修することを強く推奨する。


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