2015年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

固体化学(Solid State Chemistry)[2369]

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2単位
大倉 利典 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 最近の「固体の科学と技術」の進歩はめざましく,とくに,環境材料,エネルギー材料の分野が急速に発展している。これらの材料(物質)を化学の立場から,構造・反応・物性に着目して考えてみよう。本講義では,無機材料を「固体の化学」として,構造論や反応論の基礎的事項を中心に概説する。

<受講にあたっての前提条件>
 1年次で学んだ無機化学の基礎を理解していること。

<具体的な到達目標>
(1) 結晶構造を理解し,その把握と描写が的確に行えるようになること,ならびに一般的な酸化物や鉱物について,構造の観点から諸性質の理解ができるようになること。
(2) 化学結合とその結果形成される結晶に関する知識を用いて,相転移や固相反応などを理解する。

<授業計画及び準備学習>
A 固体構造論
1. 化学結合と結晶構造
(1) 単位格子と晶系
(2) ブラベー格子とミラー指数
2. (3) イオン結晶
(4) 共有結合性結晶
3. (5) 結晶構造の分類と相互関係
4. 結晶構造と格子欠陥
(1) 格子欠陥の種類と表示法
5. (2) NaCl型結晶の内因性格子欠陥
(3) 蛍石型およびルチル型結晶の内因性格子欠陥
(4) 蛍石型およびペロブスカイト型結晶の外因性格子欠陥
6. 無機結晶とガラス
(1) 単結晶と多結晶
(2) 固溶体
7. (3) 結晶とアモルファス
(4) ガラスとガラス構造
8. 学習のまとめ(中間課題)
B 固体反応論
9. 相転移
(1) 固相転移
(2) 多形転移と転移速度
10. 核生成と成長
(1) 均一核生成と不均一核生成
(2) 結晶成長
11. (3) ガラスの結晶化
(4) 結晶化ガラス
(5) 核生成のない転移(スピノーダル分解)
12. 拡散とその工学的応用
(1) 拡散の法則―拡散の種類
13. (2) 拡散とイオン伝導
14. (3) 固相反応
(4) 焼結
15. 学習成果の確認(定期試験)

準備学習:授業計画に記されたキーワードについて調べておくこと。

<成績評価方法>
 全開講数の3分の2以上を出席した上で,定期試験の成績を70点満点,中間課題と授業中に課す演習課題を30点満点で評価し,合計60点以上を合格とする。

<教科書>
「工学のための物理化学」(第1章、第4章)永井・片山・大倉・梅村 著 (サイエンス社)
その他、講義資料をポータルシステムを利用して配布する。

<参考書>
「工学のための無機材料科学」片山・大倉・橋本・山下 著 (サイエンス社)

<オフィスアワー>
 火曜日 15:00〜16:00(八王子校舎17-202号室)

<学生へのメッセージ>
 これまでに学習した「数学,物理,化学,無機化学,物理化学」などの科目が基礎となるので重点的に復習すること。

<備 考>
 固体の物性論は,3年次前期配当の「無機材料化学」で取り扱う。


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