2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科

国際問題の学際的研究(Interdisciplinary Study on Global Issues)[4503]

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2単位
小野  一 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
少人数のゼミ形式の授業の場で、自らの問題関心に基づき実際に論文(レポート)を作成することを通じて、より深い学習を行う。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。

<具体的な到達目標>
「授業計画」等に記したように、最終的には、個別テーマに基づく論文(レポート)を完成させる。

<授業計画及び準備学習>
この自由研究科目は、私が担当する「国際関係の基礎知識」(前期開講)の発展科目であり、国際関係論や政治学と関連するテーマ全般を対象とする(備考欄も参照)。ただし、近年の学生の問題関心の多様化に対応して、上記以外のテーマでも、面談の上受入可能であれば受講可とする。
 授業の運営形態は、共通テキストの輪読、個別テーマに基づく発表、学期末論文(レポート)作成を組み合わせたものとする。第1回目の授業で参加者と協議の上で共通テキストを決定し、最初の1ヶ月をめどに輪読・ディスカッションを行う。ただし、こうしたゼミナール形式の授業に不慣れな学生もいることを想定し、第1回目の授業は、レジュメの書き方から始まる基本的なノウハウを指導する。
 その後は、参加者の問題関心に応じた個別テーマに基づく研究発表に移る。論文作成の途中経過を他の参加者の前でプレゼンテーションするわけだが、問題設定の仕方、文献調査の行い方やその引証の仕方、効果的な発表の仕方などについて指導を行う。
 この研究発表時のディスカッションも参考にしながら、最終的な論文(レポート)をまとめる。

<成績評価方法>
報告・発言、授業への貢献と、学期末論文(レポート)を組み合わせて成績評価を行う。総合評価において60点以上を獲得した場合に合格とする(2015年度入学の1年生については、GradeD以上の者に単位を認める)。

<教科書>
共通テキストは、第1回目の授業時に参加者と協議の上で決定する。この授業では個別テーマに基づく研究発表・論文作成が中心になるので、できるだけ早くテーマを決定し、そのために必要な文献を各自で入手すること。その際の質問・相談は歓迎するが、文献を探すのはあくまでも参加者の責任であることを忘れないように。

<参考書>
参加者の問題関心に応じてその都度指示する。私の近年の問題関心を反映したものとしては、賀来健輔・丸山仁編『政治変容のパースペクティブ[第2版]/ニュー・ポリティクスの政治学II』(ミネルヴァ書房、2010)、若尾祐司・本田宏編『反核から脱原発へ/ドイツとヨーロッパ諸国の選択』(昭和堂、2012)、ないしは小野一『緑の党/運動・思想・政党の歴史』(講談社、2014)などがあるので、個別テーマ選定の際の参考にされたい。

<オフィスアワー>
八王子校舎1号館1E-310号室:木曜日5時限目(前期)、木曜日昼休み(後期)
新宿校舎27階2744号室:月:11〜12時(前期)、火:11〜12時(後期)
新宿校舎12階講師室:水:19:30〜20時(前期)、19〜19:30(後期)
上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。

<学生へのメッセージ>
ゼミナール形式の授業では参加者の主体的学習が重要であり、いわゆる「受け身的」な授業参加では受講の意味がない。「自分は何をやりたいのか」をあらかじめ考えた上で受講登録すること。

<備 考>
第1回目の授業では、共通テキストの決定、課題の割当、発表順の決定など、授業運営の重要事項を打ち合わせするので、時間厳守で教室に集まること。この授業に関する質問や、個別テーマについての相談などは、学期開始前でも歓迎する。上記のオフィスアワーを利用するか、電子メール(アドレスは私の担当科目受講生には公開)により連絡をとること。
 昨今の時事問題に照らして、本講義と関係ありそうなテーマ例をいくつか考えてみた。レポートのテーマを選定する際の参考になるかもしれない。
  「脱原発政策を、現代民主主義の諸問題と関連づけて検証する」
  「『エコノミーとエコロジー』の緊張関係の中から、進むべき未来像を紡ぎ出す」
  「TPP参加問題を切り口に、国際化時代の日本の選択について考える」
  「ユーロ危機を機に明るみに出た、現代資本主義の矛盾を問う」
  「閉塞感漂う中、橋下型政治を求める時代の危うさに対し、代案を提示する」
これらは、例えて言えば、「パターンメイド」で洋服を仕立てるようなものである。本来、自分に合った洋服を作るには「オーダーメイド」が最もよいのだが、そのためには注文者の側にも明確なコンセプトが必要である。ポイントのみの採寸で初心者にもそれなりの服が作れるのが「パターンメイド」であり、上述のテーマ例もそのようなものと考えて、自分流にアレンジしてレポートのテーマとしてほしい。もちろん、問題関心が明確になっている人には、「オーダーメイド」でレポートのテーマを考えることをおすすめする。なお本店では、「レディメイド」(既製服)の販売は行わないので、そのつもりで。


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