2015年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

まちづくり経済学(Economics for Community Development)[3B12]

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2単位
星 卓志 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
まちづくりは、単に空間的な計画やデザインだけで成立するわけではない。計画を実現していくためには、経済的にそのプロジェクトが成立するものでなければならないし、まちを再生させるためには、経済的な視点も重要である。そうした視点からまちづくりに関わる経済的な観点、特に不動産に関わる経済学や事業制度を学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
「現代まちづくり論」を受講していること。

<具体的な到達目標>
●都市計画、まちづくりの経済的側面の現実を概括的に理解している。
●市街地開発事業(再開発、区画整理)の仕組みを説明できる。

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス
2.経済学の基本概念
 都市計画やまちづくりの経済的側面を学習するうえで必要となる経済学の基本概念を解説する。
 事前学習:経済学の基本概念について入門書またはインターネット上の情報により学習する。
3.戸建て住宅取得の経済
 土地を購入し住宅を建築、取得する一連の行為に伴う収支をモデルケースにより演習する。
4.都市地域構造の理論、経済的背景と都市計画・まちづくり
 都市地域構造の理論を確認したうえで、経済社会状況がこれにどのような影響を及ぼしてきたかを解説する。
5.不動産開発の投資判断
 オフィスビルなどの不動産開発投資がどのような視点で判断されているのかについて解説する。
 事前学習:経済学の基本概念を復習しておく。
6.オフィスビル開発の収支計画
 土地を取得してオフィスビルを建設し賃貸事業を行う一連の行為に伴う収支をモデルケースにより演習する。
 事前学習:第3回の授業内容(戸建て住宅取得の経済)を復習しておく。
7.中間試験
 前回までの授業内容についての試験を実施。
8.不動産に関わる権利等と市街地再開発事業の概要
 土地、建物に関わる権利の種類と内容、市街地再開発事業の目的と仕組みの概要について解説する。
 事前学習:市街地再開発事業の事例を調査し、前後の市街地の状況を比較考察する。
9.市街地再開発事業の権利変換
 権利変換計画についてモデルケースにより演習する。
 事前学習:前回の授業内容を復習する。
10.土地区画整理事業の仕組み
 土地区画整理事業の目的、事例、仕組みを解説したうえで、モデルケースにより換地計画を演習する。
 事前学習:土地区画整理事業について自分なりに調べてみる。
11.公共投資と費用便益分析、経済波及効果分析
 経済合理性だけでは必要性を判断できない公共投資ではあるが、経済的効果の側面を測定する方法を解説する。
 事前学習:公共投資とはどのようなものか調べてみる。
12.PFIと建物リース
 民間資金の活用によって公共施設の整備と運営を行う手法について解説する。
13.NPO、まちづくり会社とエリアマネージメント
 非営利的なまちづくり活動組織の経済的側面を解説する。
 事前学習:まちづくりNPOやまちづくり会社について、具体的な活動団体について調べてみる。
14.総括と今後の展望
 前回までの授業を総括的に振り返ったうえで、都市と経済の関わりについての今後のあり方について展望する。
15.学習成果の確認(期末試験)

<成績評価方法>
授業ごとのコメントシート、小テスト、出席状況等の平常点及び期末試験により評価する。60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。
授業の中で必要な資料を配布する。

<参考書>
指定参考書なし。

<オフィスアワー>
授業の前後を基本とするが、あらかじめ連絡調整のうえ他の日時とすることも可能。

<学生へのメッセージ>
この授業で取り上げる内容は、実務に携わることで初めて接する事柄が多いです。個々の仕組みや考え方を深く理解するには至らなくても、どのようなことがあるのかを幅広く知っておくことは、社会に出てから役立つと思います。


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