2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科
 
○化学I(Chemistry I)[2104]
 
 
2単位 高見 知秀 教授  
 
- <学位授与の方針>
 
| ◎ | 1. 基礎知識の習得 |   | 2. 専門分野知識の習得 |   | 3. 汎用的問題解決技能 |   | 4. 道徳的態度と社会性 |   | 5. 創成能力 |  
  
- <授業のねらい>
 
- 理工系大学生として必要な化学の基礎知識を身につけることをねらいとする。高校化学程度の基本的な事項から始めるが、講義ではより理論的で厳密になる。また、英文の資料と演習問題を適宜参照しながら講義を進め、基本的な元素名や化学用語を英語でも理解する。現代社会における化学の役割を認識し、化学の視点から自らの専門分野を見直すことが目標である。
 
- <受講にあたっての前提条件>
 
- 本科目の履修の前提となる科目は特にないが、「化学実験」を履修し、化学により親しむことは、心理的障壁をなくすのに有効である。本科目で習得した内容を,さらに「化学II」を履修することで発展させることが望ましい。また、本科目で化学の基本的素養を習得することは、工学全分野で有用かつ必要なことである。
 
- <具体的な到達目標>
 
- 1)化学の関わる分野が極めて多岐に渡り実生活に深く関連していることを
 講義を通じて知ること。 2)元素名、単位や基本的な化学用語の内容を日・英両言語で明確に説明できること。 3)原子の構造を理解し、そこから化学結合の本質を説明できるようになる。 4)化学反応に関する基本的な化学計算ができるようになる。 5)ミクロな物質とマクロな現象を結ぶ化学平衡の概念と、熱収支を理解する。 6)酸と塩基や酸化還元の定義と、それらの反応について理解する。 
- <授業計画及び準備学習>
 
- 第1週:授業計画の説明、物質量と単位、数値の違い、物質の分類
  【学習内容】授業計画・評価方法などを説明したのち、授業を開始する。  【学習準備】教科書3〜12ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第2週:原子の構造とスペクトル  【学習内容】原子の構造を理解した上で、原子スペクトルと電子について理解する。  【学習準備】教科書15〜20ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第3週:量子数と電子の軌道  【学習内容】原子中の電子のふるまいを理論的に理解する。  【学習準備】教科書21〜23ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第4週:電子配置と周期律、電気陰性度  【学習内容】パウリの排他率を学び、電子配置と周期律の関係を理解する。  【学習準備】教科書24〜34ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第5週:化学式と反応式、無機物質の反応  【学習内容】化学反応の基本法則を理解する。  【学習準備】教科書37〜45ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第6週:酸・塩基とその強弱、中和反応、加水分解とpH  【学習内容】酸・塩基の定義、およびそれらの強弱と中和反応の関係を理解する。  【学習準備】教科書46〜50ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第7週:酸化還元反応と電池  【学習内容】酸化還元が電子移動であることを理解する。  【学習準備】教科書51〜55ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第8週:化学反応と熱収支、結合エネルギー  【学習内容】化学反応の進行に伴うエネルギー変化を理解する。  【学習準備】教科書63〜66ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第9週:化学平衡(酸・塩基の反応と酸化還元電位を含む)  【学習内容】化学反応における動的平衡の概念を理解する。  【学習準備】教科書56〜62ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第10週:化学結合と物質の状態  【学習内容】原子間の結合の本質が電子であることを理解する。  【学習準備】教科書69〜77ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第11週:結晶といろいろな材料  【学習内容】マクロな物質の状態がミクロな分子の集合状態を反映していることを理解する。  【学習準備】教科書78〜82ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第12週:気体の法則と状態方程式  【学習内容】ボイル・シャルルの法則を理解する。  【学習準備】教科書83〜86ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第13週:溶液と溶解度、束一的性質  【学習内容】相平衡や粒子の個数に支配されている現象を理解する。  【学習準備】教科書87〜97ページを参考に、演習問題を解いて知識を定着させる。
  第14週:いろいろな材料と化学  【学習内容】身の周りにあるセラミックス、金属、プラスチック材料などの化学組成を理解する。  【学習準備】教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布資料問題を解いて知識を定着させる。
  第15週:講義のまとめ  【学習内容】14週までの授業をまとめる。  【学習準備】第14週までのノートと配布資料を再読し、知識を定着させる。 
- <成績評価方法>
 
- 原則として定期試験で評価し、Grade D以上の者に単位を認める。授業中の演習問題の成績を最大50%まで含めて、総合評価を規格化して最終成績とする。
 
- <教科書>
 
- 「大学生の化学 Introduction」佐藤光史監修 河野博之,永井裕己共著 培風館
 
- <参考書>
 
- 「大学と高校を結ぶ 化学基礎演習」(J.B.企画)
 「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」(数研出版) 
- <オフィスアワー>
 
- 前期・後期ともに金曜日14:00−16:30とする。居室は八王子キャンパス(4号館1階105号室)。出張などで不在の可能性があるので、事前に連絡を取ることを推奨する。メールで連絡・質問する場合は、ft13537@ns.kogakuin.ac.jpまで。
 
- <学生へのメッセージ>
 
- 化学抜きでは物質を語れないことを知りましょう。環境や生命は一見複雑に見えますが、本質は基本的な化学の積み重ねで説明できます。興味をもち、積極的であれば必ず理解の糸口が見つかります。
 
 
 
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