2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

数学演習I(Exercises in Mathematics I)[3322]

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1単位
鈴木 敏行 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
1変数の微分法および複素数について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的であり必要不可欠なものの一つである.
ただし,数学という科目である以上,実際に計算練習をしないと,内容理解もできないし,実際に必要となる場面で使えないことが起こり,困ってしまう.
そこで,この講座で講義「数学I」で扱った内容に関する問題を実際に自分の手で計算することで,微分積分の内容を身につけていく.

<受講にあたっての前提条件>
講義の「数学I」を同時に受講すること.
高校数学I・IIを復習しておくこと.特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習するように.

<具体的な到達目標>
具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 初等関数を理解し,具体的計算ができる.
(2) 微分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる.
(3) 微分法を各種問題に応用できる.
(4) 複素数を理解し,具体的計算と応用ができる.

<授業計画及び準備学習>
基本的には講義と合わせた形で進行する.
授業の進め方は以下のように予定している.

・最初の30分で基礎的な問題を解く(周囲と相談しても可).
・次にその問題の解説を行う.
・最後の30分で所定の課題を仕上げて提出する(提出できない場合は次回提出)

事前学習については,講義と同じである.自分で手を動かして計算を進めるのが重視される.
【】内はその回の受講するにあたっての準備学習の事項である.
また,授業で扱った問題は何度でも解き直し,絶対にできるようにしておくこと.
第01回 準備1:関数の基本的性質
 初回なので,授業の進め方を説明する.
 その後,三角関数・指数関数・対数関数の基本事項の復習を行う.
 【三角関数(加法定理)・指数関数(指数法則)・対数関数(指数と対数の関係)】
第02回 準備2:方程式(三角関数・指数関数・対数関数)
 三角関数・指数関数・対数関数の含んだ方程式を解けるようにする.
 【三角関数・指数関数・対数関数の基本事項】
第03回 準備3:方程式と不等式
 分数関数や無理関数を含んだ方程式を解けるようにする.
 簡単な不等式も解けるようにする.
 【2次方程式の解の公式・三角関数・指数関数・対数関数の基本的性質】
第04回 準備4:合成関数と逆関数の作り方
 合成関数や逆関数が作れるようにする.
 【指数関数と対数関数のグラフ】

以上までの4回は高校の復習も兼ねているから,完全に理解すること.
第05回 微分法1:関数の極限・微分の定義と性質
 関数の極限を計算できるようにする.
 多項式関数や分数関数の微分ができるようにする.
 【多項式や分数式の計算,多項式関数の微分公式と商の微分法】
第06回 微分法2:合成関数と逆関数の微分
 平方根を含んだ関数の微分ができるようにする.
 媒介変数表示された関数の微分ができるようにする.
 【前回扱った多項式関数や分数関数の微分をできるようにしておく.定義も忘れない.】
第07回 微分法3:三角関数・指数関数・対数関数の微分
 三角関数・指数関数・対数関数が微分できるようにする.
 関連する極限を理解する.
 【三角関数・指数関数・対数関数の基本事項をすぐに使えるように.】
 関連する極限は講義で扱うから,講義が終わった後に復習をしてほしい.
第08回 微分法4:逆三角関数の定義と導関数
 逆三角関数の値が求められるようにする.
 逆三角関数の微分ができるようにする.
 【三角関数の基本事項.単純な形の三角関数の入った方程式(sinθ=aなど)を解けるように.】
第09回 微分法の応用1:中間値の定理・L'Hospital(ロピタル)の定理
 方程式の解の存在を示せるようにする.
 複雑な関数の極限の計算ができるようにする.
 【微分計算をできるように.】
第10回 微分法の応用2:関数の増減
 極大・極小を調べ,増減表を書けるようにする.
 【微分計算は必須.方程式が解けるように.】
第11回 微分法の応用3:関数のグラフ・接線
 関数のグラフの凹凸や,接線の方程式を求められるようにする.
 【微分計算や方程式が解けないといけない.前回の続きなので,やったことを忘れずにしておく】
第12回 微分法の応用4:Maclaurin(マクローリン)展開・Taylor(テーラー)展開
 高次導関数を定義し,関数を多項式展開する方法を紹介する.
 【簡単な関数の微分を思い出しておく.】
第13回 複素数1:複素数の定義と性質
 複素数の計算をできるようにする.
 【分数式の計算】
第14回 複素数2:複素数の応用(複素数平面・極形式)
 複素数と平面上の点と対応付けができるようにする.
 De Moivre(ド・モアブル)の定理が使えるようにする.
 複素数のn乗根を求めることができるようにする.
 【三角関数の定義など思い出しておく】
第15回 学習成果の確認(試験)
 試験を実施するが,授業中に配布された問題からの出題を予定している.

<成績評価方法>
・定期試験の点数(5割ほど)
・授業中に実施する課題の解答状況(5割ほど)
これで100点満点の素点を計算する。
2015(平成27)年度入学者については、素点に基づきGradeを算出し,Grade D以上を合格とする。
2014(平成26)年度以前入学者については、素点に基づき60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし.プリントを配布する(授業前に問題のプリントをKUPORTに掲載するので,できる人は先に解いてほしい).
KUPORT(キューポート)を活用するので,使えるようにしておくこと.

<参考書>
授業内で適宜紹介する.
高校のときに使った教科書や参考書は有効活用できるはずである.
また,「数学I」の演習ということで,講義の資料は十二分に活用してほしい.

<オフィスアワー>
授業の前後で受け付ける(12階講師室).


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