2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

複素関数論(Elementary Complex Function)[4D16]

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2単位
江澤 潤一 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<授業のねらい>
複素関数論について学ぶ。複素数は実軸と虚軸をもつ2次元複素平面上の点として表現される。我々が自然界で出会う量は全て実数や実関数であるが,実関数を複素関数に拡張することにより豊かな世界が広がり,そこから実関数を眺め,より深く理解する。複素関数論自身の数学的美しさもさることながら,それ自体が流体力学や電磁気学の理解に欠かせない。また,現代物理学の土台である量子力学は複素関数論の上に構築されている。さらに種々の応用できる数学はすべて複素関数論に基礎づけられていると言っても過言ではない。これらの事を理解する。モノクロからカラーTVへの転換にも匹敵する視点の転換を味わえるだろう。

<受講にあたっての前提条件>
実数積分を行えること。
三角関数を理解していること。

<具体的な到達目標>
複素数を自在に使えるようになる。
複素積分を実際に実行できるようになる。
実数積分に複素積分を応用できるようになる。

<授業計画及び準備学習>
1. 複素数・複素平面 ← 04/09
2. 複素関数 ← 04/16
3. 指数関数・対数関数・三角関数 ← 04/23
4. 理解度の確認(小テストと解説) ←04/30
5. 複素関数の微分 ← 05/07
6. 正則関数・Cauchy-Riemann条件← 05/14
7. 理解度の確認(小テストと解説)← 05/21
8. 複素積分 ← 05/28
9. Cauchyの積分定理と積分公式 ← 06/04
10. Taylor展開・Laurent展開・特異点 ← 06/11
11. 理解度の確認(小テストと解説)← 06/18
12. 留数と極,留数定理 ← 06/25
13. 定積分計算への応用 ← 07/02
14. 複素関数論のまとめ ← 07/09
15. 学習成果の確認(定期試験)

<成績評価方法>
1)可能な限り頻繁に,それ以前の授業内容を題材に小テストを実施する。小テストの総合点を100点満点で評価し,A点とする。
2)定期試験は,100点満点で評価し,B点とする。
3)最終評価点Fは,F=A*(1-X)+B*Xである。Xは,X>0.5の範囲で総合的に決める全学生に共通の係数である。Fが60点以上を合格とする。

<教科書>
「テキスト複素解析」小寺平治(共立出版)
講義録を配布する。

<参考書>
講義の中で必要に応じて指示する。

<オフィスアワー>
木曜日16:10-16:30 講師室

<学生へのメッセージ>
1. 自分の手を動かして,数多くの例を計算してみることが重要である。なるべく具体的な応用例を取り上げるので,労を惜しまず勉強すること。
2. 演習の時間がとれないので,ホームワークとして授業でとりあげた問題を再度解き完全に理解すること。
3. 理解にはステップを踏む必要があるため,1,2をきちんと行って,各回の授業内容を体得することが肝要。


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