2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科
△哲学の現在(Problems of Philosophy)[1301]
2単位 真達 大輔 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ◎ | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 「心」という古くて新しい問題について考える。
脳という現代的なテーマを中心に、時に近代哲学に遡りつつ、「唯物論的世界観の中で心はどのように捉えられうるか」、言い換えれば「科学との関係において心はどのように考えられうるか」という問いに切り込んでいく。 それを通じて「私とは何か」という問題についての考えを深め、「私」という存在のわかりにくさに対して、安易な答えに満足することなく、粘り強く格闘する知的忍耐力を身に付ける。 なお、毎回授業の終わりに意見等を書いてもらうので、それを通して主体的に考え、書く力も養う。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし
- <具体的な到達目標>
- 心、脳、「私」といったテーマ(授業計画で示されたテーマ)について、様々な見方や概念を整理し、理解すること。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回 イントロダクション〜心、脳、「私」
第2回 デカルトの心身二元論1〜物質を超越した存在としての心 第3回 デカルトの心身二元論2〜その問題点 第4回 観念論〜物質の実在を疑ってみる 第5回 唯物論〜物質以外には何もない 第6回 機能主義〜脳の機能としての心 第7回 決定論〜未来が決定された世界は単純でつまらないという誤解 第8回 消去主義〜心は科学によって追放される迷信にすぎないか 第9回 クオリア問題〜科学で心を解明することは不可能か 第10回 意識の不確かさ〜意識されていないが意識されているということ 第11回 進化論から見た心〜心は何のために存在するか 第12回 スピノザ〜決定論の強さ 第13回 自由と決定論〜自由であるとはどういうことか 第14回 カント〜「私」の可能性 第15回 まとめ
- <成績評価方法>
- 学期末に記述式の試験を行い、60点以上を合格として単位を認定する(2015年度入学の1年生については、GradeD以上の者に単位を認める)。
授業内容についての基本的知識が身についているかということと、論理的な文章がきちんと書けているかということを基準に評価する。
- <教科書>
- 特に指定しない。
授業の中で資料を配布する。資料を試験課題にすることもあるので、紛失しないよう保管しておくこと。
- <参考書>
- 特に指定しない。
必要に応じて、授業の中で紹介する。
- <オフィスアワー>
- 授業終了後に教室または講師室にて、気軽に声をかけて下さい。
また、授業中の質問も多いに歓迎します。一人一人の疑問・感想を教室全体に投げかけることは、お互いの理解を深めることにもなります。
- <学生へのメッセージ>
- 哲学は必ずしもわかりやすい学問ではないかもしれませんが、根源的なテーマについて一つ一つじっくり考えていく知的快楽があります。皆さんと「哲学」する楽しさを共有したいと思いますので、哲学に関して予備知識のある人も、ない人も積極的な参加を期待します。
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