2015年度工学院大学 建築学部建築学科

建築経済(Building Economics)[3B72]

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2単位
遠藤 和義 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
建築は我々の生活空間であるが,取得に対価をともなう経済的な存在でもある。また,建築に投下された資本は,その使用から得られる収益によって増殖する必要もある。このような経済的観点から建築のライフサイクルをとらえ,「財・ものとしての建築」および「建設や維持保全という行為」に関する経済特有の考え方,手法を習得する

<受講にあたっての前提条件>
建築施工、建築プロジェクトマネジメント、生産設計を履修していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
・財としての建築の価値について理解できる。
・積算方法、コストマネジメントの考え方を理解できる。
・建設市場や建設産業の現状、理論、実際について理解できる。

<授業計画及び準備学習>
1. ガイダンス,建築経済学という学際領域について解説する。
2. 建物の経済性評価概論 ライフサイクルコストの考え方について解説する。
3. 建物経営計算の考え方 資本価値、資産価値、収益、費用、減価、金利の関係について解説する。
5. 建物経営計算の実際(1) 建物の理論価格の算出方法、DCF法について解説する。
6. 建物経営計算の実際(2) 土地費用、敷金・権利金と建物経営の関係について解説する。
7. 耐用年数,減価償却,不動産鑑定評価の手法、実際について解説する。
8. 建物経営問題のケーススタディ 具体的な建物を設定してその理論価格について解説する。
9. 確率的建物経営計算 不動産金融工学、BCP等リスク対策の手法について解説する。
10. 積算 その1 建築工事費の構成、部分工事の積算方法の基礎について解説する。
11. 積算 その2 RC建物の部分を対象に積算方法の実際について解説する。
12. コスト管理 コストマネジメントの考え方について解説する。
13. バリューエンジニアリング VEの考え方と実際について解説する。
14. 建設市場と建設業経営 建設市場の特性、近未来の予測、海外の状況について解説する。
15. 学習成果の確認(試験)
学習準備:事前にテキストをKuPortで配布するので、これを熟読して講義に臨むこと。

<成績評価方法>
講義中に実施するレポート2回と定期試験を1:4の比重で合計した総合点で評価する。60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
毎回パワーポイントのプリントアウトをKuPortで配布する。講義前に予習すること。ダウンロードの履歴も成績に反映する。

<参考書>
初回講義で説明する。
岩下秀男 建築経済 理工図書

<オフィスアワー>
原則的に講義終了後とする。メールを最大限活用されたい。なお、メールアドレスは初回講義で伝達する。

<学生へのメッセージ>
建築を財や経済的な行為として考えることは、現代における建築を理解する上で欠くことができません。良い建築を作り、維持するための素養としてその理論や手法を是非身につけて下さい。


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