2015年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

Engineering Design and Machining D[4286]

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1単位
桂 晃洋 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
我妻 隆夫 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 ものづくりを行う上で必須となるプロセスとマネジメントを学ぶ.
 すなわち(1)ユーザーが求めている特性,仕様の分析,(2)デザイン目標の設定とその目標を達成するための最適な方法の検討,(3)デザイン課題の抽出,(4)デザイン計画,(5)デザインの評価・検証,(6)デザインの妥当性の検証,(7)商品としての評価,(8)商品化プロセスにおいて実施すべきエンジニアリングとその手法,(9)ものづくりプロセスにおけるマネジメント,(10)創造チームに係るチームダイナミックス,などの基本的な事項について座学と演習により身につける.
 取り組む課題テーマを受講者全員の議論を通じて吟味した上で,数名のグループごとにテーマを選択しその解決策を導き出す演習,いわゆる模擬商品企画,開発会議を通じて,エンジニアとして身に着けておかねばならない「必要なプロセスを適切に実践できる能力」がなんであるかを知り,エンジニアとしての基礎固めをする.

<受講にあたっての前提条件>
 E.D.M. A〜Cの後続科目であり,特に,本授業はECPTBと連携し,ECPTBで実際に行う演習内容について,先行してそれに必要な心構えや技法を解説するとともに,実施した内容についてのフォローを行う.
 また次年度以降のECPU,ECPVと密接な関係があり,基礎知識を習得するため本科目を選択することが望ましい。

<具体的な到達目標>
 モノを創案し実行するために必要なプロセスとそのプロセスにおける基礎知識を学び,身につけるべき能力(課題発見能力,課題設定能力,課題解決能力など)の必要性を認識,理解する.
 各チームで設定した目標課題に対し,論理的かつユニークな解決策を検討し発表することを通じ,上記能力を身につける.
 機械系技術者としてデザインを適切に実践できるように,その基礎を習得することを目指す。

 (JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
  (D)創造力の習得:○
  (F)デザイン能力とマネジメント能力の習得:◎
 JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)の(1) (d)の(2)c)d) (e)(g)(h):◎ (f):○

<授業計画及び準備学習>
 本授業ではまず,ECPTBで取り上げられる課題をもとに,エンジニアリングデザイン基本となる考え方,プロセス,手法を解説する.
 次いで,デザインテーマの候補を全員の議論を経て数件に絞り込み,各チーム毎に取り組むテーマを選択する。そのテーマについて,市場に受け入れられる商品開発を行うプロジェクトチームの一員という立場で,提案すべきデザインを構築し,商品提案書を作成するまでの一連のプロセスを疑似体験しながらエンジニアリングデザインについて学習する.
(1) 本授業の目的の理解/エンジニアリングデザインのプロセス
  <準備学習> ものづくりを行う上で,自分ならどういう手順で行うかを考えておく
(2) 利用者ニーズの分析とデザイン目標の設定および課題の定義
   ユーザ要求の分析,制約条件,デザイン目標設定,課題抽出
  <準備学習> ECPTBデザイン仕様を理解しておく
(3) デザイン戦略,デザイン仕様,マネジメント
  <準備学習> ECPTBデザイン仕様からデザインの課題となる属性を分析しておく
(4) 演習:演習テーマの決定,チームとしての意思決定方法を学ぶ
  <準備学習> EDMDで取り組む演習課題のテーマを考えてくる
(5) 演習:課題の理解,定義,デザイン目標について実践を通じて学ぶ
  <準備学習> (4)で決定された課題について達成すべき課題の属性リストを作成する
(6) 演習:課題の定義:目標ツリーの作成@
  <準備学習> ブレインストーミングの結果を整理し,分類する
(7)  演習:課題の定義:目標ツリーの作成A,デザイン仕様の作成
  <準備学習> デザイン仕様を考える
(8)  演習:(中間発表会)各チームのデザイン仕様とそこに至った考え方を発表する
  <準備学習> 発表資料の準備
(9)  演習:仕様を実現する具体案/機能解析/性能仕様法/ディスカッション
  <準備学習> デザイン仕様を実現する具体案を考える
(10)  演習:コンセプトデザイン案の決定/決定プロセス・方法の実習
  <準備学習> 提案された具体案の評価
(11) 演習:技術課題の評価と検証
  <準備学習> デザインにおける技術課題の抽出
(12) 演習: 詳細デザインと製作仕様の決定
  <準備学習> コンセプトデザインを物として実現する上での問題点の検討
(13) 演習:デザイン妥当性の検証,商品としての評価,ディスカッション
  <準備学習> 問題点を検討する
(14) 商品提案書,発表資料の作成
  <準備学習> 担当部分の提案書を作成する,発表資料の準備
(15) 学習の成果(発表会)
  <準備学習> デザイン目標をもとに商品提案書を検証,発表準備

<成績評価方法>
 講義の過程で実施する演習の個人レポート(中間発表を含む)(100点満点換算)とファイナルレポート(チームレポート,100点満点)の合計点数の1/2が60点以上を合格とする。
 欠席4回以上の者については履修放棄とみなし,成績評価は行わない.

<教科書>
指定教科書なし.
電子教材またはプリントで配布する.

<参考書>
エンジニアリングデザイン教材 我妻隆夫(著)・・電子ファイルで提供
エンジニアリングデザイン ナイジェルクロス(著),荒木光彦(監訳) 培風館

<オフィスアワー>
八王子校舎 17-101:金曜日 9:30〜17:00、木曜日(後期のみ)10:00〜10:50
新宿校舎 A-1736:火曜日 10:30〜12:00
上記時間外でも随時質問を受け付けます。メールでの質問も可。

<学生へのメッセージ>
 市場に受け入れられるモノづくりのためには、個別の技術力に加えて総合的な判断能力を養う必要があります。本授業を通じて、基本的な事項や知識を体系的に習得するとともに、客観的にものを見る目と豊かな創造力を身につけてください。みずから意欲を持って学習することが、大きな飛躍に繋がります。


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