2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科
○機械システム設計総合演習(Comprehensive Design and Exercises of Mechanical Systems)[3B05]
2単位 小林 光男 教授 [ 教員業績 JP EN ] 大石 久己 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 小尾 幹男 非常勤講師 播田 光行 非常勤講師 我妻 隆夫 特別専任教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 機械システムを理解し、機械システムを構成する上で必要な総合的デザイン能力と創造能力を養成する。そのために、複数の教員から広い分野にわたる機械・機械システム装置などの機能解析と設計手法を学ぶ。システムを理解した後、機械要素、機械装置などに働く力、作動流体の物性値などを考慮して、各課題に沿った設計演習を行う。この演習で機械システムとは何か、どのような事柄を考慮してシステム設計を行えばよいかなどを理解する。また、この授業の中で技術レポートの作成能力の向上と、グループ作業によるチームワーク力の育成も図る。
- <受講にあたっての前提条件>
- 本科目の履修者は物理学、化学、数学、工業力学、材料力学、機械力学、制御工学などの基礎科目を履修している必要がある。また、解析、振動学等の新しい概念を習うので参考図書等を参考にして予習しておくことが望ましい。また、本科目の修得後は、4年間の最後の履修に活かしたい。特に最後に「卒業論文」を履修することによって、機械システム工学の総合的能力を養うことになる。
- <具体的な到達目標>
- ・具体的な4つの機械の設計を体感することで、以下の到達目標を達成することが出来る。
・総合的な総合的な機械創造演習をすることで、工学の意味を考え、意義のある機械を創造することが出来るようになる。 ・解析、振動などの新しい概念を学び、応用能力の幅を広げることが出来る。 ・各課題のレポートを完成させる中で、課題の問題点を理解し、それを解決するまでの過程を分析して全体計画をデザインできるようになる。 ・また、レポート作成方法とプレゼンテーション能力を向上させることが出来る。 ・チーム課題を実施する中で、アイデアを出し合って、問題解決する能力を向上させることが出来る。 (JABEE機械システム基礎工学プログラム学習・教育到達目標):D3:◎、E2:◎、E4:◎、F2:◎。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回目のガイダンスにおいて、グループ編成・日程の確認、受講の注意をおこなう。授業はクラス(グループ)編成により行い、各クラスは6コマ(2コマ×3週)を1区切りとして以下の課題に取り組む。前半および後半の2つの課題を終えた時点で、学習内容の総括を行い学習内容の十分な習得を図る。また、各課題を実施する前に、テキストや、配付資料を熟読し課題内容を確認して準備学習をしておくこと。さらに、課題実施後は、指示に従って成果をまとめ報告レポートを作成し、理解不十分な点があれば、内容を補い次の授業に備えること。各課題は、以下の内容である。
・機械設計に必要な基礎知識の確認を行う。 ・ねじ締結体の強度設計(小林光男担当) 機械を構成するために必要不可欠である締結技術を習得して、いくつかのねじ締結体モデルについて設計を行う。内容は締結技術の概要とねじの歴史、ねじの力学とねじの締付け、外力を受けるねじ締結体の軸力挙動、ねじ締結体の設計である。 ・自動車の防振設計(播田光行担当) 防振のメカニズムを理解した上で、自動車のエンジン系、ステアリング系等を簡単な振動系に置き換えて、その防振設計を行う。演習課題3テーマをレポートにまとめて提出する。 ・薄板ブラケットの最適設計(小尾幹男担当) 薄板ブラケットに生じる応力と変位、およびその計算方法、重量最小の最適設計法などを3DCADにより学習する。薄板構造はあらゆる機械部品で使われている。予め与えられた寸法の範囲内で、荷重条件に対して、応力値と変位を制約した部品の重量を最小とする設計を行う。最小重量を証明するため、重量計算書、応力計算書、製作図面などのレポートを作成する。 ・振動問題とシステムモデル(大石久己担当) 振り子の基礎実験とMATLAB/Simulink の数値シミュレーションによる数値実験を行い、機械構造物の振動問題とシステムモデルの理解を深める。課題作業は、種々のグループを構成して行い、チームでアイデアを出し合って、問題解決する演習も行う。
- <成績評価方法>
- 以下に示す各課題ごとの成績の平均点を評価点とし、60点以上を合格とする。ただし、1テーマでも受講できなかった場合は不合格となる。
・ねじ締結体の強度設計 中間レポート、最終レポートで評価する。 ・ 設計の際の材料選択 3回のレポートで評価する。 ・ 自動車の防振設計 ・薄板ブランケットの最適設計 3回の授業の後、提出のレポートにより成績を評価する。 ・振動問題とシステムモデル 各課題のレポートで評価する。 四つの課題をそれぞれ理解し、結果を議論してレポートとしてまとめることで、上記の学修・教育到達目標の(D3)、(E2)、(F2)を達成することが出来る。また、チーム作業の課題を実施することで、(E4)を達成できる。
- <教科書>
- 「機械システム設計総合演習テキスト」とテーマ毎に配布するプリントを用いる。
- <参考書>
- 特に定めないが、1〜3年次の授業で使用した教科書、参考書資料等が参考となる。特に、工業力学、材料力学、基礎機械システム設計、機械力学などが関連が深い。また、図書館での調査も有効である。
- <オフィスアワー>
- 各担当教員によって異なるので、それぞれ確認のこと。メールでの対応も可能である。
但し、メールアドレスは、ガイダンスに出席しで確認のこと。
- <学生へのメッセージ>
- 各テーマとも広範囲の内容を含むため、予習、復習を十分に行なうこと。また、毎回、電卓は必ず持参すること。
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