2015年度工学院大学 建築学部建築デザイン学科
建築再生論(Renovation and Reuse of Architecture)[3D11]
2単位 中島 智章 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 澤岡 清秀 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 近年、社会の持続性をめぐる関心から、スクラップ・アンド・ビルドではなく、既存の建築をストックとして活用する「建築再生」という建築の営みが注目されている。本科目では「建築再生」、あるいは歴史的建造物の保存・活用をめぐる歴史、思想、制度を学び、さらに現在における建築の保存・再生の事例について理解を深める。
- <受講にあたっての前提条件>
- 日本建築史、西洋建築史の単位を修得しており、本科目と同じく3年次前期に実施されている近代建築史を履修していることが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- 最低限の達成目標として下記の3点を挙げる。
1) 近世以前の建築再生の様々なあり方を理解し説明できるようになる。 2) 近代以降に展開されてきた建築保存・活用をめぐる思想・制度を理解し説明できるようになる。 3) 現在における建築の保存・再生の諸事例を理解し説明できるようになる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 古代ギリシア・ローマ建築の破壊と再生
準備学習:西洋建築史で学んだ古代ギリシア・ローマ建築についての知識の復習 2. フランスの各王朝の永続性重視の考え方と建築保存 準備学習:第2回授業レジュメの通読 3. ミュージアム建築の誕生と歴史的建造物の保存・活用 準備学習:第3回授業レジュメの通読 4. 歴史的記念建造物委員会とヴィオレ=ル=デュク 準備学習:第4回授業レジュメの通読 5. アテネ憲章における歴史性と芸術性 準備学習:第5回授業レジュメの通読 6. ヴェネツィア憲章とイコモスの成立 準備学習:第6回授業レジュメの通読 7. 日本における歴史的建造物の保存の歴史 準備学習:第7回授業レジュメの通読 8. 文化財保護法の成立と変遷 準備学習:第8回授業レジュメの通読 9. ユネスコの活動と世界遺産条約 準備学習:第9回授業レジュメの通読 10. 現在における建築再生の事例1−近代化遺産・鉄道駅の建築再生− 準備学習:第10回授業レジュメの通読 11. 現在における建築再生の事例2−都心のオフィス・ビルの保存・再生− 準備学習:第11回授業レジュメの通読 12. 保存再生のデザイン的側面-1 準備学習:第12回授業レジュメの通読 13. 保存再生のデザイン的側面-2 準備学習:第13回授業レジュメの通読 14. 成績評価の説明 15. 定期試験
- <成績評価方法>
- 最終レポート課題の得点が60点以上の者に単位を認定する。ただし、履修生数が40名を超える場合、レポートではなく定期試験を実施し、その得点が60点以上の者に単位を認定する。
- <教科書>
- 指定教科書なし。
- <参考書>
- 伊藤延男他:『新建築学大系50 歴史的建造物の保存』、彰国社
その他、各回レジュメに参考文献・論文を明記している。
- <オフィスアワー>
- 授業の前後。
ただし、下記のウェブサイトに記載されたメイル・アドレス宛てに、注意書きをよく読んでアポイントメントを必ず要請すること。 https://www.facebook.com/cours.nakashima.tomoaki/info?tab=page_info (スマホ・サイトではなく、PCサイトに接続することが望ましい)
- <学生へのメッセージ>
- 成績評価に際して実施される課題について、ただ解けばよい、提出すればよいというものではなく、体裁・内容ともに出題者の要求を満たす水準に達していなければなりません。そのつもりで授業の内容をしっかり記録し理解するようにして下さい。
- <参考ホームページアドレス>
- https://www.facebook.com/cours.nakashima.tomoaki
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