2015年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

物理学III(Physics III)[3583]

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2単位
進藤 哲央 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
グルーバルエンジニアリング学部における学習の土台の1つとして,物理学の基礎を身につけることがねらいである。
この物理学IIIで流体力学,波動現象,電磁気学,および20世紀の物理を理解する。なお,電磁気分野については,基礎的な部分を既に物理学IIで学習していることを前提としている。
本科目で修得した内容は,物理学の知識を基礎として要求する各専門科目の履修に役立つ。
このクラスは再履修クラスなので,演習問題の解説などを通して理解の不十分であったところを勉強しなおし,専門科目を学習するに十分な理解度を達成することをめざす。

<受講にあたっての前提条件>
本科目を履修する前に「物理学I」,「物理学演習I」,「物理学II」,「物理学演習II」などにより,力学や熱力学,電磁気の基礎に関する分野を修得しておくこと。
物理学lIIの授業を最低一度は受講していること。

<具体的な到達目標>
以下の項目を習得することを目標とする。
(1)流体の基礎的な概念を理解する。
(2)波動現象の基礎的な概念を理解する。
(3)物理学IIで学んだ電場,磁場の概念を復習し,場の中での荷電粒子の運動を理解する。
(4)マクスウェルの方程式を構成する4つの法則の意味を積分形で理解し,簡単な系に対してそれを適用して分析する方法を理解する。
(5)電磁波の概念とその諸性質を理解する。
(6)相対性理論について,概説的に理解する。
(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c)(d)の(1):◎

<授業計画及び準備学習>
1.流体力学(1)。静止流体。
(流体の基礎的物理量を学ぶ。パスカルの原理,圧力公式,浮力などを学ぶ。)
準備学習 教科書6.1-6.2節を予習する。
2.流体力学(2)。流体の運動。
(流れの量,渦度,粘性,流れの相似則,抵抗力などを学ぶ。流体力学の基礎方程式について概観する。)
準備学習 教科書6.3-6.4節を予習する。
3.波動(1)。正弦波
(波動の基礎的概念や記述を正弦波を用いて学ぶ。波動の合成やうなりについて理解する。ホイヘンスの原理,波の回折と干渉,ヤングの実験について学ぶ。)
準備学習 教科書7.1-7.3節を予習する。
4.波動(2)。波動方程式,音波。
(波動を一般的に記述する方程式を導く。その具体的な事例として,音波について
流体力学や熱力学の法則を活用して音速の表式を導く。)
準備学習 教科書7.4-7.6節を予習する。
5 波動および流体の学習成果確認
試験により、波動および流体に関する学習内容の理解度を確認します。
準備学習 これまでに学んだ内容を復習しておく。
6. 電磁気学(1)。電磁場の復習と荷電粒子の運動。
(物理学IIで学んだ内容を復習し,ローレンツ力について学ぶ。一様な場の場合に限定して,荷電粒子の運動を,電場のみ,磁場のみ,電場+磁場の場合に調べる。)
準備学習 教科書9章の既習部分を復習し,9.12節を予習する。
7. 電磁気学(2)。電場。ガウスの法則とその応用。
(電気力線,電束の概念を理解し,電束の保存則としてガウスの法則が導入される。点電荷,平板,直線分布などの単純な例についてガウスの法則を適用して電場を求める。)
準備学習 教科書既習部分の9.1-9.2節を復習した上で,9.3-9.4節を予習する。
8. 電磁気学(3)。磁場。アンペールの法則とその応用。
(電流と磁場の関係を与えるアンぺールの法則を学び簡単な系に適用する。)
準備学習 教科書既習部分の9.7節を復習した上で,9.8節を予習する。
9. 電磁気学(4)。ファラデーの法則。インダクタンス。
(電磁誘導現象について学ぶ。自己インダクタンスの概念を学びソレノイドの場合に適用する。電流を維持するための仕事から磁場のエネルギー密度の概念を導く。)
準備学習 教科書9.9節を予習する。
10. 電磁気学(5)。変位電流。マクスウェルの方程式。
(交流電流の場合にアンペールの法則を考察し,電流の連続性を維持するために変位電流の概念が導入されることを理解する。今までの法則を総括して電磁気の基礎方程式系を理解する。)
準備学習 教科書9.9-9.10節を予習する。
11. 電磁気学(6)。電磁波。
(マクスウェルの方程式から電磁波が理論的に存在することを明らかにする。電磁波の分類や諸性質について学ぶ。)
準備学習 教科書9.11節を予習する。
12. 電磁気学の学習成果の確認
試験により、電磁気学に関する学習内容の理解度を確認します。
準備学習 電磁気学について学んだ内容の総復習を行うこと。
13. 相対性理論。
(マイケルソンモーレーの実験から始めて,相対性理論の導入と定式化を学ぶ。4次元時空の概念を理解する。ローレンツ変換を使って,時間の遅れや距離の短縮などが見られることを学ぶ。)
準備学習 教科書10.1節を予習する。
14. 問題演習と学習内容の確認
準備学習 これまで学んだ全ての内容について、理解があやふやな点を洗い出しておく。
15. 学習成果の確認
試験によりこの科目の学習内容(波動・流体・電磁気・相対論)の理解度を確認します。
準備学習 これまで学んだ内容の総復習を行うこと。

<成績評価方法>
中間試験(1) 25点,中間試験(2) 25点、期末試験25点と講義中に行う小テスト25点で合計100点満点で評価する。60点以上で合格とする。

「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
「理工系物理学講義(改訂版)」加藤潔(培風館)
演習問題はプリントを配布する。

<参考書>
参考書は特に指定しないが,図書館を活用して必要な参考資料を探すことを推奨する。

<オフィスアワー>
火曜日15:30-17:30
八王子キャンパス 1S-323
事前にメールで連絡してもらえると確実です。


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