2015年度工学院大学 建築学部
○西洋建築史(History of Western Architecture)[3180]
2単位 中島 智章 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 西洋は「建築」という概念のふるさとである。その歴史について、各時代の装飾やデザインの特徴のみならず、どのような人々がどのような状況下でどのような意図を持ちどのような建築を建設していったか、多角的に学び理解する。さらには近現代の建築やわが国の伝統的な建造物とは異なる背景を持つ近代以前の西洋建築のあり方を学ぶことにより、近現代建築の真の革新性とわが国の伝統的な建造物の特質に対する理解を深める。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校の世界史の教科書を復習し、古代から近代までのヨーロッパ史の基本をおさえておくことが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- 最低限の達成目標として下記の3点を挙げる。
1) 古典主義建築のオーダー(円柱の様式)を理解し、各様式を判別できるようになる。 2) 教会堂建築の各形式(バシリカ式と集中式)とその用語を理解し、説明できるようになる。 3) 古代から近代初頭までの各建築様式の特徴を理解し、実際の西洋建築を見てその様式・特徴を説明できるようになる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 西洋建築の諸様式とその主なディテール
準備学習:第1回授業レジュメの予習 2. 「建築」の語源とウィトルウィウスの建築論 準備学習:第2回授業レジュメの予習 3. 壁の建築と柱の建築−アルベルティとロージエ− 準備学習:第3回授業レジュメの予習 4. 建築史と音楽史・美術史の関連 準備学習:第4回授業レジュメの予習 以下、事例紹介(本年度は教会建築を取り上げる) 5. 事例1 教会建築の誕生 バシリカ形式と集中形式 準備学習:教科書第1章の予習 6. 事例2 ビザンツ建築 古代建築最後のきらめき 準備学習:教科書第2章の予習 7. 事例3 地方性豊かなロマネスクの教会建築 準備学習:教科書第3章の予習 8. 事例4 ゴシックの光 サン・ドゥニ修道院長の新たなコンセプト 準備学習:教科書第4章の予習 9. 事例5 完全性をめざしたルネサンスの教会建築 準備学習:教科書第5章の予習 10. 事例6 ゴシックとルネサンスの融合と衝突 準備学習:教科書第6章の予習 11. 事例7 プロテスタント諸派の教会建築、イエズス会の教会建築 準備学習:教科書第7、8章の予習 12. 事例8 教皇のバロック ベルニーニとボッロミーニ 準備学習:教科書第9章の予習 13. 事例9 新古典主義の教会建築 準備学習:教科書第10章の予習 14. 成績評価の説明 15. 定期試験
- <成績評価方法>
- 2年生(2014年度入学生)については、定期試験で最終成績を評価し、その得点が60点以上の者に単位を認定する。なお、2014年度以前の入学生は、2015年度後期に実施される、新カリキュラムの1年次配当科目「西洋建築史」の履修登録はできないので注意すること。
再履修生、および、編入生・休学あけ学生は下記レポート課題を必ず提出する必要がある。その上で定期試験の最終成績を評価し、その得点が60点以上の者に単位を認定する。下記レポートを提出していない者の定期試験答案は採点しない。
レポート内容 拙著『図説 パリ 名建築でめぐる旅』(河出書房新社、2008年)のpp.9〜99(図版キャプションは除く)を自筆でB5判ノートに書き写すこと。縦書きでも横書きでもよい。繰り返すが、あくまで自筆で行うこと。いうまでもないが、ワープロやコピーの使用は認めない。なお、作成したノートは試験持込可となるので、見やすいように工夫し、蛍光ペンなどで線を施してもよい。
提出日時 授業最終回の前後にレポートのチェックを実施し、その場で持ち帰ってもらう。最終回の月日は授業第12回において伝達する。
- <教科書>
- 中島智章:『図説 キリスト教会建築の歴史』、河出書房新社、2012年
(これと下記の参考書『図説 西洋建築史』のみ試験持込可)
- <参考書>
- 日本建築学会編:『三訂版 西洋建築史図集』、彰国社、東京、1990年
鈴木博之編:『図説年表 西洋建築の様式』、彰国社、東京、1998年 グルッポ7:『図説 西洋建築史』、彰国社、東京、2005年(教科書とこれのみ試験持込可) 中島智章:『図説 パリ 名建築でめぐる旅』、河出書房新社、2008年
- <オフィスアワー>
- 前期水曜日の9:00〜9:20、12:30〜12:50
ただし、下記のウェブサイトに記載されたメイル・アドレス宛てに、注意書きをよく読んでアポイントメントを必ず要請すること。 https://www.facebook.com/kogakuin.architectural.history/info?tab=page_info (スマホ・サイトではなく、PCサイトに接続することが望ましい)
- <学生へのメッセージ>
- 学士の学位を持って建築に携わるものとして恥ずかしくない知識は得てほしいが、昔の人がどのように建築物を建てたのかを学ぶことにより、彼らの苦労を身近なものとして感じてくれると幸いである。
なお、講義参加にあたり、最低限、次の2原則の遵守を求める。
********** 講義の掟2ヶ条 1)質問など講義に関係のあることを除いて 一切声を発してはならない。 2)健康上の理由などやむをえぬ場合を除き 退室は全く認められない。 入室と退室を繰り返すなどは言語道断。
- <備 考>
- 授業や試験の情報は下記サイトに集約するので必ず閲覧し参照すること。
- <参考ホームページアドレス>
- https://www.facebook.com/kogakuin.architectural.history
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