2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科

物理学II(Physics II)[2316]

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2単位
進藤 哲央 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
物理学IIでは熱力学および電磁気学を学習する。
  1. マクロな系を記述する理論体系である、熱力学を理解する。
  2. 電気や磁気の現象を記述する電磁気学の基礎をマスターする。
  3. 身近な現象について、熱力学や電磁気学の観点から説明できるようになる。

<受講にあたっての前提条件>
高校数学全範囲の内容を理解し、使えるようになっていること。
物理学Iの内容を理解していること。

<具体的な到達目標>
熱力学
  1. 熱力学に現れる物理量の意味を説明できる。
  2. 熱力学の基本法則を理解し,具体的な系に適応できる。
  3. 複雑な自然現象を単純化モデル化して把握できる。

電磁気学
  1. 電磁気学における物理量の概念と相互の関係を説明できる。
  2. 電磁気学の基本法則を様々な問題に適用できる。
  3. 電磁波の概念とその諸性質を説明できる。

<授業計画及び準備学習>
1. 授業内容について,物質の成り立ちについて
a) 授業の進め方 b)力学の復習(力,エネルギー,仕事について) c) 物質の成り立ち
[準備学習]物理学Iの復習をしておくこと。

熱力学
2. 圧力と温度
a) 系と状態 b) 温度について c) 気体と圧力
[準備学習] 教科書の該当する箇所と前の授業で配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
3. 気体の状態変化,熱のやりとり
a) 気体の状態方程式 b) 定積変化と熱 c) 平衡状態と状態変化
[準備学習] 教科書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
4. 内部エネルギーと熱力学第一法則
a) 断熱変化と内部エネルギー b) 等温変化における疑問 c) 熱力学第一法則
[準備学習] 教科書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
5. 様々な状態変化の性質
a) 定積変化 b)定圧変化 c) 等温変化 d) 断熱変化
[準備学習] 教科書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
6. 熱サイクル
a) 熱サイクルと効率 b)カルノーサイクル c) その他のサイクル
[準備学習] 教科書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
7. 熱力学第二法則について
a) トムソンの原理とクラウジウスの原理 b)クラウジウスの不等式 c) エントロピー
[準備学習] 教科書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
8. 発展的話題
a) ルジャンドル変換 b) ミクロ描像とマクロ描像 c)統計力学の入口
[準備学習] 教科書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。

電磁気学
9. クーロン力と電場
a) クーロン力 b) 電場 c) 電位
[準備学習] 参考書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
10. 電場について
a) 電流とは b) ミクロとマクロを結び付ける c) 抵抗とジュール熱
[準備学習] 参考書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
11. 回路入門
a) 抵抗の合成 b) コンデンサとは c)抵抗とコンデンサを用いた回路
[準備学習] 参考書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
12. 電流と磁場
a) 磁力について b)磁力の源 c)磁場と電流
[準備学習] 参考書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
13. 電磁波入門
a) 電磁場の方程式 b)電磁波 c)身の回りの電磁波
[準備学習] 参考書の該当する箇所と事前に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。
14 総復習と問題演習
[準備学習] これまでに学んだ内容を総復習しておく。
15 学習内容の確認

<成績評価方法>
次の2通りの方法に基づき、総合的に理解度を評価する。
A. 期末試験100%
B. 期末試験70%および授業中のレポート、小テスト30%

<教科書>
『理工系物理学講義』加藤潔(培風館)
プリント資料等を適宜配布する。

<参考書>
教科書選びの参考として、いくつかの本をリストしておく.
『一般物理学 上・下』太田信義 (パリティ物理学コース) 上記の本と同じく,物理の基礎的な分野について簡潔にまとめられている.
『物理入門コース 電磁気学 I, II』長岡洋介 (岩波書店) きわめて標準的な電磁気学の教科書.
『電磁気学の考え方』砂川重信著 (岩波書店) しっかり書かれた電磁気学の教科書
『電磁気学の基礎 I,II』太田浩一(シュプリンガー) しっかり書かれた電磁気学の教科書.
『よくわかる電磁気学』前野昌弘 (東京図書) 初心者向に非常に丁寧にかかれていて,しかも面白い教科書.

『物理入門コース 熱・統計力学』戸田盛和(岩波書店) きわめて標準的な熱力学の教科書(前半).
『熱・統計力学の考え方』砂川重信著 (岩波書店) 標準的な熱力学の教科書(前半)
『なっとくする熱力学』都筑卓司 (講談社)標準的なトピックを網羅した熱力学の教科書.
『熱力学 ー現代的な視点から』田崎晴明 (培風館) ちょっとレベルは高いが大変面白い教科書.
『図解・わかる電子回路』加藤肇, 見城尚志, 高橋久 (ブルーバックス) 電子回路について,よくまとまっている本.

<オフィスアワー>
火曜日 15:30-17:30
八王子校舎 総合教育棟 1S-323
あらかじめメールで連絡しておいてもらえると確実性が増します。

<学生へのメッセージ>
理系の学問では,自分で手を動かして問題を解いたり,教科書に載っている式を自分で変形して公式を導出したりすることが,内容の理解を助ける重要な要素になります。講義時間は限られているため,講義のみではこれら基礎訓練のための時間が十分にとれません。これらを補うために,上に挙げた参考書等にのっている問題を自分で考えて解く等,自習することが大切です。
授業時間だけで,全てを理解することは不可能であると思っておいてください。


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