2015年度工学院大学 第1部応用化学科
電気化学(Electrochemistry)[2A17]
2単位 阿相 英孝 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- ボルタによる電池の発明やファラデーの法則の確立から始まる電気化学は,物理化学をはじめとするさまざまな自然科学の発達の礎となった。また,生体内の反応の多くが電気化学で説明されている(生物電気化学)。電気化学とは電気エネルギーと化学エネルギーの相互変換の学問であり,また物質(材料)の表面あるいは界面で進行するプロセスの科学とも言える。授業のねらいは,学生が電極反応論から電池の原理まで幅広く電気化学の基礎と応用を学ぶことである。
- <受講にあたっての前提条件>
- 受講にあたっての前提条件は,無機化学1,2を履修していることである。
- <具体的な到達目標>
- 電気化学の基礎的概念を理解し,電気化学反応を電子の移動現象として説明できる。
電池をはじめ,生活の中で出会う化学・エネルギー変換事象を電位の概念で理解できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.電気化学の歴史,先端技術を支える生活の中の電気化学
2.電解質溶液の性質 イオンの移動度,輸率,活量,イオン強度 3.電気分解と電池,電極電位と起電力 4.電極と電解液界面の構造 電気二重層 5.電極反応の速度 ファラデーの法則 6.光電気化学 半導体のバンド構造,光触媒,太陽電池 7.電解合成 8.化学電池 一次電池(マンガン乾電池,アルカリ電池) 9.二次電池(鉛畜電池,ニカド電池,リチウムイオン二次電池) 10.燃料電池 11.電気化学キャパシター 12.金属の腐食と防食,表面処理 13.生物電気化学 14.講義のまとめ 15.試験 準備学習として,次回授業内容を確認し,興味・関心があるキーワードを調べておくこと。
- <成績評価方法>
- 授業中に行う課題は理解度を測る目的で行い,期末テストを重視する。
期末テストの結果と課題提出状況を合わせ60点以上で合格とする。
- <教科書>
- 「基礎からわかる電気化学」泉 生一郎 ほか(森北出版)
- <参考書>
- 「エレクトロケミストリー」馬場,山名,岡本,小野(米田出版)
「電気化学」渡辺 正 ほか(丸善株式会社) 「電気化学の基礎と応用」美浦 隆 ほか(朝倉書店) 「表面技術者のための電気化学」春山 志郎(丸善株式会社) 「新しい電気化学」電気化学会編(培風館)
- <オフィスアワー>
- 新宿 火曜日授業終了後あるいは金曜日学生実験終了後 A-2067
その他,メール等で随時相談すること。asoh@cc.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 電気化学は,化学を電子の流れの面から見直す学問分野であり,生体内の反応を理解するためにも,また情報社会を支える様々なエネルギーデバイスを学ぶためにも重要です。
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