2015年度工学院大学 建築学部建築デザイン学科

微分積分II(Calculus II)[1A11]

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2単位
齋藤 平和 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
微分積分Iは1変数関数を対象としているが、その続きである本科目は変数が2つの2変数関数の微分積分である偏微分と重積分を習得させる。本科目のねらいは以下の通りである。

◆曲面の接平面より偏微分の意味を理解し、2変数関数の極値や陰関数への応用力を身につける。
◆重積分が境界面が曲がっている立体図形の体積であることを理解し、数学Iで習った不定積分を駆使して重積分の計算ができる。

<受講にあたっての前提条件>
微分積分Iで習った導関数や不定積分の計算方法を復習しておく。

<具体的な到達目標>
◆偏導関数の計算ができる。
◆2変数関数、陰関数の極値が計算できる。
◆累次積分で重積分の計算ができる。
◆極座標に変換して重積分の計算ができる。

<授業計画及び準備学習>
1.微分法の復習:
1年時に微分積分Iを履修して1年以上時間が空いているので、偏微分の計算に必要な微分法を復習する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:特になし。

2.2変数関数のグラフと接平面:
2変数関数のグラフである曲面を見せながら講義をする。グラフの接平面の方程式の係数が偏微分係数であることを理解させる。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

3.偏微分係数と偏導関数:
接平面の接点の座標を変数とすれば偏微分係数は偏導関数になるが、数学Iで習った導関数の公式を利用して偏導関数を計算させる。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

4.高階偏導関数:
偏微分を繰り返すと、高階の偏導関数を得るが、応用範囲が広い2階の偏導関数を計算させる。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

5.ヘッシアンと2変数関数の極値:
2変数関数の極値の計算は偏微分の応用の1つであるが、1変数関数のような増減表は作れない。その代わりに2階偏微分から定義されるヘッシアンで極値を判定する方法を身につけさせる。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

6.陰関数の導関数と極値:
陰関数の導関数を偏導関数で表すことを利用して、極値を計算させる。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

7.2変数関数の条件付き極値:
2つの変数が平面上の座標になるときの極値をラグランジュの乗数法で計算する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

8.積分法の復習:
1年時に微分積分Iを履修して1年以上時間が空いているので、重積分の計算に必要な積分法を復習する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

9.領域の分割と重積分の定義:
2変数関数の積分は平面の領域の上でなされるが、領域を分割して2変数関数の定積分である重積分の定義の方法を解説する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

10.累次積分1:
重積分を定義しても直ちに積分値の計算はできず、1変数の積分を繰り返す累次積分を使う。そのとき数学Iで習った不定積分の計算が必要である。先ずは領域が長方形の場合で計算する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

11.累次積分2:
平面の領域の形状は多様である。境界が曲線になる長方形でない領域における累次積分の公式を使い、一般的な領域上の重積分を計算する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

12.変数変換とヤコビアン:
1変数関数の置換積分のように重積分でも変数を変換して積分するときに関数にヤコビアンを掛ける。ヤコビアンの必要性を解説する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

13.極座標変換:
平面の変数変換で頻繁に使われる極座標変換で重積分を計算する。小テストを行い答案用紙を提出させる(採点し次回の授業で返却)。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

14.広義重積分:
無限領域上の重積分は有限領域の重積分の極限で計算するので広義重積分といわれる。この重積分により統計学で重要な広義積分であるガウス積分の値が求まることを解説する。
準備学習:前回の講義ノートを読み返しておく。

15.学習成果の確認(試験):
準備学習:授業中に行った小テストを「必ず」確認しておくこと。

<成績評価方法>
期末テストと授業中の小テストを合わせて100点満点とし、60点以上を合格とする。
小テストの割合は状況に応じて20%〜30%に設定する。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
◆微分積分読本・1変数、小林昭七著、裳華房
◆続微分積分読本・多変数、小林昭七著、裳華房

<オフィスアワー>
月曜日しか講義がないので、授業終了直後に質問に来て下さい。


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