2015年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

生物学II(General Biology II)[6564]

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2単位
鈴木 基文 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
生物学(生命科学)は、食品・健康・医療・環境と密接に関連している。本授業のねらいは、生物学の主要な構成分野である遺伝学、免疫学、内分泌学、脳神経学、発生学、分類学、進化学、生態学の基本を学ぶことによって、遺伝子情報発現の調節機構、細胞間相互作用、シグナル伝達系などについて、細胞や分子レベルで理解する。また、環境保全問題や医療問題に関連する生物多様性および生命哲学(生命倫理、環境倫理など)について理解を深める。

<受講にあたっての前提条件>
生物学に関心があること。

<具体的な到達目標>
(1)遺伝の分子機構を理解できる。(2)個体の発生や再生について細胞および分子レベルで理解できる。(3)生体の恒常性(免疫系、内分泌系、神経系)について細胞および分子レベルで理解できる。(4)生物と環境との相互関係に基づく生態および進化について理解できる。(5)生命科学における生命哲学や生命倫理の重要性について理解できる。

<授業計画及び準備学習>
1. [はじめに] 生物学Iの重要事項を復習し、本授業の概要を説明する。食品科学、健康・医療科学、環境科学などとの関連性について学ぶ。
2. [遺伝(1)] 遺伝子DNA情報の複製及び情報の流れ(DNA→RNA→タンパク質)を各段階(複製、転写、翻訳)に分け、そこで働くタンパク分子やRNA分子の役割について学ぶ。最初に遺伝子の複製について学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 31〜32を読んで理解しておくこと。
3. [遺伝(2)] 前回に続いて、遺伝子の転写および翻訳について学ぶ。遺伝子の塩基配列をタンパク質のアミノ酸配列に変換する仕組みを学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 32〜38を読んで理解しておくこと。
4. [遺伝(3)] 遺伝子の突然変異と修復機構ついて学ぶ。遺伝子多様性や遺伝病の分子的機構を理解する。
 準備学習:テキストpp. 7〜8、p. 32を読んで理解しておくこと。
5. [遺伝(4)] 遺伝子発現の調節機構について学ぶ。スイッチオン・オフに基づく調節機構の基本を理解する。
 準備学習:テキストpp. 38〜40を読んで理解しておくこと。
6. [遺伝(5)] 遺伝子組み換え、ゲノム生物学、遺伝子工学、遺伝子組換え食品の基本について学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 42〜47を読んで理解しておくこと。
7. [生体の恒常性(1)] 微生物およびウィルス感染防御や腫瘍細胞監視に関わる免疫系に関与する抗体や細胞について学ぶ。非自己と自己の識別の本質、臓器移植、ワクチン、アレルギー、食中毒などについても学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 146〜157を読んで理解しておくこと。
8. [生体の恒常性(2)] 種々のホルモンが関与する内分泌系の分子細胞学的機構について学ぶ。シグナル分子の伝達機構について学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 79〜81、pp. 132〜134を読んで理解しておくこと。
9. [生体の恒常性(3)] 脳の基本的知識を理解する。神経系のシナプスにおける神経伝達物質伝達機構の分子細胞学的機構について学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 119〜132.
10. [発生(1)] 多細胞生物の根本となる個体発生における分子細胞学的機構について学ぶ。遺伝子情報発現の調節機構や細胞間相互作用の基本を学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 210〜227を読んで理解しておくこと。
11. [発生(2)] 最先端の癌医療や再生医療を理解するための分化および再生の分子細胞学的機構について学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 103〜106、pp. 111〜113を読んで理解しておくこと。
12. [生態および進化(1)] 遺伝子解析によって変革しつつある生物の系統分類および進化について学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 162〜172を読んで理解しておくこと。
13. [生態および進化(2)] 環境問題を意識しつつ、生物と環境との関係に基づく生態学の基本を学び、生物多様性についての理解を深める。
 準備学習:テキストpp. 184〜207を読んで理解しておくこと。
14. [生命哲学・倫理] 自然や生命を人的に操作できるようになった時代に避けることができない生命哲学、生命倫理、環境倫理などについて学ぶ。
 準備学習:テキストpp. 210〜227を読んで理解しておくこと。
15. 学習成果の確認(試験)
準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
理解度をみるための中間テスト(1回)(レポート形式で、問題用紙配布後、指定した日に答案を提出する)および定期試験の結果を総合的(原則として中間テスト2:定期試験8の割合)に評価し、60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
「生命科学入門」丸山工作、丸山 敬 著(東京教学社)

<参考書>
「指定参考書なし」
授業にて紹介致します。

<オフィスアワー>
授業終了後、教室にて質問を受けます。

<学生へのメッセージ>
テキストとプリントを中心に授業を行います。授業で、生物学に関する時事ニュース、有名な科学者の伝記、科学の啓蒙書などを紹介し、生物学に興味をいだくきっかけをつくりたいと思っています。原則として毎回、授業のテーマに関する基本用語の理解度テストを行います。基本用語については、定期試験で再確認いたしますので、復習しておいてください。


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