2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

数学II(Mathematics II)[3219]

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2単位
鈴木 敏行 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
数学Iに続いて,1変数の積分法および2変数(以上)の微分法について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的なものの一つであり,確実に身に付けてほしい.
高校数学でも,その初歩を学習してきたが,より深く理解してほしい.

<受講にあたっての前提条件>
前期の科目である「数学I」の修得は必須であると考えてよい.
高校数学I・IIおよび前期の講義「数学I」を復習しておくこと.微分の計算は積分では必要不可欠なので,よく復習すること.

<具体的な到達目標>
具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 積分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる.
(2) 積分法を図形の求積に応用できる.
(3) 2変数の微分法を理解し,具体的計算と極値問題への応用ができる.

<授業計画及び準備学習>
繰り返しになるが,講義開始前に高校の数学I・数学IIを,特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習しておくこと.また,前期の講義「数学I」に続きであるから,夏休みで完全に忘れることの無いように復習をしてください.【】内はその回の受講するにあたっての準備学習の事項である.
第01回 積分法1:積分の導入―面積
 積分が面積計算に由来することを紹介し,積分計算が微分の逆操作でできることを理解する.
 【基本的な図形の面積の公式・簡単な関数の微分公式】
第02回 積分法2:不定積分・原始関数と性質
 積分計算のルールを理解し,多項式関数などの積分をできるようにする.
 【微分計算をおさらいしておくこと】
第03回 積分法3:置換積分法1
 複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する.
 合成関数の微分法を活用して積分計算をする.
 単純なものや,置換方法が与えられた場合に計算できるようにする.
 【合成関数の微分法を思い出すこと.微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく】
第04回 積分法4:置換積分法2
 複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する.
 置換方法を自分で見つけられるようにする.
 sqrt(1-x^2) や sin^2(x)cos(x) のような関数の積分をできるようにする.
 【微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく】
第05回 積分法5:部分積分法
 少し複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する.
 積の微分法を活用して積分計算をする.
 log(x) や xe^x のような関数の積分をできるようにする.
 【席の微分法を思い出しておく.微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく.微分と積分がごちゃごちゃになりやすいところなので注意せよ】
第06回 積分法6:部分分数分解
 分数関数の積分をするための方法を紹介する.
 【分数式の計算・因数分解・積分したら log や arctan になるので,この2つの関数の微分ができるようにすること】
第07回 積分法の応用1:定積分の計算
 定積分における性質を理解し,計算をする.
 【積分計算の復習なので,これまで扱った積分計算の方法をマスターしておくこと.】
第08回 積分法の応用2:区分求積法と定積分
 積分の定義を見直し,総和の極限による表現をする.
 【定積分を計算できるように】
第09回 積分法の応用3:孤長・面積
 積分を利用して,曲線の長さ,面積を計算する.
 【どの関数を積分するのか,が重要になってくる.微分や積分の計算をおさらいしておくこと】
第10回 積分法の応用4:体積
 積分を利用して,体積を計算する.
 【複素数平面で扱った極形式に類似した考えが必要になるので,偏角の出し方を思い出しておくこと.】
第11回 積分法の応用5:広義積分
 端点で発散している関数や,(0,∞)で積分をする.
 応用として,ガンマ関数やベータ関数の紹介をする.
 【積分計算をできるように.exp(-x)やarctan(x)のx→∞のときに(右端の方)どうなるかをグラフ表示させたりして見ておくと理解が進む】
第12回 偏微分法1:2変数関数と連続性・偏微分
 2変数関数を紹介し,極限や連続性を定義する.
 偏導関数の定義をする.
 【微分計算をよく復習しておくこと.】
第13回 偏微分法2:全微分と偏微分
 全微分の定義をし,接平面を求める.
 2次偏導関数を定義し,計算する.
 【微分計算・接線の方程式の求め方を復習しておくこと】
第14回 偏微分法3:2変数関数の極値を求める
 2変数関数に対して,極大・極小を考える.
 【1変数関数(前期)の極大極小の調べ方をおさらいしておくこと】
第15回 学習成果の確認(試験)
講義の予定は以上のとおりであるが,理解度に応じて内容が前後する場合がある.

講義の内容を理解してもらうために,ほぼ毎回レポートを課す(計13回予定).採点して返却し,成績にも反映するので,取り組むようにしてください.
また,レポートを含め,日頃の学習への取り組みは大事である.これまでの復習が次につながってくるので,事前学習以上に復習は重要である(事前学習が疎かになっていても,復習を十分にやればカバーできる).

講義の理解のために,あわせて「数学演習II」を履修することを推奨する.

<成績評価方法>
・定期試験の点数(7割ほど)
・レポート課題の解答状況(3割ほど)
これで100点満点の素点を計算する。
2015(平成27)年度入学者については、素点に基づきGradeを算出し,Grade D以上を合格とする。
2014(平成26)年度以前入学者については、素点に基づき60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし.プリントを配布する(授業前にプリントをKUPROTに掲載するので,目を通してほしい).
KUPORT(キューポート)を活用するので,使えるようにしておくこと.

<参考書>
授業内で適宜紹介する.
数学Iでの教材はもちろん,高校のときの数学の教科書や参考書は役立つはずである.

<オフィスアワー>
授業の前後で受け付ける(12階講師室).


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