2015年度工学院大学 第1部応用化学科

化学工学(Chemical Engineering)[6A03]

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2単位
稲葉 敦 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
化学工学は、化学反応を利用して有用な化学物質を得るプロセスについて考える工学である。通常、気体や液体を反応器に流し、熱や圧力を与えて反応させ生成物を得る。本講では、反応器をデザインする化学工学の基礎を学び、以下の到達目標を達成する。
・化学工学を構成する伝熱、蒸留などの「単位操作」の基本的な問題が計算できる。

<受講にあたっての前提条件>
・化学プロセスに関心があること。
・多項式関数、指数関数などの初等関数の微分、積分計算ができること

<具体的な到達目標>
・化学プロセスの物質収支、熱収支を計算できる。
・伝熱の計算ができる。
・流体が管内を流れる時の圧力損失が計算できる。
・反応速度式を用いて、必要な反応器容積を計算できる。
・蒸留や固体分離など分離技術の計算ができる。

<授業計画及び準備学習>
1.化学工学について
 化学工業の現場である化学プロセスと「単位操作」について解説する。
 準備学習:関心がある化学産業について考える。
2.物質収支(反応がない場合)
 反応がない場合の物質収支式の作り方を解説する。
 準備学習:1年生の基礎化学実験2の演習問題を復習する。
3.物質収支(反応がある場合)
 反応がある場合の物質収支式の作り方を解説する。
 準備学習:1年生の基礎化学実験2の演習問題を復習する。
4.熱収支(反応がない場合)
 熱収支を物質収支のと関連付けて解説する。
 準備学習:融解、蒸発等物理的変化と熱の関係を高校の教科書で復習する。
5.熱収支(反応がある場合)
 反応がある場合の熱収支を演習問題を使って解説する。
 準備学習:反応熱について高校の教科書で復習する。
6.管内の流れの構造
 管内のを流れる液体の流動について解説する。
 準備学習:液体の粘度について基礎的な参考書で学習する。
7.管内の流れの圧力損失
 液体を管内に流す時に必要となる圧力について解説する。
 準備学習:前回で学習したレイノルズ数について復習しておく。
8.熱移動(伝導伝熱)
 熱が固体内を伝わる現象について解説する。
 準備学習:熱の移動の3形態について高校の教科書で復習しておく。
9.熱移動(対流伝熱)
 熱が流体内を伝わる現象について解説する。
 準備学習:熱の移動の3形態について高校の教科書で復習しておく。
10.熱移動(放射伝熱)
 熱が電磁波として伝わる現象について解説する。
 準備学習:熱の移動の3形態について高校の教科書で復習しておく。
11.反応速度
 反応速度係数の求め方と温度依存性について解説する。
 準備学習:反応速度について1年次の基礎化学実験の演習問題を復習しておく。
12.反応速度と反応器
 反応速度係数と反応に必要な反応器の容積との関係を解説する。
 準備学習:反応速度について1年次の基礎化学実験の演習問題を復習しておく。
13.蒸留
 気液平衡と単蒸留の現象、連続蒸留の概念を解説する。
 準備学習:化学平衡について1年次の基礎化学実験の演習問題を復習しておく。
14.固体分離
 流体内の沈降を中心に、固体の分離方法を解説する。
 準備学習:速度と加速度について高校の教科書で復習しておく。
15.学習成果の確認(試験)
 準備学習:前回までの総復習を行う。
 

<成績評価方法>
原則として中間試験またはレポート(20点)と定期試験(80点)で評価し、60点以上の者に単位を認める.
ただし3回以上欠席した学生は履修放棄とみなし成績評価を行わない。

<教科書>
授業中にプリントを配布する。

<参考書>
「入門化学工学」小島和夫他著(培風館)「基礎化学工学」化学工学会編(培風館)のような化学工学の入門編を参照する。

<オフィスアワー>
新宿19階1977室:環境マネジメント工学研究室(稲葉)
事前にe-mail(a-inaba@cc.kogakuin.ac.jp)で予約することが望ましい.

<学生へのメッセージ>
講義で計算問題を解くので、関数電卓を必ず持参すること。


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