2015年度工学院大学 建築学部

西洋建築史(History of Western Architecture)[5110]

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2単位
中島 智章 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 西洋は「建築」という概念のふるさとである。その歴史について、各時代の装飾やデザインの特徴のみならず、どのような人々がどのような状況下でどのような意図を持ちどのような建築を建設していったか、多角的に学び理解する。さらには近現代の建築やわが国の伝統的な建造物とは異なる背景を持つ近代以前の西洋建築のあり方を学ぶことにより、近現代建築の真の革新性とわが国の伝統的な建造物の特質に対する理解を深める。

<受講にあたっての前提条件>
高校の世界史の教科書を復習し、古代から近代までのヨーロッパ史の基本をおさえておくことが望ましい。

<具体的な到達目標>
 最低限の達成目標として下記の3点を挙げる。

1) 古典主義建築のオーダー(円柱の様式)を理解し、各様式を判別できるようになる。
2) 教会堂建築の各形式(バシリカ式と集中式)とその用語を理解し、説明できるようになる。
3) 古代から近代初頭までの各建築様式の特徴を理解し、実際の西洋建築を見てその様式・特徴を説明できるようになる。

<授業計画及び準備学習>
1. 「建築」の語源とウィトルウィウスの建築論
 準備学習:第1回授業レジュメの予習
2. 壁の建築と柱の建築−アルベルティとロージエ−
 準備学習:第2回授業レジュメ、教科書コラム2、3の予習
3. 『ガリア戦記』のパリ−国立中世(クリュニー)博物館の大浴場跡−
 +サン・ジェルマン・デ・プレのロマネスク建築
 +初期キリスト教建築
 準備学習:教科書第1、2章、コラム4の予習
4. シテ島−十字軍の時代とゴシック建築の誕生−
 準備学習:教科書第3章の予習
5. ヴァンセンヌの森−百年戦争と城塞建築−
 準備学習:教科書第4章の予習
6. ゴシックとルネサンスの融合−サントゥスターシュ聖堂−
 +ルネサンス建築の誕生
 準備学習:教科書第5章、コラム5、6、7の予習
7. ポン・ヌフ−王たちのルネサンス−
 +ローマ・バロック
 準備学習:教科書第6章、コラム8の予習
8. フランス学士院−イタリア・バロックへのあこがれ−
 準備学習:教科書第7章の予習
9. ルーヴル−絶対王政の殿堂−
 準備学習:教科書第8章の予習
10. 偉人たちの聖なる墓所パンテオン−啓蒙の世紀と新古典主義−
 +ロココ様式
 準備学習:教科書第9章、コラム9の予習
11. ラ・ヴィレットの関門−革命前夜の建築−
 +ナポレオン1世とエトワール凱旋門
 準備学習:教科書第10章の予習
12. パリのノートル・ダム大聖堂の修復−ゴシック建築の復活−
 準備学習:教科書第11章の予習
13. 旧オペラ座(現パレ・ガルニエ)−ナポレオン3世の都市計画−
 準備学習:教科書第12章の予習
14. 成績評価の説明
15. 定期試験

<成績評価方法>
定期試験で最終成績を評価し、表面の得点が12満点中9点以上の者を到達目標に達したと認め、単位を認定する。その上で表面と裏面の得点が100点満点中90点以上の者をグレードA+、80点以上90点未満の者をグレードA、70点以上80点未満の者をグレードB、60点以上70点未満の者をグレードC、60点未満の者をグレードDとする。

<教科書>
中島智章: 『図説 パリ 名建築でめぐる旅』、河出書房新社、2008年
(これと下記の参考書『図説 西洋建築史』のみ試験持込可)

<参考書>
日本建築学会編:『三訂版 西洋建築史図集』、彰国社、東京、1990年
鈴木博之編:『図説年表 西洋建築の様式』、彰国社、東京、1998年
グルッポ7:『図説 西洋建築史』、彰国社、東京、2005年(教科書とこれのみ試験持込可)
陣内秀信等著:『圖說西洋建築史』、蔡青雯訳、臉譜出版、台北、2009年(繁體中文)(上記書籍の繁体字・中国語訳)
中島智章:『図説 キリスト教会建築の歴史』、河出書房新社、2012年

<オフィスアワー>
八王子キャンパス
時間:後期金曜日の9:00〜9:20、12:30〜12:50
場所:3号館3階建築学部事務室
新宿キャンパス
時間:後期火曜日の17:20〜17:50
場所:高層棟24階2410号室

<学生へのメッセージ>
 学士の学位を持って建築に携わるものとして恥ずかしくない知識は得てほしいが、昔の人がどのように建築物を建てたのかを学ぶことにより、彼らの苦労を身近なものとして感じてくれると幸いである。
 なお、講義参加にあたり、最低限、次の2原則の遵守を求める。

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講義の掟2ヶ条
1)質問など講義に関係のあることを除いて
  一切声を発してはならない。
2)健康上の理由などやむをえぬ場合を除き
  退室は全く認められない。
  入室と退室を繰り返すなどは言語道断。

<備 考>
授業に関する情報はキューポート経由(メール転送はしない設定)で行うので、随時、個人宛お知らせを確認すること。

<参考ホームページアドレス>
https://www.facebook.com/kogakuin.architectural.history


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