医療施設計画（Architectural Planning of Medical Facilities）[2B14]

＜授業のねらい＞

建築計画I、II、IIIで身につけた建築計画の基礎的な知識を基として、自分で考えることにより、合理的に設計をするための基本的な考え方を理解することを到達目標とする。
すなわち、医療施設という複雑な機能が詰まった建物をベースとして、その機能を整理しながら建築空間を作り上げるために、設計の実際的な課題を知り、建築計画的思考を理解し、実際の建物の設計に生かす考え方を身につけるようになる。

＜受講にあたっての前提条件＞

建築計画I、建築計画II、建築計画IIIの受講を極力終了していること。

＜具体的な到達目標＞

●利用者の行動と必要な空間との関係を分析できる
●部屋の面積を規定する計画条件を分析できる
●施設が果たすべき機能と計画条件を分析できる
●利用者の心理と計画条件を分析できる
●与えられた計画条件を満たした計画事例を提案できる

＜授業計画及び準備学習＞

4/7　１）世界の病院建築
　　世界の病院建築の写真を見て建築計画上の課題を理解する。
　　準備学習：講義で理解した建築計画上の課題とまとめる。
4/14　２）日本の病院建築
　　世界の病院建築の写真を見てせて建築計画上の課題を理解する。
　　準備学習：講義で理解した建築計画上の課題とまとめる。
4/12　３）病室の計画(1)
　　利用者の行動と必要な空間との関係について理解する。
　　準備学習：行動と空間との関係の事例をまとめる。
4/28　４）病室の計画(2)
　　部屋の大きさを決定する要因について考察し、理解する。
　　準備学習：病室の大きさを決める要因を整理する。
5/12　５）病室の計画(3)
　　病室の病床数を決定する要因について理解する。
　　準備学習：利用者の心理と病室の病床規模との関係を整理する。
5/19　６）スッタフステーションの計画
　　利用者の働き方と必要な空間との関係について理解する。
　　準備学習：スタッフステーションの大きさや配置を決める要因を整理する。
5/26　７）外来の計画(1)
　　利用者の動き方や利用の仕方、特性（高齢者）と空間との関係について理解する。
　　準備学習：外来の空間構成を決める要因を整理する。
6/2　８）手術部の計画
　　手術部の使われ方と空間との関係について理解する。
　　準備学習：手術部の空間構成を決める要因を整理する。
6/9　９）精神科病棟の計画
　　空間が人間の行動や心理に与える影響について理解する。
　　準備学習：空間の構成と人の行動や心理との関係について整理する。
6/16　１０）リハビリテーション病棟の計画
　　日常空間の構成とリハビリテーションとの関係を理解する。
　　準備学習：日常空間の構成と高齢化に伴う運動能力の支援について整理する。
6/23　１１）医療施設のBCP
　　震災後に医療施設を機能させる建築的要因を理解する。
　　準備学習：震災後においても医療施設を機能維持させるための建築的要因を整理する。
6/30　１２）病棟の設計（１）
　　与えられた計画条件を基に病棟を計画し提案する。主として病室の計画を行う。
　　準備学習：病床規模の異なるいくつかの病室計画案をまとめる。
7/7　１３）病棟の設計（２）
　　与えられた計画条件を基に病棟を計画し提案する。主として病棟の計画を行う。
　　準備学習：病棟計画案をまとめる。
7/14　１４）病棟の設計（３）
　　各自作成した計画案の発表を行い、医療施設の提案能力を獲得する。
　　準備学習：自分の提案に残されている課題を評価してまとめる。

＜成績評価方法＞

成績評価は，最終提出の病棟計画案で行う。
ただし、14回の授業中10回以上の出席を必須条件とする。
その上で、 「病棟計画案」を100点満点で採点する。
なお、採点は与条件に対する提案内容を中心に評価する。

＜教科書＞

長澤泰ほか「医療施設　IS建築設計テキスト」市ヶ谷出版社

＜参考書＞

「病院の設計」新建築学大系３１、彰国社

＜オフィスアワー＞

講義の前後
又は
kakehi@cc.kogakuin.ac.jpにメールにて連絡すること。

＜学生へのメッセージ＞

受け身の講義ではなく、学生とともに考える講義を行いますので積極的に意見を述べてください。授業において考えることを大切にする講義ですので出席は大きく評価します。