2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科

電力回路(Electrical Power Circuits)[3377]

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2単位
森下 明平 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
電気工学において,特にエネルギーや動力の分野を専門とするとき,三相交流回路と分布定数回路の学習は欠くことができない。本講義で計算問題を含め,実学的観点から理論を学ぶことにより、三相交流回路の取り扱いと電力系統におけるインピーダンスの考え方を理解する。

<受講にあたっての前提条件>
・回路理論におけるインピーダンス計算、フェザー表示(特に位相の概念)を習得しておくこと。
・3行3列までの行列計算を習得しておくこと。
・三角関数の計算を復習するとともに複素関数を習得しておくこと。

<具体的な到達目標>
・三相交流回路の電圧・電流,インピーダンスが計算できる。
・移動磁界・回転磁界を扱うための座標変換が行える。
・長距離送電線における電圧・電流,インピーダンスが計算できる。

<授業計画及び準備学習>
01. 交流回路の復習
  フェーザ記号法,力率,複素電力について理解を確実にする。(複素計算を復習しておくこと) 
02. 多相交流回路方式の種類と結線
  対称三相交流,星形結線と環状結線を学習する。
03. 対称起電力と負荷との関係
  Y起電力とY形負荷,Y△,△△,△Y,VV を学習する。
04. 回転磁界と電力輸送
  合成磁界の円運動,交流電力の移動方向 を学習する。
05. 多相交流回路の電力
  ブロンデルの定理,二電力計法,演習 を学習する。
06. 対称座標法の原理
  回転座標変換,零相分,正相分,逆相分 を学習する。
07. 対称座標法による非対称三相交流の計算
  三相電力の計算,演習
08.その他の座標法
  αβ変換,dq変換 を学習する。
09. 代表的な計算問題
10. 分布定数回路の基礎方程式
  正弦波交流における方程式,双曲線関数の解 を学習する。
11. 特性インピーダンスと伝搬定数
  無限長線路,無損失線路,無歪線路 を学習する。
12. 電圧,電流の分布
  線路の端条件,等価二端子対回路,位置角 を学習する。
13. 反射・透過・共振
  インピーダンス整合,受端開放,受端短絡 を学習する。
14. 演習問題
15. 学習成果の確認

事前学習:教科書の次の講義の箇所を読み、数式の導出方法を理解しておくこと。
講義後に講義内容を電子教材にアップするので、次の講義までに復習しておくこと。

<成績評価方法>
(講義中の理解度演習(10点満点)×14/10+定期試験)/114 で評価する。定期試験のみでも60点以上なら合格とする。

<教科書>
「電気学会大学講座 電気回路論」平山 博,他 著(電気学会)

<参考書>
「電気学会大学講座 基礎電気機器学」難波江 章,他 著(電気学会)

<オフィスアワー>
木曜日15時〜16時。事前に電子メール ct13328@ns.kogakuin.ac.jp でアポをとってください。

<学生へのメッセージ>
選択科目ではあるが、電気工学科の学生(2年生)には学習してもらいたい科目である。

<備 考>
太陽光発電や風力発電、自然エネルギーを利用する分散型発電機を電力系統に接続するにはこの科目の学習が基礎的に重要である。


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