2015年度工学院大学 建築学部まちづくり学科
都市設備(Urban Environment and Infrastructures)[2A72]
2単位 林 一宏 非常勤講師
- <授業のねらい>
- ・健全な都市は、必要な資源やエネルギーが供給され、不要なゴミや下水が処理されることで成立している。
・地域冷暖房なども含め、都市設備を正しく整備・活用すれば環境負荷の削減に貢献する。 ・都市設備の目的と仕組み、現状と課題について、基礎的な知識として習得することを目標とする。
- <受講にあたっての前提条件>
- ・受講の前提となる他講義は特になし。
・エネルギーや都市に関し、新聞記事程度の専門用語理解が望ましい。
- <具体的な到達目標>
- ・都市設備の目的と仕組みを把握する。
・現状と課題も含め、自分の言葉で説明出来る程度に知見を整理する。 ・都市設備に関連する法令や、監督官庁等についてもその概略を理解する。
- <授業計画及び準備学習>
- <授業計画>
1.都市設備概論:電力・ガス・上下水道・ごみ処理・地域冷暖房等、都市設備の全体概要を解説する。 2.発電方式とエネルギー構造:エネルギーの種別や電力会社発電所における発電方式の概要を解説する。 3.配電方式と需要家側設備:電流・電圧等の基本を確認した上で、配電設備や需要家側設備の概要を解説する。 4.ガス調達とガス供給:ガスの分類を確認した上で、ガス供給事業の概要を解説する。 5.ガスに関連する新エネルギー:シェールガスなど非在来型ガス、及び石炭など燃焼系エネルギーの概要を解説する。 6.水源と浄水施設:上水道を構成する水源から浄水施設、水道管などの概要を解説する。 7.浄化槽と下水道:下水道の構成と浄化槽の仕組み等の他、排水再利用に関して解説する。 8.下水処理施設:生活排水処理の他、都市水害抑制の視点などから下水処理施設の概要を解説する 9.3Rとごみ収集方式:ごみとは何かを確認した上で、ごみ収集の方式について概要を解説する。 10.ごみ処理施設と最終処分場:いわゆる清掃工場と、その先の最終処分場に関して概要を解説する。 11.地域熱供給と再生可能エネルギー:地域冷暖房施設の目的や現状と併せ、再生可能エネルギーの概要を解説する。 12.特定電気事業とスマートシティ:電気事業自由化の流れと、『スマート』を冠する様々な構想の概要を解説する。 13.防災の視点から見た都市設備:防災に関する国の取り組みや、消防他組織の活動概要を解説する。 14.持続可能な都市とは:都市交通について説明した上で、都市設備の概要の再確認を行う。 15.学習成果の確認(試験) <準備学習> ・毎回講義の最後に、理解確認他の目的でレポート作成を行う。 ・毎回の準備学習として、授業計画に関連する文献類を検索してその全体像を把握し、自分の意見も含め理解・整理しておくことを求める。 ・復習として、再度全体像に関する理解を整理しておくことを求める。更に不明な点がある場合は適宜質疑のこと。
- <成績評価方法>
- ・期末試験結果を約8割、講義内レポート提出を約2割として総合的に評価し、100点法で示す。
・90点以上:秀、80点以上89点以下:優、70点以上79点以下:良、60点以上69点以下:可、59点以下:不可。
- <教科書>
- 指定教科書なし。
- <参考書>
- 指定参考書なし。
- <オフィスアワー>
- 講義終了後20分程度。
- <学生へのメッセージ>
- 就職活動に配慮し、可能な限り1講義完結形式の授業になるようにします。
我々の生活を支える都市設備のありようを理解し、建築に対し広い視野での思考を持つ契機になればと考えています。
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