△環境保全工学（Environmental Protection Engineering）[3269]

＜授業のねらい＞

環境保全工学では，２年に設置してある本学科のコア科目である物理化学，分析化学等の知識をベースとして，環境関連国家試験（特に，公害防止管理者（水質，大気））で出題される計算問題を解く能力を身につける。なお，「分離工学」に該当する部分（汚染物質の処理装置）は，３年前期開講の「粉粒体工学」で講義するため併せて受講することを勧める。

＜受講にあたっての前提条件＞

「物理化学I」および「分析化学I」，「化学基礎実験II」，「流体の輸送現象」を履修していること。

＜具体的な到達目標＞

環境関連の法規の概要を理解できること。
現在起きている環境問題に関する知識を有すること。
反応を伴わない物質収支式を立てて解答できること。
燃焼ガスの組成に関する計算ができること。
脱硫および脱硝にに必要な物質量の計算ができること。
河川や湖沼での浄化および滞留時間に関する計算ができること。
活性汚泥装置の操作条件に関係する計算ができること。

＜授業計画及び準備学習＞

１．講義の概要説明と公害防止管理者の概要
　　準備学習：化学基礎実験の演習問題（物質収支）を復習しておくこと。
２．公害総論I（環境関連法規の体系およびその概要を講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
３．公害総論II（現在の環境問題全般について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
４．大気概論I（大気の環境基準の設定およびその経緯について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
５．大気概論II（大気汚染の現状および主要な発生源について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
６．大気特論I（燃焼に用いる各種燃料の特徴および発熱量について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
７．大気特論II（気体燃料の排ガス組成の計算方法について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
８．中間演習
　　準備学習：今までの小テストの問題を総合的に復習すること。
９．大気特論III（固体または液体燃料の排ガス組成の計算方法について講義する）
　　準備学習：中間テストの問題を再度自ら解答すること。
10．大気特論IV（排煙脱硫・脱硝の特徴を説明し，反応式から必要な反応剤の量等の計算方法を講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
11．水質概論I（水質汚濁の法規制および現状の問題について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
12．水質概論II（水質汚染の発生機構および浄化理論，閉鎖水域での水の滞留時間の取扱について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
13．汚水処理技術特論I（活性汚泥法の原理および操作条件について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
14．汚水処理技術特論I（生物膜処理法の原理および操作条件について講義する）
　　準備学習：小テストの問題を再度自ら解答すること。
15．総合演習
　　準備学習：中間試験およびそれ以降の小テストの問題を総合的に復習すること。

＜成績評価方法＞

中間試験（50/176）と定期試験（100/176），毎時間の小テスト（26/176）の得点を総合して，100点満点中60点以上を合格とする。なお，３年後期に公害防止管理者試験を受験し，合格した科目数に応じて成績を加点修正する。

＜教科書＞

「指定教科書なし」
随時補助プリントを配布する。

＜参考書＞

「新・公害防止の技術と法規　2015　大気編」丸善出版
「新・公害防止の技術と法規　2015　水質編」丸善出版

＜オフィスアワー＞

事前に電子メールにて連絡を取ること。
八王子研究室（12号館207号室，内線3345）：火，水，金，土（10:00〜17:00）
新宿研究室（19階1975室，内線2527）：月，木（10:00〜17:00）
E-mail: nnamiki@cc.kogakuin.ac.jp

＜学生へのメッセージ＞

最近の厳しい就職環境ですが，当学科で環境関連の国家資格（公害防止管理者や環境計量士等）を取ることは就職活動に非常に有利です。国家資格に皆さんもチャレンジしてみてください。