2015年度工学院大学 第1部情報通信工学科
情報社会論(Discussion on Social Information Technology)[4A10]
2単位 三木 良雄 教授
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ◎ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 情報化社会という言葉が生まれて久しいが、そのような社会が生まれるに至った情報処理、ネットワーク、機器の小型化、インターネット、ネットサービスなど、技術の社会へ与えた影響を体系的に学ぶと同時に、セキュリティや社会的リスクと管理方法の重要性を学習する。以上を通して、情報学を学ぶ者が今後の人工知能やデータ解析技術をどのように持続的社会の構築に役立てられるかを考える力を養う。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特別の事前知識は要求しないが、技術と社会の両面について考え理解しようとする意欲があること。
- <具体的な到達目標>
- ・情報社会の歴史的な位置づけと社会の変化を理解し、説明できる
・情報技術の発達が社会に与えた影響と課題を整理して示すことができる ・今後の社会の発展に自分がどのように貢献すべきかを考えることができる
- <授業計画及び準備学習>
- 1.情報と社会
社会とは何か、情報とは何かを再整理し、情報処理技術が社会に与える影響を考察することで、情報社会論の重要性を理解する
2.ネットワーク社会 システムアーキテクチャの集中型から分散型への変遷を整理すると同時に、その核となっているネットワーク技術がもたらしたネットワーク社会を理解する 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
3.IT革命と社会変化 IT社会という言葉が生まれたインターネット、ブロードバンドの技術背景を整理し、この技術が適用できる分野の拡大、可能性について理解する 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
4.ユビキタス情報社会 Ipv6、ワイヤレスネットワークにより、地理的束縛から解放された情報技術とWeb2.0に代表されるサービス同士、情報同士の結合による新たな変革について学ぶ 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
5.社会インフラ情報システム 社会インフラとなっている行政システムや交通システム、医療システムなどを学ぶことで、具体的な情報処理技術と社会との接点を学ぶ 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
6.クラウドコンピューティング これからの社会に大きな影響を与えるであろうクラウドコンピューティングに関して、まずその構成技術を学び、後のリスクについての準備とする 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
7.ビッグデータ、人工知能 これからの社会に大きな影響を与えるであろうビッグデータや人工知能技術に関して、まずその構成技術を学び、後にリスクについて学ぶ際の準備とする 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
8.情報社会の進展と拡大 グループワークとして、クラウド、データ分析、ユビキタス技術の進展から想起される、社会インフラ、個人生活、サービス産業などの変化や可能性について考察する 事前学習:前回までに配布した資料を読んでおくこと.
9.情報社会のリスクと課題 大量の情報を瞬時に広い範囲で共有可能となったことがもたらす課題的側面を社会的影響の観点で整理する 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
10.情報社会と新規犯罪 情報社会により、新たに具体化した犯罪の形態と対策について、技術と合わせて学ぶ 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
11.日本政府のIT戦略/情報セキュリティへの取り組み IT基本法、e-Japan戦略など、近年の政策について狙いや方向性を学ぶことで、今後、情報処理技術が与えるであろう社会の方向性を学ぶ 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
12.プライバシーと個人情報保護 個人情報を使ったビジネスと情報システムアーキテクチャやインターネットに潜む個人情報漏えいのリスク、ならびに保護法令について学ぶ 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
13.企業秘密、営業機密 企業における情報管理の在り方と関連法令、セキュリティ監査の基本について学ぶ 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
14. 情報社会と倫理 関連法令、制度を踏まえたで、情報社会の持続的な発展に必要な倫理面をネットワークや企業活動、インターネットサービスなど多角的な角度から整理する 事前学習:前回配布した資料を読んでおくこと.
15. 学習成果の確認(試験) 事前学習:前回までに配布した資料を読み、情報処理技術と社会変化との関係について復習しておくこと.
- <成績評価方法>
- 原則として学期末の試験で60点以上の者に対して単位が認定される。その他として、グループワーク、途中課題等にて(最大30%)が考慮される
- <教科書>
- 配布する講義資料をテキストとして用いる
- <参考書>
- 講義の中で適宜指定する
- <オフィスアワー>
- 質問、相談は随時受け付けますのでメールで連絡をして時間を予約してください。
アドレス、研究室などの詳細は初回に案内します
- <学生へのメッセージ>
- 体験型学習を取り入れ、双方向学習を行います。日頃から自らが学ぶ技術が社会の中のどこに接点を持っているのかを観察し、授業での作業、発言に反映してください。
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