2015年度工学院大学 第1部応用化学科

酵素化学(Enzyme Chemistry)[2D12]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
坂口 政吉 講師  [ 教員業績  JP  EN ]
油井 信弘 助教  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
酵素は生体内の複雑な化学反応を円滑に行う生体触媒である。触媒としての酵素の特性に注目し,特定の化学反応を効率よく進行させる仕組みを理解する。また,酵素および酵素反応の評価法を理解する。

<受講にあたっての前提条件>
酵素の成分は,主にタンパク質である。アミノ酸,ペプチド、タンパク質への理解が必要となる。そのため,生物化学に関する科目,実験を受講していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
1) 酵素の特徴を理解する
2) 酵素の反応特異性について理解する
3) 酵素の調節機構について理解を深める
4) 酵素および酵素反応の解析法について理解する

<授業計画及び準備学習>
1. 酵素研究の歴史と特性
  タンパク質に関する知識の復習と酵素研究の歴史を振り返る
2. 酵素の分類と特異性
  酵素の種類とその反応特異性について理解する
3. 酵素反応と反応制御
  酵素反応(化学反応)の理解と反応を制御する仕組みについて理解する
4. 酵素の性質-触媒機構(1)-酸塩基触媒と共有結合触媒-
  触媒機構の酸塩基触媒と共有結合触媒の機構(メカニズム)を理解する
5. 酵素の性質-触媒機構(2)-金属イオン触媒,静電触媒,近接効果,配向効果-
  その他の触媒機構と種々の効果を理解する
6. 酵素反応機構-加水分解酵素-
  加水分解酵素を例として,その反応機構を理解する
7. 酵素反応機構-タンパク質分解酵素-
  タンパク質分解酵素を例として,その反応機構を理解する
8. 酵素反応速度論-ミカエリス・メンテンの式-
  酵素反応速度論研究の歴史とその評価法について理解する
9. 酵素反応速度論-ミカエリス定数と最大速度-
  酵素反応速度論の評価法とその式の意味を理解する
10.酵素反応の阻害-競合阻害-
  酵素反応制御の例として,競合阻害剤の作用を理解する
11.酵素反応の阻害-反競合阻害と混合阻害-
  酵素反応制御の例として,反競合阻害剤と混合阻害剤の作用を理解する
12.酵素活性の調節
  酵素反応制御の例として,共有結合修飾などによる四次構造変化を理解する
13.酵素の利用
  私たちの暮らしの中で,酵素が利用されている例を把握する
14.まとめ
15.学習成果の確認(試験)

準備学習として復習が重要である。
前回の授業内容を予め把握して,次の授業に臨んでほしい。

<成績評価方法>
定期試験(90%),授業中の演習問題(10%)で最終成績を評価し,60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
指定教科書なし
資料は配付する。

<参考書>
ヴォート「基礎生化学」第3版 (東京化学同人)

<オフィスアワー>
火曜日 午後
常駐場所が八王子校舎のため,新宿校舎で面談希望の場合は,あらかじめE-mailまたは電話で予約することが望ましい。
坂口E-mail: bt11532@ns.kogakuin.ac.jp; 内線番号:3371
油井E-mail: bt13347@ns.kogakuin.ac.jp; 内線番号:3365

<学生へのメッセージ>
2年生までに教わったタンパク質の性質に関する復習と,各回で触れた事項を復習することで,次回に触れる事項の理解度が深まる。そのため,復習を繰り返してほしい。その上で酵素の不思議さを感じてほしい。


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2015 Kogakuin University. All Rights Reserved.