2015年度工学院大学 建築学部
○日本建築史(History of Japanese Architecture)[2279]
2単位 後藤 治 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 我が国の歴史的建築物が持つ技法・構法・デザインの特徴、時代による変化を、具体的な事例を通して学びながら、建築(特に木造建築)に使われる基礎的な専門用語についての知識を身に付ける。建築を造る際に、過去のものから学ぶ視点を磨くと同時に、歴史的建築物の保存についての問題意識を持つ。
- <受講にあたっての前提条件>
- 1年次・2年前期の授業(基礎設計・建築設計等)で学んだ建築物の基本図面(平面図、立面図、断面図)に対する理解を深め、基本図面を見ると建築物の外観や内部空間が想像できるようになっておくことが必要である。
- <具体的な到達目標>
- 授業で身に付けた基礎的な専門用語を用いて、著名な歴史的建築物の構造・形式・規模等の表記や、屋根・床・天井といった各部の仕様に関する記述ができるようになることを目標とする。また、我が国の代表的な歴史的建築物やそれに用いられている基礎的な構法や技術に対する理解度を高め、学んだ内容を3年次の建築設計に生かすことができるようになっていただきたい。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス、授業の進め方、時代区分、基本的な用語
準備学習:中学、高校で習った歴史の教科書を見直しておく 2.日本に残る歴史的建築物 準備学習:文化庁のホームページにアクセスして、日本の文化財の状況を確認する 3.木材と木造建築 準備学習:林野庁のホームページにアクセスして、日本の森林の状況を確認する 4.伝統構法と在来構法、木質構造 準備学習:自宅の周辺にある近年建設された木造の建物を観察する 5.軸組と基礎 準備学習:自宅の周辺にある住宅建築の軸部と基礎を観察する 6.様々な軸組の構法と変化 準備学習:教科書に掲載されている様々な建物の写真によって、軸組の構法を確認する 7.壁 準備学習:教科書に掲載されている様々な建物の写真によって、壁の構法や仕上げを確認する 準備学習:自宅の周辺にある歴史的建築物を見学し、これまでの学習成果を確認する 8.軸組と小屋組 準備学習:教科書に掲載されている様々な建物の断面図によって、小屋組の構造を確認する 9.屋根 準備学習:身の回りにある建物の屋根の材料、仕上げ、工法を観察する ★ 学習成果の確認(レポート課題作成、身近にある歴史的建築物を見学し、授業で学んだ構法、技術が用いられている状況や、各部の仕様の状況を確認する。見学した建物の構造、形式、規模を記述してみる)。 10.軒 準備学習:自宅の周辺にある寺院や神社を訪れ、建物の軒を観察する 11.天井と床 準備学習:身の回りにある建物の天井と床の材料、仕上げ、工法を観察する 12.開口部、建具他 準備学習:身の回りにある建物の開口部、建具を観察する、特に障子と襖を観察する 13.建築の塗装、装飾他 準備学習:日光東照宮のホームページをみる、建物に塗る塗料にどのようなものがあるのかを調べてみる 14.歴史的建造物の保存 準備学習:文化財保護法について調べてみる 15.学習成果の確認(試験) 準備学習:これまでの学習成果を総合的に見直してみる
- <成績評価方法>
- 試験及びレポート課題によって評価する。試験・レポートは3対1の比率で採点し、合計60点以上の者に単位を認める。試験、レポートともに、構造、形式、規模に関する記述の正確さ、構法や技術に対する理解度(各部の仕組みや役割に対する理解度)によって評価を行う。ただし、50点以上60点未満の者で、レポート内容が非常に優秀であると判断される場合には、最終成績を60点とする。
- <教科書>
- 『日本建築史図集 新訂第三版』日本建築学会編(彰国社)
- <参考書>
- 『改訂 伝統のディテール』広瀬鎌二他(彰国社)
『コンパクト版・建築史【日本・西洋】』大橋竜太他(彰国社) 『建築学の基礎6 日本建築史』後藤治(共立出版)
- <オフィスアワー>
- 八王子校舎建築事務室:火曜日12時40分〜13時10分
- <学生へのメッセージ>
- 授業中に参考文献を提示するので,それらに出来る限り目を通し,知識を広げる努力をしてもらいたい。可能な限り、自宅の周辺や通学路近辺にある歴史的建築物の見学を行ってもらいたい。
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