2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科

現代の論理学(Modern Logic)[1315]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
田村 慶一 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
わたしたちがともかくも思考していることは事実です。とはいえ,論理的であるとはどういうことか,あるいは,論理とは何かを知らないままに,またそうしたことを意識的,自覚的に考えたことがないままになってはいないでしょうか。問題を解決しよう,目標を達成しようと努力しているときであっても,人間の思考活動は必ずしも論理的であるとは限りません。しかし,日常生活においても,科学的研究においても、理にかなった思考をすることが必要であり、大切であるということは強調するまでもないでしょう。理にかなった思考のためには、思考が理にかなっているかどうかを理解し確認できなくてはいけません。論理的思考について反省してみることが必要になってきます。「思考についての思考」が問題となるところに「論理学」は登場します。
 この講義は,「論理的に思考する」ということに意識的、自覚的になることをめざして、論理学の基本的な理論と技術を習得することを目的とします。
 内容としては、現代の「記号論理学」への入門として「命題論理」について学んでいきます。具体的な到達目標の各項目を達成できるように学習を進めてください。

<受講にあたっての前提条件>
はじめて論理学を学ぶための授業です。特に前提とすべき既習事項はありませんが、新しい論理学用語が毎回のように出てきますので、それらの用語を正しく理解し覚えていこうとする学習意欲が必要です。

<具体的な到達目標>
1.論理的結合子の定義を理解し、論理式を構成できる。
2.命題と論理式の区別と関連性、推論と推論形式の区別と関連性を説明できる。
3.命題とその真理値の関連を「真理関数」として説明できる。
4.命題をその真理値の可能性から類別でき、特に命題の恒真性を判定できる。
5.命題の恒真性と関係づけて推論の妥当性を判定できる。
6.自分の考えを論理的に整理し理路整然と述べるために、論理学的な知識を活用することができる。

<授業計画及び準備学習>
下記の順にテキストの内容にそって講義中心に授業を進めます。授業では毎回、しめくくりとしてポイント確認のための小問題を出題し回答してもらいます(授業時間の都合により、練習問題プリントを配布し復習課題とすることもあります)。この小問題(または練習問題プリント)について模範解答はしませんが、授業ノートを見れば正解が確認できるはずです。
 準備学習は復習が大切です。各回の授業について授業ノートを中心に復習し、次回の授業に備えてください。ポイント確認の小問題(または練習問題プリント)にまちがいなく正解できるようになれば復習完了です。テキストの該当箇所は次回の分を含めて各回の授業時に指示します。特に「論理的結合子の一般的考察」の回の授業ではテキストの内容を越えるところもありますので、板書などを手がかりにしっかりノートをとり、毎回必ず復習してください。

第1回 論理学とは
第2回 命題論理における命題:要素命題と複合命題
第3回 命題の記号化:論理的結合子の定義
第4回 命題と論理式:論理式の定義
第5回 命題の真理値と真理表
第6回 真理関数と真理関数的命題
第7回 トートロジーと論理法則
第8回 論理的結合子間の定義的関係
第9回 論理的結合子の一般的考察
第10回 命題論理における推論:推論の妥当性と推論形式
第11回 恒真性と妥当性
第12回 推論の妥当性のテスト
第13回 演繹的論証
第14回 例題演習
第15回 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
毎回の授業に出席すること、授業中のポイント確認小問題(または練習問題プリント)に回答すること、以上は点数として評価するものではありませんが、成績評価を受けるための前提です。単位の認定は原則として学期末定期試験の成績によるものとし、成績が60点以上である場合に単位を認めます(ただし、2015年度以降の入学者については、成績がDランク以上である場合に単位を認めます)。

<教科書>
平野耿編『思考の回路−論理学ABC−』(富士書店)

<参考書>
沢田允茂著『考え方の論理』(講談社学術文庫)
山下正男著『論理的に考えること』(岩波ジュニア新書)

<オフィスアワー>
授業終了後に教室または兼任講師室で。

<学生へのメッセージ>
念のための確認ですが、効果的な学習環境を確保するために、対象学科・学年の履修についても制限する場合があります。


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2015 Kogakuin University. All Rights Reserved.