2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科
計画工学II(Planning Technology II)[5B12]
2単位 八戸 英夫 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 計画工学で用いる諸手法の中で広く普及し,実用価値の高いものの1つとしてLP(線形計画法)がある.この手法を身につけるとともに,双対問題や輸送問題の解法を理解する.さらに,動的計画法による最短経路探索問題の解法を身につけるとともに,品質管理の主な手法を理解する.
(JABEE機械システム基礎工学プログラムの学習・教育到達目標) D:◎
- <受講にあたっての前提条件>
- (1)「計画工学1」を受講していること.
(2)確率,統計の基礎的知識をもっており,それらの例題を解くことができること.
- <具体的な到達目標>
- (1)LPのモデル化の方法について理解する
(2)シンプレックス・タブローの計算ができる. (3)双対問題とは何かを理解し,最適化できる. (4)輸送問題の解法を理解し,関連する例題を解くことができる. (5)動的計画法を理解し,最短経路探索問題に応用できる. (6)品質管理の考え方を理解し,基本的手法を理解する.
- <授業計画及び準備学習>
- 1. LPとは?―基本的な例題をもとに,モデル化の方法と図式解法などについて学ぶ.
準備学習:システム工学Bの履修者はその復習を行っておくこと. 2. シンプレックス・タブローとは?―基本解とシンプレックス・タブローの作り方を学ぶ. 準備学習:高校までに学んだ不等式の取り扱い方について復習をしておくこと. 3. シンプレックス・タブローの計算法―基本的例題をタブローで解く方法について学ぶ. 準備学習:連立方程式の行列計算による解法の復習を行っておくこと. 4. 制限条件に等式のあるモデル―モデルの制限条件に等式のある場合の計算法について学ぶ. 準備学習:前回までの総復習をしておくこと. 5. 制限条件に逆向きの不等式があるモデル―標準問題と逆向きの不等式がある場合の理解. 準備学習:前回の復習をしておくこと. 6. その他のモデル―最終タブローで退化する例,無限又は不能の例について述べる. 準備学習:数学における退化,無限又は不能について復習をしておくこと. 7. 双対法―双対法(dual method)による計算法について学ぶ. 準備学習:LPのモデル化について復習をしておくこと. 8. 条件の削除,追加,変更―制約条件が変更された場合の計算法について学ぶ. 準備学習:行列の掛け算について復習をしておくこと. 9. 輸送問題―複数の発着地点間の総輸送費を最小とする解法についての基本的理解をする. 準備学習:国内の様々な貨物取扱量の実態とその課題について調べておくこと. 10. 輸送問題の解法―初期解の作り方,最適解の計算の仕方について学ぶ. 準備学習:前回の復習をしておくこと. 11. 動的計画法―多段決定過程の最適化,最適性の原理について学び,応用力を養う. 準備学習:漸化式の計算法について復習をしておくこと. 12. 最短経路探索問題―動的計画法の例として最短経路探索問題について考える. 準備学習:最短経路探索問題の実例を調べておくこと. 13. 品質管理の考え方―統計的品質管理の歴史とその考え方について学ぶ. 準備学習:ここ数年の国内における品質検査の事件について調べておくこと. 14. 品質管理の基本的手法―品質管理の七つ道具の理解とその応用力を養う. 準備学習:機械システム実験及演習テキストを用いて最小二乗法の復習をしておくこと. 5. 達成度評価(試験) 準備学習:前回までの総復習をノートの参照なしに説明,計算ができるレベルまで行っておくこと.
- <成績評価方法>
- 定期試験が60点以上の者に単位を認める.ただし,正当な理由なく,出席状況やレポート提出状況などが悪いときは減点対象となることがある.
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育到達目標Dは,上記の基準を満たせば達成される.
- <教科書>
- 特に指定しない.
※講義ノートが教科書となります.
- <参考書>
- 「線形計画法入門」森口繁一著(日科技連)
「数理計画法」渡辺浩,青沼龍雄共著(筑摩書房) ※講義に出席していれば,必ずしも購入する必要はありません.
- <オフィスアワー>
- 講義終了後30分間,講義室もしくは新宿キャンパス1774室にて
- <学生へのメッセージ>
- 計画工学の知識は,あらゆる業種,職種で役に立ちます.計画立案を必要としない仕事はないのですから,計画工学Iと合わせて本講義の知識も是非身につけておくことを薦めます.また,本講義で学ぶ内容は,公務員や会社の選抜試験,各種資格試験にも出題されることがあります.
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