2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

技術者の倫理(Engineer's Ethics)[2A03]

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2単位
林  真理 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
技術者倫理に関する入門的な授業を行います。
 「技術者倫理」というのはは、専門職としての技術者が身につけておくべき行為規範のことです。といっても単に行為規範を覚えればよいというものではありません。もちろん明確なルールは多数存在しており、それらを知って、それに従うということも大切です。しかし、人が直面する問題というものは、単純なルールをあてはめれば解決するようなものではありません。具体的な場面に即して、どのような行為が倫理にかなっているかを判断できるためには、複雑な状況を理解する態度や、様々な人との関係に配慮することが必要になります。そういった思考と判断の基本を身につけるための授業です。
 したがって、受身で情報を受け取るだけではなく、授業中自分で考え、積極的に表現することが求められます。

<受講にあたっての前提条件>
特にありません。

<具体的な到達目標>
(1)技術者の倫理的判断にとって必要な基礎的知識と考え方を説明することができる。
(2)倫理的思考と判断になじみ、それを具体的な事例に適用できる。
(3)人間・社会について考えることの重要性を自覚することができる。
JABEE学習教育・到達目標
「機械システム工学プログラム」:(B)◎

<授業計画及び準備学習>
授業計画
1.技術者倫理の学習にあたって。
2.倫理とは何か?
3.技術、技術者とは何か?
4.企業の中の技術者(1):チャレンジャー号のケース
5.企業の中の技術者(2):続き:ジレンマの中の技術者
6.企業の中の技術者(3):ジェー・シー・オーのケース
7.企業の中の技術者(4):企業の社会的責任
8.技術者と公衆(1):安全性の考え方
9.技術者と公衆(2):製造物責任の考え方
10.技術者と環境(1):ギルベイン・ゴールド
11. 技術者と環境(2):内部告発の倫理
12.技術者と環境(3):環境問題の考え方
13.知的財産権の考え方
14.演習:これまでの復習とディスカッション
15. まとめ。継続的学習のために。
準備学習
 前回授業の復習をして、また宿題レポートを提出して翌週の授業に臨むこと。レポートは次週の授業開始時に返却することを原則とする。

<成績評価方法>
レポート(計50点)、授業内に行う演習、ディスカッション、小レポート等(計50点)によって評価します。評価の結果が60点以上の場合は、上記「機械システム基礎工学プログラムの学習・教育到達目標」(B)は達成される。

<教科書>
林・宮澤・小野他編著『技術者の倫理』(コロナ社 2006年)

<参考書>
飯野弘之『新・技術者になるということ これからの社会と技術者』(雄松堂 2012年)
この書籍には、多数の版があります。できるだけ新しいものが望ましいですが、古い版でも十分です。
その他の参考書については、授業で指示します。

<オフィスアワー>
前期は月曜2限(10:40-12:10)、後期は木曜5限(16:20-17:50)。新宿キャンパス27F2714室。その他の時間を希望する場合は、ft12153@(以下皆さんと同じ)のアドレスまでメールで問い合わせて下さい。

<学生へのメッセージ>
すばらしい技術であればあるほど、それが引き起こしかねない問題も重大なものになります。工学院大学で学ぶ皆さんには、人間や社会に関する深い洞察を持ち、技術のすばらしさと問題点の両方を見きわめられる知性を身につけた社会人として巣立って欲しいと思います。

<参考ホームページアドレス>
http://inrta.ns.kogakuin.ac.jp/~ft12153/ 授業アンケート結果やそれに対するコメントを掲載しています。


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