2015年度工学院大学 第1部電気システム工学科

比較政治論(Comparative Politics)[1216]

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2単位
小野  一 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
選挙制度の比較論的考察を通して、変動著しい現代政治の問題状況を理論的・実証的に分析する。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。

<具体的な到達目標>
本講義における具体的な達成目標は以下のとおり。
 (1)現代社会の問題状況を知悉し、新しい政治的テーマの出現とその政策的展開を比較論的方法を用いて論理的に考察する。
 (2)授業で学んだ知見を基に、現代社会の問題状況に対し自ら問いを設定し、批判精神をもって現実を読み解く思考態度を養う。
 (3)社会科学の学修の基本である、分析力、論理的思考力、表現力を養う。

<授業計画及び準備学習>
(1) イントロダクション
【第1部 選挙制度】
(2) 小選挙区制と比例代表制−−二大政党制と多党制の問題にもふれて(第1章)
(3) 英国:小選挙区制の古典的モデル−−それにもかかわらず近年は多党化傾向
(4) ドイツ:小選挙区比例代表併用制−−ワイマールから現代まで(第12章)
(5) 日本:挫折した選挙制度改革「政権交代のある二大政党制」
【第2部 政党政治】
(6) スウェーデン:比例代表制と政党デモクラシー−−特異なモデル?(第11章)
(7) イタリア:小選挙区制と政党ブロック(選挙協力)−−補論:ポピュリズム
(8) 日本:55年体制とその崩壊−−政治的対立軸をめぐる問題
【第3部 大統領制】
(9) 米国:二大政党制の下での大統領選挙(第10章)
(10) アジアにおける大統領制(第13章)
(11) イスラエルにおける首相公選制(第14章)
【第4部 新しい問題】
(12) 投票率をめぐる問題−−政治参加を高める工夫?(第4〜6章)
(13) 選挙の公平性をめぐる問題−−「一票の格差」、マイノリティ代表(第2〜3章)
(14) 熟議民主主義−−代議制と政党政治の限界を超える試み?
(15) 学習成果の確認
※ 各回の授業計画の末尾に記されているのは、下の参考書の該当箇所であるので、準備学習の参考にすること。その表示がない
場合には、前回の授業の復習をした上で授業に臨むこと。具体的な課題が指示されている場合は、それに従うこと。

<成績評価方法>
授業時間中に小レポートを適宜実施する。最終的な成績は学期末の教場試験を主たる評価基準とし、平常点を含む総合評価において60点以上を獲得した場合に合格とする(2015年度入学の1年生については、GradeD以上の者に単位を認める)。詳細は初回講義時に説明する。

<教科書>
教科書は指定しない。ただし理解を助けるため、以下の参考書欄を参照のこと。

<参考書>
岩崎正洋編『選挙と民主主義』(吉田書店、2013)。この本の対応箇所を上の授業計画の欄に明示してあるので、自主学習の参考として役立てること。その他の参考書は講義中に指示する。

<オフィスアワー>
八王子校舎1号館1E-310号室:木曜日5時限目(前期)、木曜日昼休み(後期)
新宿校舎27階2744号室:月:11〜12時(前期)、火:11〜12時(後期)
新宿校舎12階講師室:水:19:30〜20時(前期)、19〜19:30(後期)
上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。

<学生へのメッセージ>
「政治的無関心」ということを聞いたことがあると思います。ただ投票率の低下を「よくない」ことだと言っても、ほんとうの意味で問題解決にはならないでしょう。もっと深いところに根本的な原因があるのかもしれません。例えば、複雑化する問題状況に対して既存の政治が応えきれず、有権者か無力感に陥っているのかもしれません。
 選挙は、私たち市民が政治に参加する最も身近な機会でしょう。いかに公平で効率的な選挙を行うかは、単なる技術的な問題ではなく、民主主義の理念に関わることです。今学期の授業では、選挙制度の比較を通して、変貌著しい現代政治で何が問われているのか、考えていきたいと思います。


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