2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
暗号理論(Cryptography)[3A18]
2単位 真鍋 義文 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 情報セキュリティの理論的な基礎となる暗号技術を習得し、暗号技術が現実の社会でどのように使われているかを知る。
- <受講にあたっての前提条件>
- 剰余系演算・ブール代数・計算量に関する基礎的知識を必要とする。
- <具体的な到達目標>
- 共通鍵暗号・公開鍵暗号の原理と具体的な方式を理解する。
コンピュータやインターネット使用時に暗号を正しく利用できる。 情報システム構築時に暗号を適切に利用できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1 暗号とは
暗号の歴史、および身近に使われている暗号の例について解説する。 事前学習:参考書の第1章を読んでおく。 2 共通鍵暗号その1:共通鍵暗号とは 共通鍵暗号の概要および分類について解説する。 事前学習:参考書第2章5,6を読んでおく。 3 共通鍵暗号その2:ブロック暗号 ブロック暗号の方式および利用法について解説する。 事前学習:参考書第2章7ー10を読んでおく。 4 公開鍵暗号その1:公開鍵暗号とは 公開鍵暗号のしくみについて解説する。 事前学習:参考書第3章20を読んでおく。 5 公開鍵暗号その2:RSA暗号 RSA暗号の概要について解説する。 事前学習:剰余系に関する計算について復習しておく。 6 公開鍵暗号その3:公開鍵暗号の安全性定義、ハッシュ関数 公開鍵暗号の安全性定義、ハッシュ関数について解説する。 事前学習:参考書第3章21-23,25,26を読んでおく。 7 ディジタル署名 ディジタル署名のしくみおよび具体的方式について解説する。 事前学習:参考書第3章29-35を読んでおく。 8 認証その1:パスワード認証 パスワード認証のしくみと攻撃法について解説する。 事前学習:パスワードのしくみについて調べておく。 9 認証その2:チャレンジ・レスポンス、生体認証 チャレンジ・レスポンスおよび生体認証による認証方式について解説する。 事前学習:身近な生体認証について調べておく。 10 メッセージ認証 メッセージ認証のしくみについて解説する。 事前学習:参考書第2章15-19を読んでおく。 11 鍵生成、鍵管理、鍵共有 鍵生成アルゴリズム、鍵管理・鍵共有のしくみについて解説する。 事前学習:計算機における疑似乱数について調べておく。 12 PKI PKIが必要になる理由と具体的な運用方法について解説する。 事前学習:ブラウザの「証明書」の内容を調べておく。 13 インターネット上の暗号 インターネット上で使われている暗号プロトコルについて解説する。 事前学習:Linux上での暗号関連コマンドについて調べておく。 14 暗号の危殆(きたい)化 暗号方式の取り替えの必要性について解説する。 事前学習:参考書の上記以外の部分を読んでおく。 15 学習成果の確認(試験) 事前学習:前回までの総復習を行う。
- <成績評価方法>
- 定期試験と毎回課すレポートによる100点評価で行う。60点以上を合格とする。
配点の内訳は以下の通りとする。
・定期試験(A):100点満点で定期試験期間に行う。再試験・追試験は行わない。 ・レポート(B):毎回20点満点で行い、合算する(280点満点)。
評価点=A*9/10+B/28
- <教科書>
- 指定教科書なし。
- <参考書>
- 今井秀樹監修 トコトンやさしい暗号の本 日刊工業新聞社
- <オフィスアワー>
- A-1572研究室で行う。
メールで事前に連絡してアポイントメントを取ること。 メールアドレス:jt13455@ns.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 情報システムの設計・運用にあたってはユーザ情報のセキュリティ保護が必須となっています。暗号理論はこの課題を解決するための基本技術です。この講義では、暗号の入門的基礎を一通り解説します。
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