2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科

電気システムデザイン(Electrical System Design)[5D71]

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2単位
高木  亮 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
 我々の社会は,多くの「システム」によって支えられている。特に,電気工学の成果をさまざまに応用した「電気システム」は,大規模なものでもその特性がよく理解されており,設計(=デザイン)や運用が容易である。電気システムを含め,一般的にシステムの設計や運用に関する学問が「システム工学」と呼ばれるものであり,本講義ではそのエッセンスを学び,電気工学の修得を通じてシステム工学的センスも養成されていることを体験的に確認してもらうことを主な目的とする。
 現実の社会においては,正解がただひとつではなく無数にあるような問題を扱うことが多い。講義で取り扱うシステムの設計=デザインの課題においては,そのような事例をあえて取り上げ,そうした問題に取り組む方法論を体得することも重要な目標となる。

<受講にあたっての前提条件>
 電気機器,制御工学などの知識は有用。例題として交通システムを取り上げるという意味では交通システムの知識も有用である。

<具体的な到達目標>
 システムの「デザイン」について体験的に知識を得ること。

<授業計画及び準備学習>
1. 序論
  電気システムとは/この講義の性格/この講義の目的
2. デザインとは
  日本語としての「デザイン」と設計/評価と最適化
3. 制御との関連
  設計と制御/最適設計と最適制御/設計と制御との中間(両方)の部分
4. 実例を通して「デザイン」について考える(1)
  電気車の走行性能の設計…列車の走行性能とは/基本的な設計
5. 実例を通して「デザイン」について考える(2)
  電気車の走行性能の設計…演習用の設計課題と具体的な補足説明
6. 実例を通して「デザイン」について考える(3)
  電気車の走行性能の設計…演習と宿題
7. 実例を通して「デザイン」について考える(4)
  電気車の走行性能の設計…課題の解説
8. 最適化概論(1)
  システム工学とは/最適化の原理と応用/評価の重要性
9. 最適化概論(2)
  各種の最適化手法…山登り法・「線形計画法」
10. 最適化概論(3)
  各種の数値的最適化手法・メタヒューリスティクスなど
11. 評価とシミュレーション(1)
  工学的システムデザインにおける評価の重要性と困難さ
12. 評価とシミュレーション(2)
  実例:饋(き)電システムの評価…饋電システムとは/評価の基本
13. 評価とシミュレーション(3)
  実例:饋電システムの評価…前提条件と評価結果の関係
14. 講義内容の総まとめ
15. 学習成果の確認(レポート課題作成)

準備学習:
 予習:参考書を読んで,最適化について知識を深めておこう。
 復習:講義において与えた課題について考察し,必要なレポート等の作成を進めよう。

<成績評価方法>
課題に対するレポートを提出してもらい,それに対する評価によって成績をつけることとする。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
長尾智晴:「最適化アルゴリズム」, 昭晃堂 (2000). ISBN 978-4785631123.

<オフィスアワー>
担当者は本講義以外にも前期に担当している講義等のコマ数がきわめて多く,定期的なオフィスアワーを確保することは難しい。短い質問は講義終了直後に。時間が必要な場合,事前に電子メール takagi at cc.kogakuin.ac.jp (注: at を @ に置き換えて全体をつなげるとメールアドレスになる)で相談の日時や場所を約束してほしい。

<学生へのメッセージ>
4年生向け講義でもあるので,学生側から積極的に参加し取り組むことにより大きな達成感が得られる,という意味で楽しい講義を目指すつもりである。意欲的な諸君の積極的な参加を希望する。


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