2015年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科
ベクトル解析(Vector Analysis)[5571]
2単位 長谷川 研二 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 本科目はベクトル解析を指導する。ベクトル解析は電磁気学や流体力学の数学的基礎を与えるが、幾何的な意味がわかりにくいので図を見せることにより理解を促したい。主な授業のねらいは
- 線積分、重積分、面積分を計算する。
- 積分公式を理解し、専門分野に応用する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 線形代数学I、数学I・IIを履修する。
- <具体的な到達目標>
- 線積分や面積分を定積分や2重積分に直して計算できる。
- グリーンの定理で平面における線積分と領域上の2重積分の関係を理解して応用できる。
- ガウスの定理で空間における曲面の面積分と領域上の3重積分の関係を理解して応用できる
- ストークスの定理で空間における曲面の面積分と境界の線積分の関係を理解して応用できる。
- <授業計画及び準備学習>
- ベクトルの内積と外積:
内積の他に高校で習わない3次元ベクトルの外積の幾何的な定義と成分の公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:プリントは事前に配布できないので高校で習ったベクトルと数学I・IIの復習をする。
- 曲線:
媒介変数表示された曲線の長さを積分で求めたり、接線ベクトルや法線ベクトルの成分を微分で求める。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:プリントを読んでおく。
- スカラー場とベクトル場:
ベクトル解析では平面や空間の点にベクトルを対応させたベクトル場が登場する。それに対して平面や空間上の関数は点に対してスカラーが対応するのでスカラー場ともいう。ベクトル場の例や演算規則を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 線積分:
ベクトル場において曲線の接線ベクトルや法線ベクトルとの内積を曲線上で積分することを線積分という。線積分の方法を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 2重積分と累次積分:
平面の領域上の積分である2重積分と,それを計算するために必要な累次積分を解説する。 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 曲面:
曲面は2つの媒介変数で表示される。曲面上の点に対する接平面の方程式や法線ベクトルを求める公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 面積分:
平面上の2重積分を曲面に拡張した積分である面積分を解説する。さらに曲面の2つの媒介変数による重積分に変換して積分値を計算する。 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 3重積分:
変数が3つある関数の積分を3重積分というが、2重積分と同様に累次積分で体積分を計算させる。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 極座標変換:
2次元と3次元の極座標を使い,2重積分や3重積分を計算する方法を解説する。 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 平面における積分公式:
平面領域上の2重積分と境界における線積分の関係を表す積分公式であるガウスの定理とグリーンの定理を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 回転と発散:
空間における積分公式に必要なベクトル場の演算である回転と発散の幾何的意味と成分の計算方法を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- ガウスの定理(3次元):
平面(2次元)にあったガウスの定理を3次元に拡張する。ベクトル場の発散の体積分と境界面の面積分との関係を理解させる。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- ストークスの定理:
曲面上のベクトル場の回転の面積分と境界での線積分との関係を表すストークスの定理を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 電磁気学・流体力学への応用:
ガウスの定理やストークスの定理が電磁気学や流体力学にどのように応用されているかを解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(次回は試験なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 学習成果の確認(試験):
準備学習:配布されたプリントを復習する。特に問題については再度解いてみる。
- <成績評価方法>
- 定期試験の得点が80点以上であればそれを成績点とする。定期試験の得点が80点未満であればそれをx点として、成績点を(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしa,bは(80a)b =80で合格基準点x0に対して(ax0)b =60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後である。
- <教科書>
- 指定教科書なし
- プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。
- <参考書>
- ベクトル解析入門 小林亮・高橋大輔 著 東京大学出版会
- ベクトル解析 H.P.スウ 著 森北出版
- <オフィスアワー>
- 水曜日5時限(01E-313数学研究室)
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