2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
○数学II(Mathematics II)[3219]
2単位 鈴木 敏行 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 数学Iに続いて,1変数の積分法および2変数(以上)の微分法について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的なものの一つであり,確実に身に付けてほしい.
高校数学でも,その初歩を学習してきたが,より深く理解してほしい.
- <受講にあたっての前提条件>
- 前期の科目である「数学I」の修得は必須であると考えてよい.
高校数学I・IIおよび前期の講義「数学I」を復習しておくこと.微分の計算は積分では必要不可欠なので,よく復習すること.
- <具体的な到達目標>
- 具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 積分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる. (2) 積分法を図形の求積に応用できる. (3) 2変数の微分法を理解し,具体的計算と極値問題への応用ができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 繰り返しになるが,講義開始前に高校の数学I・数学IIを,特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習しておくこと.また,前期の講義「数学I」に続きであるから,夏休みで完全に忘れることの無いように復習をしてください.【】内はその回の受講するにあたっての準備学習の事項である.
第01回 積分法1:積分の導入―面積 積分が面積計算に由来することを紹介し,積分計算が微分の逆操作でできることを理解する. 【基本的な図形の面積の公式・簡単な関数の微分公式】 第02回 積分法2:不定積分・原始関数と性質 積分計算のルールを理解し,多項式関数などの積分をできるようにする. 【微分計算をおさらいしておくこと】 第03回 積分法3:置換積分法1 複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する. 合成関数の微分法を活用して積分計算をする. 単純なものや,置換方法が与えられた場合に計算できるようにする. 【合成関数の微分法を思い出すこと.微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく】 第04回 積分法4:置換積分法2 複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する. 置換方法を自分で見つけられるようにする. sqrt(1-x^2) や sin^2(x)cos(x) のような関数の積分をできるようにする. 【微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく】 第05回 積分法5:部分積分法 少し複雑な関数の積分を実行する方法の1つを紹介する. 積の微分法を活用して積分計算をする. log(x) や xe^x のような関数の積分をできるようにする. 【席の微分法を思い出しておく.微分公式・積分公式が入り混じるので,区別して使えるようにしておく.微分と積分がごちゃごちゃになりやすいところなので注意せよ】 第06回 積分法6:部分分数分解 分数関数の積分をするための方法を紹介する. 【分数式の計算・因数分解・積分したら log や arctan になるので,この2つの関数の微分ができるようにすること】 第07回 積分法の応用1:定積分の計算 定積分における性質を理解し,計算をする. 【積分計算の復習なので,これまで扱った積分計算の方法をマスターしておくこと.】 第08回 積分法の応用2:区分求積法と定積分 積分の定義を見直し,総和の極限による表現をする. 【定積分を計算できるように】 第09回 積分法の応用3:孤長・面積 積分を利用して,曲線の長さ,面積を計算する. 【どの関数を積分するのか,が重要になってくる.微分や積分の計算をおさらいしておくこと】 第10回 積分法の応用4:体積 積分を利用して,体積を計算する. 【複素数平面で扱った極形式に類似した考えが必要になるので,偏角の出し方を思い出しておくこと.】 第11回 積分法の応用5:広義積分 端点で発散している関数や,(0,∞)で積分をする. 応用として,ガンマ関数やベータ関数の紹介をする. 【積分計算をできるように.exp(-x)やarctan(x)のx→∞のときに(右端の方)どうなるかをグラフ表示させたりして見ておくと理解が進む】 第12回 偏微分法1:2変数関数と連続性・偏微分 2変数関数を紹介し,極限や連続性を定義する. 偏導関数の定義をする. 【微分計算をよく復習しておくこと.】 第13回 偏微分法2:全微分と偏微分 全微分の定義をし,接平面を求める. 2次偏導関数を定義し,計算する. 【微分計算・接線の方程式の求め方を復習しておくこと】 第14回 偏微分法3:2変数関数の極値を求める 2変数関数に対して,極大・極小を考える. 【1変数関数(前期)の極大極小の調べ方をおさらいしておくこと】 第15回 学習成果の確認(試験) 講義の予定は以上のとおりであるが,理解度に応じて内容が前後する場合がある.
講義の内容を理解してもらうために,ほぼ毎回レポートを課す(計13回予定).採点して返却し,成績にも反映するので,取り組むようにしてください. また,レポートを含め,日頃の学習への取り組みは大事である.これまでの復習が次につながってくるので,事前学習以上に復習は重要である(事前学習が疎かになっていても,復習を十分にやればカバーできる).
講義の理解のために,あわせて「数学演習II」を履修することを推奨する.
- <成績評価方法>
- ・定期試験の点数(7割ほど)
・レポート課題の解答状況(3割ほど) これで100点満点の素点を計算する。 2015(平成27)年度入学者については、素点に基づきGradeを算出し,Grade D以上を合格とする。 2014(平成26)年度以前入学者については、素点に基づき60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 指定教科書なし.プリントを配布する(授業前にプリントをKUPROTに掲載するので,目を通してほしい).
KUPORT(キューポート)を活用するので,使えるようにしておくこと.
- <参考書>
- 授業内で適宜紹介する.
数学Iでの教材はもちろん,高校のときの数学の教科書や参考書は役立つはずである.
- <オフィスアワー>
- 授業の前後で受け付ける(12階講師室).
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