2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

応用解析学(Applied Analysis)[4D17]

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2単位
江澤 潤一 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
工学の基礎的な法則は微分方程式で表現される。本講では,常微分方程式の復習から始め,偏微分方程式とその解法に必要な数学的手法を理解する。講義の大部分は,基本的でしかも広く現れる二階線形微分方程式(双曲型,放物型,楕円型)の初期値問題・境界値問題にあてられる。また,この解法に関連して,直交関数展開やフーリエ級数展開についても学ぶ。また,本講では解の存在や級数の収束性に関する詳細な議論は行わず,解を求めることや,その物理的意味に主眼を置く。数値解法についても議論しない。

<受講にあたっての前提条件>
実数関数の微分,積分の初等的な知識を前提とする。
常微分方程式についても初歩的な知識は仮定する。
三角関数の知識を前提とする。
複素数の知識があると好ましいが,前提とはしない。

<具体的な到達目標>
物理法則が微分方程式で記述されることを理解する。
ラグランジュ偏微分方程式や全微分方程式を解けるようになる。
直交関数展開およびフーリエ級数展開を理解する。
簡単な場合の波動方程式・熱伝導方程式・ラプラス方程式を解けるようになる。

<授業計画及び準備学習>
1. 序論と準備(常微分,偏微分,複素数,等々)(09/17)
2. 常微分方程式の例と解法(09/24)
3. 理解度の確認(小テストと解説)(10/01)
4. 偏微分方程式の例と分類(10/08)
5. ラグランジュ偏微分方程式(10/15)
6. 全微分方程式(10/22)
7. 理解度の確認(小テストと解説)(10/29)
8. 一次元波動方程式の初期値問題・境界値問題 (11/05)
9. 直交関数展開,フーリエ級数展開(11/12)
10. 波動方程式(双曲型)のフーリエ級数による解法 (11/26)
11. 理解度の確認(小テストと解説)(12/03)
12. 熱伝導方程式(放物型)のフーリエ級数による解法(12/10)
13. ラプラス方程式(楕円型)の境界値問題(12/17)
14. 偏微分方程式のまとめ(12/24)
15. 学習成果の確認

<成績評価方法>
1)可能な限り頻繁に,それ以前の授業内容を題材に小テストを実施する。小テストの総合点を100点満点で評価し,A点とする。
2)定期試験は,100点満点で評価し,B点とする。
3)最終評価点Fは,F=A*(1-x)+B*xである。xは,X>0.5の範囲で総合的に決める全学生に共通の係数である。Fが60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。
講義要旨を配布する。

<参考書>
「キーポイント 偏微分方程式」河村哲也(岩波書店,理工系数学のキーポイント10)
キャンパス・ゼミ「偏微分方程式」馬場敬之,高杉豊(マセマ出版社)

<オフィスアワー>
木曜日16:40−17:00講師室

<備 考>
1. 自分の手を動かして,数多くの例を計算してみることが重要である。なるべく具体的な応用例を取り上げるので,労を惜しまず勉強すること。
2. 演習の時間がとれないので,ホームワークとして授業でとりあげた問題を再度解き完全に理解すること。
3. 理解にはステップを踏む必要があるため,1,2をきちんと行って,各回の授業内容を体得することが肝要。


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