2015年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
○数学I(Mathematics I)[3216]
2単位 鈴木 敏行 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 1変数の微分法および複素数について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的なものの一つであり,確実に身に付けてほしい.
高校数学でも,その初歩を学習してきたが,より深く理解してほしい.
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校の数学I・数学IIを中心に復習しておくこと.特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習するように.
- <具体的な到達目標>
- 具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 初等関数を理解し,具体的計算ができる. (2) 微分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる. (3) 微分法を極値問題や極限計算などに応用できる. (4) 複素数を理解し,具体的計算と応用ができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 繰り返しになるが,講義開始前に高校の数学I・数学IIを,特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習しておくこと.【】内はその回の受講するにあたっての準備学習の事項である.
第01回 準備1:関数の基本的性質 多項式関数・三角関数・指数関数・対数関数の基本的性質を復習する. 【三角関数(加法定理)・指数関数(指数法則)・対数関数(指数と対数の関係)】 第02回 準備2:方程式(三角関数・指数関数・対数関数) 方程式の解き方を復習する. 【三角関数・指数関数・対数関数の基本事項】 第03回 準備3:方程式と不等式 分数関数や無理関数を含んだ方程式を学習する. 不等式についても,簡単に復習する. 【2次方程式の解の公式・三角関数・指数関数・対数関数の基本的性質】 第04回 準備4:合成関数と逆関数の作り方 合成関数や逆関数の定義と作り方を学習する. 【指数関数と対数関数のグラフ】
以上までの4回は高校の復習も兼ねているから,完全に理解すること. 第05回 微分法1:関数の極限・微分の定義と性質 関数の極限を理解し,それを応用して,微分の定義をする. 多項式関数や分数関数の微分ができるようにする. 【速さを求める公式は重要.多項式や分数式の計算】 第06回 微分法2:合成関数と逆関数の微分 合成関数や逆関数の微分について学習する. その応用として,媒介変数表示された関数の微分について学習する. sqrt(x^2+1)のような関数が微分できるようにする. 【前回扱った多項式関数や分数関数の微分をできるようにしておく.定義も忘れない.】 第07回 微分法3:三角関数・指数関数・対数関数の微分 三角関数・指数関数・対数関数が微分できるようにする. 【三角関数・指数関数・対数関数の基本事項をすぐに使えるように.】 関連する極限は講義で扱うから,講義が終わった後に復習をしてほしい. 第08回 微分法4:逆三角関数の定義と導関数 微分積分で重要な関数である逆三角関数を定義する. その逆三角関数の微分を学習する. 【三角関数の基本事項.単純な形の三角関数の入った方程式を解けるように.】 第09回 微分法の応用1:中間値の定理・L'Hospital(ロピタル)の定理 方程式の解の存在を示す方法を紹介する. 複雑な関数の極限の計算ができるようにする. 【微分計算をできるように.】 第10回 微分法の応用2:関数の増減 関数の増加・減少を微分を用いて調べ,最大・最小(に準ずるもの)を求めることができるようにする. 【微分計算は必須.方程式が解けるように.】 第11回 微分法の応用3:関数のグラフ・接線 微分法を用いて,関数のグラフの凹凸や,接線の方程式を求められるようにする. 【微分計算や方程式が解けないといけない.前回の続きなので,やったことを忘れずにしておく】 第12回 微分法の応用4:Maclaurin(マクローリン)展開・Taylor(テーラー)展開 高次導関数を定義し,関数を多項式展開する方法を紹介する. 【簡単な関数の微分を思い出しておく.】 第13回 複素数1:複素数の定義と性質 複素数の定義をし,計算できるようにする. 【分数式の計算】 第14回 複素数2:複素数の応用(複素数平面・極形式) 複素数を平面上の点に対応させることで,複素数の計算を有効活用する. 【三角関数の定義など思い出しておく】 第15回 学習成果の確認(試験) 講義の予定は以上のとおりであるが,理解度に応じて内容が前後する場合がある.
講義の内容を理解してもらうために,ほぼ毎回レポートを課す(計13回予定).採点して返却し,成績にも反映するので,取り組むようにしてください. また,レポートを含め,日頃の学習への取り組みは大事である.これまでの復習が次につながってくるので,事前学習以上に復習は重要である(事前学習が疎かになっていても,復習を十分にやればカバーできる).
講義の理解のために,あわせて「数学演習I」を履修することを推奨する.
- <成績評価方法>
- ・定期試験の点数(7割ほど)
・レポート課題の解答状況(3割ほど) これで100点満点の素点を計算する。 2015(平成27)年度入学者については、素点に基づきGradeを算出し,Grade D以上を合格とする。 2014(平成26)年度以前入学者については、素点に基づき60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 指定教科書なし.プリントを配布する(授業前にプリントをKUPROTに掲載するので,目を通してほしい).
KUPORT(キューポート)を活用するので,使えるようにしておくこと.
- <参考書>
- 授業内で適宜紹介する.
高校のときの数学の教科書や参考書は役立つはずである.
- <オフィスアワー>
- 授業の前後で受け付ける(12階講師室).
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