2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科

数学II(Mathematics II)[3415]

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2単位
長谷川 研二 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
数学Iの微分積分は1変数関数を対象としているが、本科目では変数が2つの2変数関数の微分積分である偏微分と重積分を習得させる。2変数関数のグラフは曲面であり、イメージがつかみにくいが近年のコンピュータの発達によって曲面の作成が容易になったので、理解を促すために授業時に図を見せながら講義を進める。計算については数学Iで身につけた方法がそのまま適用できる。本科目のねらいは以下の通りである。
  • 曲面の接平面より偏微分の意味を理解し、偏導関数が計算できる。
  • 偏微分の応用として2変数関数の極値が求められる。
  • 2重積分が境界面が曲がっている立体図形の体積であることを理解し、2重積分やその拡張の3重積分の計算ができる。

<受講にあたっての前提条件>
数学Iを履修する。

<具体的な到達目標>
  • 多変数関数の偏導関数を計算することができる。
  • 合成関数の微分法を正しく適用することができる。
  • 2変数関数の極値を求めることができる。
  • 重積分を累次積分に書き直して計算することができる。
  • 累次積分の積分順序を交換することができる。
  • 変数変換公式を利用して重積分を計算することができる。

<授業計画及び準備学習>
  1. 偏微分係数と偏導関数:
    偏微分の定義と直観的な意味が分かり、簡単な関数の計算ができる。
    準備学習:プリントは事前に配布できないので数学Iの復習をしておく。
  2. 接平面の方程式:
    2変数関数のグラフに接する接平面の方程式を偏微分係数から求められる。
    準備学習:プリントを読んでおく。
  3. 高階偏導関数:
    高階偏導関数の性質を理解し,簡単な関数の計算ができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  4. 合成関数の微分法:
    多変数関数の合成関数とその偏微分について理解し具体的な計算ができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  5. 多変数関数のマクローリン展開:
    関数が無限級数によって表示できることを理解し具体的な計算ができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  6. 2変数関数の極大・極小:
    2変数関数の極値問題について理解し簡単な場合に計算ができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  7. 2変数関数の極値問題の解法:
    応用も含めて具体的な極値問題を正しく扱うことができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  8. 2重積分と累次積分:
    2重積分の概念を理解し、累次積分との関係について学ぶ。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  9. 2重積分の計算:
    2重積分の具体的な計算が正しく実行できる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  10. 積分順序の交換:
    積分の順序交換の意味を理解し、具体的な問題について正しく実行できる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  11. 極座標と変数変換:
    極座標を用いた変数変換の意味を理解し具体的な計算ができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  12. 変数変換公式:
    広く用いられている変数変換の意味を理解し具体的な計算ができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  13. 3重積分:
    2重積分の拡張としての3重積分の概念を理解し具体的な計算ができる。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  14. 3次元極座標:
    3次元極座標に変数変換して3重積分を計算する。
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  15. 学習成果の確認(試験):
    準備学習:配布されたプリントを復習する。特に演習問題については再度解いてみる。

<成績評価方法>
定期試験の得点が80点以上であればそれを成績点Xとする。定期試験の得点が80点未満であればそれをx点として、X=(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしabは(80a)b =80で合格基準点x0に対して(ax0)b =60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後である。2014年以前の入学者はXが成績であるが2015年入学者はXが90以上であればA+、80〜89であればA、70〜79であればBとしてXが60〜69で試験の得点が50以上がC、50未満をDとする。

<教科書>
  • 指定教科書なし
  • プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。

<参考書>
  • 理工科系一般教育 微分・積分教科書 占部 実・佐々木 右左 編 共立出版
    担当者が学生のときに微分積分の教科書として指定されたものである。毎年新しい微分積分の本が出版されており、その分価値が低い本は在庫がなくなれば絶版されることになるが、この本は初版から50年近く経っているのに未だに出版社のホームページに掲載されているので、出版価値は非常に高い。
  • 基礎と応用 微分積分II 金子 晃 著 サイエンス社
    微分積分の内容は高度であるが著者が女子大情報系学科で担当した微分積分の授業に基づいているので、文体が内容の割りには柔らかく、参考としてコンピュータのプログラムも載っている。

<オフィスアワー>
水曜日5時限(八王子校舎01E−313数学研究室)


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