2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

計画工学I(Planning Technology I)[5B13]

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2単位
八戸 英夫 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 あらゆる仕事において計画と統制という面で科学的管理手法が重要視されている.これを体系的にまとめた計画工学はOR(オペレーションズ・リサーチ)と深く関係している.この点を理解し,計画工学の諸手法のうち,特にPERT系(工程計画)諸手法について身につける.

(JABEE機械システム基礎工学プログラムの学習・教育到達目標) D:◎

<受講にあたっての前提条件>
(1)「システム工学A」,「システム工学B」を受講していること.
(2)確率,統計の基礎的知識をもっており,それらの例題を解くことができること.

<具体的な到達目標>
(1)計画の分類を理解し,その応用例が説明できる.
(2)評価の尺度として効用関数を理解し,応用できる.
(3)計画案の選定に用いる代表的な意思決定手法を理解し,応用できる.
(4)工程計画の手法であるPERTの利点について説明できる.
(5)PERTのアロー・ダイヤグラムが作成できる.
(6)PERTの日程計算と日程短縮ができる.

<授業計画及び準備学習>
1. 計画工学とは?―ORの概念,定義を述べ,計画工学とのつながりについて述べる.
準備学習:計画の英訳と計画立案の課題について調べておくこと.
2. 計画とは?―良し悪しのものさし,様々な分野における計画の実例を紹介する.
準備学習:高校までに学んだ確率・統計について復習をしておくこと.
3. 意思決定について―計画の立案と決定にあたっての意思決定プロセスと心構えの理解.
準備学習:高校までに学んだ対数,等比級数の和について復習をしておくこと.
4. 意思決定の手法―意思決定を支援する幾つかの手法の理解
準備学習:前回までの総復習をしておくこと.
5. 計画支援システム―計画工学におけるコンピュータの役割とコンピュータそのものの理解.
準備学習:情報処理概論及演習で学んだ情報理論の基礎的知識について復習をしておくこと.
6. PERTとは?―PERTのねらい,従来の方法との比較,利用状況について述べる.
準備学習:身近な例で計画を立ててみて,その問題点についてまとめておくこと.
7. アロー・ダイヤグラム―プロジェクトの作業順序を図表示する方法について述べる.
準備学習:身近な例による計画の作業順序を表形式で作成しておくこと.
8. PERT計算I―最早結合点日程,最遅結合点日程の計算方法について学ぶ.
準備学習:身近な例による計画のアロー・ダイヤグラムを作成しておくこと.
9. PERT計算II―余裕日数とクリティカル・パスの求め方について学ぶ.
準備学習:身近な例による計画の最早結合点日程,最遅結合点日程を求めておくこと.
10. PERT計算の例―幾つかのプロジェクト計画を取り上げ,PERT計算の実例を紹介する.
準備学習:前回までのPERTに関する復習をしておくこと.
11. 日程の短縮―標準工期で予定完了日に間に合わない場合の所要日数短縮手順について学ぶ.
準備学習:身近な例による計画の所要日数短縮について試みておくこと.
12. PERTにおける三点見積もり―楽観的,悲観的日程を考慮したPERT計算法について学ぶ.
準備学習:統計学における分散の考え方と計算法について復習をしておくこと.
13. 人員・資材配分計画―人員の山積み表の作り方と山くずし法による日程計画について述べる.
準備学習:計画の実例を調査し,人員・資材の必要量について調べておくこと.
14. CPM−日程短縮におけるコスト管理法について学ぶ.
準備学習:日程短縮でコスト増となる理由について調べておくこと.
15. 達成度評価(定期試験)
準備学習:前回までの総復習をノートの参照なしに説明,計算ができるレベルまで行っておくこと.

<成績評価方法>
 定期試験が60点以上の者に単位を認める.ただし,正当な理由なく,出席状況やレポート提出状況などが悪いときは減点対象となることがある.
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育到達目標D-1,D-2は,上記の基準を満たせば達成される.

<教科書>
特に指定しない.
※講義ノートが教科書となります.

<参考書>
「PERT・CPM」関根智明著(日科技連)

<オフィスアワー>
講義終了後30分間,講義室もしくは新宿キャンパス1774室にて

<学生へのメッセージ>
 計画工学の知識は,あらゆる業種,職種で役に立ちます.計画立案を必要としない仕事はないのですから,是非身につけておきたい学問です.また,本講義で学ぶ内容は,公務員や会社の選抜試験,各種資格試験にも出題されることがあります.


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