2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

数学演習II(Exercises in Mathematics II)[3325]

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1単位
鈴木 敏行 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
前期科目である数学I・数学演習Iに続いて,1変数の積分法および2変数(以上)の微分法について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的であり必要不可欠なものの一つである.
ただし,数学という科目である以上,実際に計算練習をしないと,内容理解もできないし,実際に必要となる場面で使えないことが起こり,困ってしまう.
そこで,この講座で講義「数学II」で扱った内容に関する問題を実際に自分の手で計算することで,微分積分の内容を身につけていく.

<受講にあたっての前提条件>
講義の「数学II」を同時に受講すること.
当然だが,前期の科目である「数学I」の修得は必須であると考えてよい.微分計算を忘れたままでは積分計算はできないと思って構わない.
また,高校数学I・IIを復習しておくこと.特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習するように.

<具体的な到達目標>
具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 積分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる.
(2) 積分法を図形の求積に応用できる.
(3) 2変数の微分法を理解し,具体的計算と極値問題への応用ができる.

<授業計画及び準備学習>
基本的には講義と合わせた形で進行する.
授業の進め方は以下のように予定している.

・最初の30分で基礎的な問題を解く(周囲と相談しても可).
・次にその問題の解説を行う.
・最後の30分で所定の課題を仕上げて提出する(提出できない場合は次回提出)

事前学習については,講義と同じである.自分で手を動かして計算を進めるのが重視される.
【】内はその回の受講するにあたっての準備学習の事項である.
また,授業で扱った問題は何度でも解き直し,絶対にできるようにしておくこと.
第01回 積分法1:積分の導入―面積
 積分計算が微分の逆操作でできることを理解する.
 必要となる微分計算の復習をする.
 【基本的な図形の面積の公式・簡単な関数の微分公式】
第02回 積分法2:不定積分・原始関数と性質
 多項式関数などの単純な関数の積分をできるようにする.
 【微分計算をおさらいしておくこと】
第03回 積分法3:置換積分法1
 複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する.
 合成関数の微分法を活用して積分計算をする.
 単純なものや,置換方法が与えられた場合に計算できるようにする.
 【合成関数の微分法を思い出すこと.微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく】
第04回 積分法4:置換積分法2
 複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する.
 置換方法を自分で見つけられるようにする.
 sqrt(1-x^2) や sin^2(x)cos(x) のような関数の積分をできるようにする.
 【微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく】
第05回 積分法5:部分積分法
 少し複雑な関数の積分を実行する方法の1つを理解する.
 log(x) や xe^x のような関数の積分をできるようにする.
 【積の微分法を思い出しておく.微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく.微分と積分がごちゃごちゃになりやすいところなので注意せよ】
第06回 積分法6:部分分数分解
 分数関数の積分をするための方法を理解する.
 特に,(1次式)/(2次式)の場合は正確に計算できるようにする.
 【分数式の計算・因数分解・積分したら log や arctan になるので,この2つの関数の微分ができるようにすること】
第07回 積分法の応用1:定積分の計算
 定積分の計算をする.
 【積分計算の復習なので,これまで扱った積分計算の方法をマスターしておくこと.】
第08回 積分法の応用2:区分求積法と定積分
 総和の極限を積分表示して計算する.
 【定積分を計算できるように】
第09回 積分法の応用3:孤長・面積
 積分を利用して,曲線の長さ,面積を計算する.
 【どの関数を積分するのか,が重要になってくる.微分や積分の計算をおさらいしておくこと】
第10回 積分法の応用4:体積
 積分を利用して,体積を計算する.
 【複素数平面で扱った極形式に類似した考えが必要になるので,偏角の出し方を思い出しておくこと.】
第11回 積分法の応用5:広義積分
 端点で発散している関数や,(0,∞)で積分をする.
 ガンマ関数やベータ関数にも慣れ親しむ.
 【積分計算をできるように.exp(-x)やarctan(x)のx→∞のときに(右端の方)どうなるかをグラフ表示させたりして見ておくと理解が進む】
第12回 偏微分法1:2変数関数と連続性・偏微分
 2変数関数の極限や偏導関数の計算をする.
 【微分計算をよく復習しておくこと.】
第13回 偏微分法2:全微分と偏微分
 接平面を求める.また,2次偏導関数を計算する.
 【微分計算・接線の方程式の求め方を復習しておくこと】
第14回 偏微分法3:2変数関数の極値を求める
 2変数関数に対して,極大・極小を考える.
 【1変数関数(前期)の極大極小の調べ方をおさらいしておくこと】
第15回 学習成果の確認(試験)
 試験を実施するが,授業中に配布された問題からの出題を予定している.

<成績評価方法>
・定期試験の点数(5割ほど)
・授業中に実施する課題の解答状況(5割ほど)
これで100点満点の素点を計算する。
2015(平成27)年度入学者については、素点に基づきGradeを算出し,Grade D以上を合格とする。
2014(平成26)年度以前入学者については、素点に基づき60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし.プリントを配布する(授業前に問題のプリントをKUPORTに掲載するので,できる人は先に解いてほしい).
KUPORT(キューポート)を活用するので,使えるようにしておくこと.

<参考書>
授業内で適宜紹介する.
高校のときに使った教科書や参考書は有効活用できるはずである.
また,「数学II」の演習ということで,講義の資料は十二分に活用してほしい.

<オフィスアワー>
授業の前後で受け付ける(12階講師室).


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