2015年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

化学II(Chemistry II)[2471]

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2単位
望月 千尋 特任助教  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
基礎的な工学に必要な化学に関わる基礎事項について,化学Iの理解を深めてさらに発展させる。演習問題は、FE試験を視野に入れた英文による問題も用いる。授業の際に配布する英文資料を通して、物質を取り扱う学問としての化学の成果が工学のあらゆる専門分野において活用されていることを理解する。

<受講にあたっての前提条件>
本科目では、「化学I」履修程度の化学知識を前提とする。高校化学の有機化学の分野に触れていることが望ましいが,本科目が初めてでも支障はない。
本科目および「化学I」で履修した化学の基本的素養は工学全分野で有用かつ必要である。

<具体的な到達目標>
(1) 材料として活用されている物質の種類(高分子材料・無機材料・複合材料)とそれぞれの特徴を知る。
(2) 物質と化学の結びつきを生活に身近なものから理解する。
(3) 有機化合物の構造と基本的性質の相関を理解する。
(4) 基本的な有機化合物の反応や性質について理解する。
(5) 無数にある有機化合物を分類し、それぞれの特徴を理解する。
(JABEE学習・教育到達目標)
「国際工学プログラム」
(C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c):◎

<授業計画及び準備学習>
第1週:授業計画の説明,化学を学ぶ意義
 [学習内容] 授業計画・評価方法等を説明したのち,授業を開始する。
 [学習準備] 教科書6〜12ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第2週:宇宙と太陽系の誕生・元素の始まり
 [学習内容] ビックバンから元素が形成される経緯を理解する。
 [学習準備] ビックバンについて各自調べてくる。
第3週:原子がつながる・分子の誕生
 [学習内容] 化学結合による分子の生成とエネルギーの関係を理解する。
 [学習準備] 教科書15〜37ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第4週:生物も,燃料も燃やせば同じもの
 [学習内容] 炭素の特異性が,有機化合物や生物につながることを理解する。
 [学習準備] 教科書63〜66ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第5週:エネルギーの化学
 [学習内容] 生命活動を維持するエネルギーがどのようにして得られるかを理解する。
 [学習準備] 人間の生活に必要なエネルギーについて調べてくる。
第6週:大気の化学
 [学習内容] 大気の化学・大気汚染について理解する。
 [学習準備] 地球環境を維持するための問題点を調べてくる。
第7週:熱の化学
 [学習内容] エアコンの仕組みや排気ガスの触媒について理解する。
 [学習準備] 教科書56〜66を参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第8週:光の化学
 [学習内容] 光は物質をどのように変えるか,理解する。
 [学習準備] 教科書17〜23ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第9週:無機化合物
 [学習内容] 周期表の元素で構成される無機化合物について理解する。
 [学習準備] 教科書40〜45ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第10週:有機化合物(炭化水素)
 [学習内容] 炭素と水素からできる有機化合物について理解する。
 [学習準備] 教科書101〜109ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第11週:有機化合物(脂肪族化合物)
 [学習内容] 酸素を含む有機化合物について理解する。
 [学習準備] 教科書113〜121ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第12週:有機化合物(芳香族化合物,有機ヘテロ原子化合物)
 [学習内容] ベンゼン環を持つ有機化合物について理解する。
 [学習準備] 教科書110〜112,120〜123ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第13週:有機化合物(天然高分子化合物)
 [学習内容] 天然に存在する高分子化合物について理解する。
 [学習準備] 教科書124〜125ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第14週:有機化合物(合成高分子化合物)
 [学習内容] 合成できる高分子化合物について理解する。
 [学習準備] 教科書125〜134ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。
第15週:講義のまとめ
 [学習内容] 第14週までの授業をまとめる。
 [学習準備] 第14週までのノートと配布資料を再読し、知識を定着させること。

<成績評価方法>
原則として定期試験(100点)で評価し、60点以上を合格とする。ただし、授業中の演習問題やレポートの成績を最大50%まで含めて評価し、それらの合計点を100点を越えないように規格化する。
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
「大学生の化学 Introduction」佐藤光史監修 河野博之,永井裕己共著 培風館

<参考書>
「大学生と高校を結ぶ 化学基礎演習」J.B. 企画
「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」数研出版
「基礎化学」化学教科書研究会編 化学同人など

<オフィスアワー>
毎週火曜日16:30〜18:00とするが,在室(八王子;12号館305号室)時は,いつでも質疑を受け付ける。訪問の際は,E-mail: fu01147@ns.kogakuin.ac.jpへの予約を推奨する。

<学生へのメッセージ>
化学の応用的側面は一見複雑に見えますが、本質は基本的な化学の積み重ねで説明できます。大気や水も含めてあらゆる化学物質は、化学の基本法則に従ってこの地球全体を移動・循環します。グローバルな視点を持った技術者にとって化学を理解することは必須といえるでしょう。


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