2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

卒業論文(Undergraduate Thesis Research)[S018]

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8単位
八戸 英夫 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 卒業論文は4年間にわたる勉学の集大成です.3年生までに身につけた基礎知識,実験,実習,学外研修および専門知識を駆使して,ひとつの研究テ−マに取り組み,定められた学習目標を達成することになります.その取り組みの中では,テ−マの社会的・技術的な意味を理解し,取り組むべき課題や問題について技術者倫理の視点をふくめて認識し,研究の目標を設定し,その目標の達成に向けて解析・実験の手順などを系統的にまとめ,解析・実験結果を吟味して必要があればその研究手順を能動的に再構築する態度が求められます.
 そして,1年間の成果を卒業論文として冊子にとりまとめるとともに,公開発表会においてこれらの成果を発表することになります.

(JABEE 機械システム基礎工学プログラムの学習・教育到達目標) ◎A-2,◎D-3,◎E-1,2,3,◎F-1,2,3

<受講にあたっての前提条件>
・「機械システム工学セミナー」を修得していること.
・3年生までの基礎知識,そして実験,実習,学外研修で得た能力および専門知識を駆使できること.

<具体的な到達目標>
・研究テ−マの社会的・技術的な意味を理解し,取り組むべき課題や問題について技術者倫理の視点をふくめて認識することができる.
・研究の目標を設定し,その目標の達成に向けて解析・実験の手順などを系統的にまとめることができる.
・卒業論文の解析・実験結果を吟味して必要があればその研究手順を能動的に再構築することができる.
・1年間の成果を卒業論文として冊子にとりまとめることができる.
・公開発表会において定められた時間内に研究成果を分かりやすく発表することができる.

<授業計画及び準備学習>
4月からはじまる卒業論文の流れを述べる.
1.まず,配属研究室の指導教員の指導の下,研究テーマを決定する.テーマを決定するためには,その研究分野のバックグラントと研究内容や研究方法に関する知識が必要であり,このためにも指導教員とよく相談すること.

2.研究テーマが決まると,テーマに関連した論文や技術文書を読み,その要点をまとめて報告することによって,内容を説明する能力を身につける.なお,和文だけではなく,英文で記述された論文や技術文書も読まなければならない.また,各自の形式で毎日の研究活動の時間や内容を記録する「活動ノート」を作成し,各研究室で行われる研究報告会資料なども保存しておく.

3.卒業論文に着手した4月から卒業論文の研究経緯を「卒業論文活動時間記録シート」に記録していくが,卒論指導教員ごとに取り扱いが異なるので指導教員に確認すること.この記録シートは,大学の研究室・実験室・工場などで研究活動に費やした時間と活動目標や活動成果を記録するためのものである.また,何を・どのように・結果はどうであったか・どのような対策を講じたかなどを具体的かつ簡潔にまとめ,定期的に卒論指導教員による面談などで確認を受ける.

4.また,6月までに「卒業論文の活動計画書」を作成しなければならない.「卒業論文の活動計画書」には,研究目的をどのように考えて設定しているかについて研究背景とともに記述し,その研究目的に対して問題をどのように解決し,その解決のためにどのような研究計画で進めるのかについて詳細に示すことが求められる.最後に,論文のまとめと発表に至るまでの年間スケジュールを記述する.

5.11月には,卒業論文中間審査が行われる.学籍番号順に1名でパワーポイントを用いて研究発表する.このとき,A4判一枚に研究概要をまとめたレジュメも提出する.さらに,審査教員だけではなく,卒論生全員が研究発表の評価を行い,その結果を中間審査評価シートに記入し,提出しなければならない.

6.2月上旬には,卒業論文とともに,それまでに作成した「卒業論文の活動計画書」,「活動ノート」,そして研究報告会資料や英語に関する活動記録などと共に「卒業論文の活動報告書」を作成し,これらをすべて綴じたファイル(卒論活動記録集)を提出しなければならない.なお,「卒業論文活動時間記録シート」の提出については,卒論指導教員の指示に従うこと.

7.2月中旬に卒業論文公開発表会を行う.中間審査と同様,学籍番号順に1名でパワーポイントを用いて研究発表する.このとき,A4判一枚に研究概要をまとめたレジュメも提出する.さらに,審査教員だけではなく,卒論生全員が研究発表の評価を行い,その結果を卒論発表評価シートに記入し,提出しなければならない.

<成績評価方法>
卒業論文は他の科目に比べて単位数も多いことから,特に入念な評価体制をとっている.卒業論文の全成績を「満点1」として、それぞれの達成目標の数値を[括弧] 中に記した.
A-2:[0.2],D-3:[0.2],E-1,2,3:[0.3],F-1,2,3:[0.3]

なお,達成目標のそれぞれの項目について60%以上を修得すれば合格とする.
卒業論文の学習教育到達目標A-2,D-3,E-1,2,3,F-1,2,3 は,上記の水準を満たせば達成される.

<教科書>
卒論指導教員から指示される.

<参考書>
<参考文献>
1)木下是雄:理科系の作文技術(2002),中公新書
2)太田恵造:卒業論文作成の手引き(1996),アグネ技術センタ−
<参考資料>
1)2014年度工学院大学機械系学科卒業論文ガイダンス(キューポートに掲載)
2)2014年度工学院大学機械系学科JABEEハンドブック(同上)
3)卒業論文活動時間記録シート(同上)
4)卒業論文の活動計画書(同上)
5)卒業論文の活動報告書(同上)
6)卒論中間成果報告書(同上)
7)卒論概要報告書(同上)

<オフィスアワー>
卒論指導教員ごとに異なるので,各研究室で開催される卒論説明会などで説明を聴くこと.

<学生へのメッセージ>
機械システム工学科に入学した各自の目標を最終的に達成できるのが「卒業論文」です.講義とは異なり主体的な研究活動が思う存分味わえます.そのために,すべての責任も自分自身に跳ね返ってきますので,日々の卒論活動の中で「卒業論文の活動計画書」に沿って研究が進んでいるか、自主的なチェックを怠らないように努めなければなりません.さらに,日々の卒論活動では,他の卒論生や院生とのチームワークが欠かせず,その能力も身につけることが出来ます.このようなことから,卒業論文は自分の能力を総合的に磨くよい機会であり,将来どのような業種・職種で勤めるにしても必ず役立つ能力が身につきます.
具体的に企業内の仕事でみると,業務の企画(P [Plan]),運営と実行(D [Do]),進捗状態の把握と定期的な見直し(C [Check]),次のステップへの行動(A [Action]),をつねに自分で管理するとともに、第三者に「みえる化」させることができるこの能力をさします.


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